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【制作後期】雨が降り止むまでは


迷ったけど、遺すだけ遺しとこう。どうせネットの海に呑まれるんだし…。


コンセプト

カルチャ × 砂の惑星

前提。
dedeenは『砂の惑星』投稿から今までにおいて、ずっと清濁入り混じった気持ちを持っていた。それを突っ込んだ感じ。

それを一言では言い表せないんだけど……少しぼかして言うなら「"メジャーデビューという目標"と"それ"は別物で、その二つを1曲内で一緒くたにしないで欲しかった」という感じ。

ただ勿論、自分は1作り手としては"彼が踏み歩くアスファルトの溝にある砂粒"のように矮小な存在なので、意見する気なんか毛頭ない。権利もない。一感想として、思うだけ。
念の為補足すると。dedeenはハチの曲も米津玄師の曲も好きだし、『砂の惑星』自体も"バックボーンを差し引いた純然たる只一曲"のソレとして聴く分には大好き。

ボカロは確かに衰退期を経たけど、その後から現代に至るまでに形を変え続け、再盛と最盛を迎えたと思ってる。

『カルチャ』動画説明文のスクショ

そんな中で『カルチャ』が投稿された。単純にツミキさんの音楽が好きで聴いてた。けど、歌詞とか制作コメントも読み取る中で、時代は違えど『砂の惑星』とは凄く対極的なメッセージ性だなと思い始めた。


2曲と2人の違うミク

上記の感じた上で、2つの曲それぞれのミクに対して勝手に性格を想像した。(「砂ミク / カルチャミク」で略す。)

2人はパッと見似たような気質に見える。少なくとも天真爛漫に元気を振り撒くタイプではなく、性格も纏う雰囲気もクール。どちらも力んで事に臨む気質には見えない。力強く胸を張ってズカズカと闊歩する様や、大股を開いてヒロイックに決めポーズをする姿もあまり想像出来ない。

また彼らの瞳からは、どちらも思春期真っ盛りのような純朴さはあまり感じられない。人間として一波味わった感じというか。

ただ二人の間で明確に違う2点。

・脱力の度合い
・見上げるか見下げるか

砂ミク。
ブランと脱力した肩〜腕〜手とは対照的に、眉間は終始緊張しており首も真っ直ぐ立っている。顎を引いて常に上目遣いでいる様は、さながら鳥山明の描く戦闘キャラという感じ。
明確な"進むべき道"もしくは目標を見据えており、かつそれは愉しむ余裕もない程に生半可でない対象…なんだと思う。または「前を見る」よりも「後ろを見ない」って意識が強いのかも。

対してカルチャミク。
表情も肩も脱力し切っており、指のポーズですら関節一つ一つが力んでおらずハンドサインが崩れる程。目線は「見下げている」というよりかは、首がリラックスし過ぎてたまたま頭が上向きになっている感じ。
砂ミクと違って静止画二枚なので深くは読み取れないけど、明らかに余裕を持っており心身にストレスを感じさせない。

彼女らの目線の先に、もし臨むべき対象があると仮定して。
砂ミクは確固たる意志と程よい緊張の元で"立ち向かう"のに対し。
カルチャミクは極限まで脱力して"受け入れる"ような態勢に見える。

そんな似てるようで似てない2人を見て思った。
「こいつら、根本的な部分で馬が合わないな」と。


構成

空間的な支配権はカルチャ側に与えた。

・赤背景 (カルチャMV)
・RGBブレ (カルチャMV)

カルチャ側が「時代の先」から、砂ミクに何かを伝えるイメージで。
ただし、あまりカンバスの支配率としてはカルチャが優位になり過ぎないように、砂MVにあった青黒い稲妻を散らす。

この絵のキーアイテムはレモン。「意地の悪い共通項」を考えて、これにした。

レモンだけだとメッセージが分かりづらいと思い、
卒業の寄せ書きのような配置で「いろんなボカロの歌詞」を入れた。
無造作ってわけではなく、曲選には1つだけ縛りがある。

キャラの芝居

カルチャミクは浮遊感を与えつつ、ツインテの揺らめきを「神様が付けてる用途不明の薄っぺらい布」っぽくした。本当にミクって汎用性の高いデザインだな。
(僕のタッチじゃウエダツバサ先生の脱力表現を再現することが難しかったので、身体の運動表現以外に頼ってしまった節もある。)
我儘で享楽的に、上から余裕顔でショックを振り撒く存在って感じに。ヘソとヘソピは描きたかっただけ。

対して砂ミクは、浮遊感でなく"落下"をイメージして、下からの落下強風でバタバタと髪や服が鳴っている感じに。表情は「ぁんだよコイツ…」みたいな。左目をハイライト潰しながら覆うことで「見ざるを得ない(見なきゃいけない/ただ見たいってわけではない)」感を出したかった……と思う。


この記事書いてる時点で負け

これらの要素を(例え絵としての品質を落としたとしても)もっと分かりやすくイラストに落とし込めれば良かったけど……こんな補足文が必要な時点で作品としての"完結"が出来てない。ディケイド劇場版。エルシャダイ。

実力不足……dedeenの。



追記

これらはdedeenが『雨が降り止むまでは』を描き表すための一動機に過ぎず、別に視聴者各々が感じたことに対して○×を付ける気は毛頭ない。その権利も一切持ち合わせてもいない。私は私の解釈でこの絵を勝手に描いたけど、それと貴方の持つ解釈(または体験)の価値は同等。
つまり、貴方がこの絵を観て最初に感じたことを「正す」「改める」考えは一切必要ない。何ならこの記事を忘れて構わないし、それが無理なら元ある体験を消すことなく共存してほしい。
それだけ。

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