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結婚して、妊娠するまでの間、起きても寝ても、両親からの理不尽の妄想を見続けた私は、妊娠すると、2人の言葉の暴力から子どもをどう守るかに執心した。

2人に備えて対応するには、あらゆる想定と妄想をしなければならず、その癖は簡単に抜けず今も気付いたら考えて、イライラしてしまう事がある。本当に辞めたいけれど、そうしないと生きて来られなかったのだから仕方ない。

妊娠中のホルモンバランスの影響もあってか、今より妄想は激しかった。何も考えていなくても、パッと、あんな事を言われるかも、父はああ言ってくるだろう、母はあんな事を言うだろう、こう返してもああ言うだろう、と、際限なく出てくる。

実際に妄想した場面になっても言われる事はなくて、拍子抜けする事は多々あったから、これは妄想だから、辞めようと何度思っても、やめたら思わぬパンチで自分が傷付くかもしれないと、怖くて辞められなかった。

恐らくこれは祖父母に対する父と同じ思考パターンで、私はそれを家族に吐き出していないだけである。
ただし現在はで、私は気付かない内に、同じ事を夫や、旧友にしていた。
先に書いた、自分は正しい、分かってくれ助けてくれと家の愚痴を学校で吐き出していた行為は、父そのものだ。

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