虻色の闘蝶 魔ニュー婆 / 田中鳳来

作品紹介

「上を見れば空。下を見れば空」

上下数万キロに渡る空の世界。
かつてシュトロム人の産み出した浮遊技術革命は人類の住処を「空」へと押し上げた。
万能資源エテウゲンが充満する空の世界は長く栄華を誇り、人類は「地上」という存在を忘れた。

しかしエテウゲン濃度が徐々に低下していることがわかると、空の各国家はエテウゲンをめぐり争いを始めた。そんな折、下空の軍事国家スナントウム消滅のニュースが空世界にもたらされる。情報が錯綜する中、各国があらゆる要因を探った結果、最終的に消滅の原因が結論づけられた。

それは「地上」からの砲撃によるものだった。

古代、殆どのシュトロム人は地上に見切りをつけ、空へと上ったが、地上に残った集団もいた。彼らは終わりゆく大地と運命を共にし消え去ったと思われていた。

中空の小国タマーンの若き鳥雲(トリューン)乗りスズキーンは極秘指令を受け禁断の地「地上」の調査に向ったが、下限空付近で鳥雲のコントロールを失いそのまま墜落してしまう。

一体地上では何が起こっているのだろうか。

そしてシュトロム人でさえ到達しえなかった上空の更に上世界、ウチューンからも脅威が迫っていた。

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