【パリ雑記】二度と行かないと思っていた街が、15年経ったら帰れる街になった

※忘れる前に。備忘録的な記事です。


パリに1週間滞在していた。

写真作品を1点、パリ市内の現代アートの展覧会に出展していたので、レセプションに参加しつつ、観光しつつ…という感じの1週間。

複数の着物の柄を撮影して重ね合わせた黄色い作品は、たしかに日本らしくて目立ちやすかったかもしれないが、会場入り口、外から見える場所に飾っていただけたのは有り難かった。「客引き」的な役割を背負わされていた。


パリの街は、街そのものが芸術と言って差し支えがないような場所だった。美意識の高さや文化的な豊かさは、街中をふらふら歩くだけでも十分感じ取れた。
ときに非効率に思えるようなことを、しっかり守り抜けるということは、それだけ豊かで成熟している証拠なのではないかと思っている。


パリでは英語がよく通じた。記憶の限りだと、15年前よりもはるかによく通じた。年配の人はフランス語しか話さない人も多かったが、若い人たちは相当話せるのではないだろうか。
言葉でのやり取りが普通にできるというのは、それだけでストレスを大きく軽減してくれる。かなり快適な7日間だった。


どういうわけなのだろうか、新しい居場所ができたような気持ちになった。
もちろん、たった1週間しかいなかったわけで、もっと長期にわたって住むことになったら嫌な面もいろいろとあるのかもしれないけど、1週間滞在した後の感想は、「私、ここなら戻ってきても大丈夫」というものだった。

言葉が通じたからなのか、伝統と現代が混ざり合った街が肌に合ったのか、どことなくドライな雰囲気が好みだったのか、理由は正直よくわからないのだけど。

20歳の頃、オーストラリアに10ヵ月住んでいたことがあって、日本に帰国するときは飛行機の中でずいぶんと泣いた。今回は泣くほどではなかったけど、空港であのときと似た感覚に襲われたのがすごく新鮮で意外だった。


パリには15年前にも訪れているのだけど、当時はアートに縁もゆかりもなく、まさかこんな形で再訪することになろうとは夢にも思わなかった。
パリなんて、もう行かないと思っていたんだけどな。嫌いだったわけじゃないんだけど、私っぽくない、縁のない場所だと思っていたから。
でもこの調子だと、また行ってしまうかもしれない。

人生は本当にわからない。わからないから、「こうなりたい」という夢を描きつつも、がっちり決めすぎずに生きていきたいと思う。
1ミリの余裕も持たずに生きていたら、パリで作品を展示するなんて人生には絶対にたどり着かなかったのだ。


午前中の少し霞んだパリの景色が、何とも言えず幻想的で美しかった。

そして、パリを発った日も、日本に着いた日も、月がとても美しかった。


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chie

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思考や感情を垂れ流したものたち。
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