見出し画像

チベット医(アムチ)に診察してもらった話

先日のこと。チベット医に健康チェックをしてもらった。

チベット医学というと、その始まりが3000年も前に遡り、アーユールヴェーダの知識も取り入れながら独自に発展してきたチベットの医学だそうだ。

※ちなみに日本にも日本人でただ一人のチベット医、小川康さんという方がおられます。
https://www.kaze-travel.co.jp/author/ogawa
『僕は日本でたったひとりのチベット医になった』という本も書いておられます。

チベット医=アムチの存在についてはネパールに行ったときに時々耳にして知っていた。カトマンズの街の中にも何件か診療所があり、脈診で体調やその人の体の特徴などが分かるらしい。薬草でできた薬が処方され、診察料は基本無料で支払いたいだけ支払うシステムらしい。などという情報がどこからともなく入って来ていて(*正確な情報かどうかはわかりません)、興味を持っていたのだが、ネパールではこれまで一度も診察を体験することなかった。

それが今になってスウェーデンで急に実現した。以前に書いたように現在チベット語を習っているのだが、実はその先生がチベット医の教育を受けられた方で診察ができることが分かったのだ。

こんな身近に、チベットやネパールから遠く離れた場所でアムチに出会えるとは。

今現在、大きな健康上の問題があるわけではないのだが、ここ数年間、症状が出たり消えたり、ひどくなったりマシになったりを繰り返す皮膚の不調に悩まされてきた。出る場所もいろいろで、ひどい時は口の周りが1年近く荒れ続けたこともあった。最後にはステロイドのキツい薬を使って騙し騙ししているうちに治まったが、今はそれが手に移って、右手の平と指の間の荒れとかゆみ(主婦湿疹のような感じ)がひどく、長い間治っていない。

なんとなく、ではあるけれど、これはもしかすると食べ物のせいかもと疑ってきた。というのも日本に帰省すると症状がマシになるのだ。

食べ物だけでなく、水とか湿度とかそういうのも関係しているかもしれないけれど、食べ物がやはり一番怪しいのではないかと思っていた。

こちらに来て10数年になる。なんちゃって日本食を作って食べたりもするが、パンやパスタ、そして乳製品を多く食する国なのでチーズなどを食べる回数が断然増えた。また、日本にいた時は夕食に白米を食べることがあまりなかったのだが(家族の中で私だけ夕飯はおかずのみ。なぜか分からないが高校ぐらいから夜はご飯を食べたくなくなり以降ずっとそうだった)、こちらではおかずのバリエーションが少ないため(毎日数品おかずを作るのが面倒という理由、苦笑)、お腹を満たすのに取りあえずご飯を炊いて食べる、ということが段々普通になっていた。

そういう食生活の変化によって年を重ねるごとに体にも影響が出てきているのではないか。だから体のあちこちに不調が出てきているのかもしれない。

そんなことで急にやって来たチャンスをありがたく受けることにして、診察をしてもらった。

内容は脈診、尿検査、舌の状態チェック、目の状態チェック、そして背中の触診、と結構いろいろあった。

脈診は私の右手と左手それぞれ片手ずつの手首下に、先生が人差し指から薬指までの3本の指をあて、診てもらう。

舌は「べーっ」っと舌を出し、色などのチェック。目も右に向いたり左に向いたりしてその状態をチェックしてもらう。

背中の触診は、背骨に沿って「1、2、3、、」と数えながら、背骨の右を触ったり左を押さえたりして診ていく。数えているのは背骨ひとつひとつを数えているのではなく、一定の間を空けて背骨に沿ったポイントを数えているようだった。

そして出た結果は、肝臓、腎臓、腸の調子があまり良くない、とのこと。そんなにいっぱい不調なの?と正直驚いたが、そういうことらしい。

腎臓は女性特有のもので、もっと悪くなると膝にも影響を及ぼします、といわれた。場所はちょっと違うが膀胱炎とかそういう系の問題を指しているのだろうか?

(先生は簡単なスウェーデン語と英語を交えて、時にちょっとチベットを混ぜたりして説明されるので、時々内容がキャッチできないことがある)

肝臓も酷いわけではないけれどちゃんと血が行ってない(!)感じがする、と。

そして中で一番大事なのが腸だと言われた。とりあえず腸をクレンジングしないと、これから先もそこから肝臓やほかの臓器にも影響を与えていく、と。この不調は学者タイプの人に典型的らしい。たくさん研究したりいろいろ頭で考える仕事の人は腸や肝臓が悪くなりやすい、と。また学生の時にガツガツ勉強していた人も当てはまるらしい。

確かに中学、高校、そして大学の時も自分なりにかなり勉強していた。別にその時は体調は悪くなかったし、元気いっぱいだったけれど、こうして何十年か経ってからの体調に影響するなんて驚きだ。


(つづく)






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?