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張健 FCoin(前HuoBi CTO)の経歴(後半その1)

 日本ではまだあまり紹介されていないFCoinの張健の経歴の紹介です。彼の思い描いているトークンエコノミーの世界観、知られざる素顔が垣間見れる内容となっております!
 今回はFCoinの誕生と、その他大手仮想通貨取引所との比較です。

④FCoinの誕生

 5月21日 FCoinが正式に外部にリリースされ、5月24日 FCoinの取引が始まりました。その後わずか半月で取引量が世界のトップに達し、2番目から7番目の合計を足したもよりも大きくなりました。

 "資産と取引のデータはリアルタイムで透明に公開"、 "取引することはマイニング"、 "収入の80%はFT保有者に即座に分配" 等、FCoinはHuoBiやBinanceとは全く別の新しい取引所の誕生です。

 取引所のマタイ効果を前提にして、新しい取引所が極短期間にこのような大きな飛躍を達成できたことは驚くべきことです。 これは、以下のような運営によるものです。

1.取引することがマイニングになる:
ユーザーによって生成された取引手数料の100%が同等のFTに変換され、ユーザーに還元されます。
2.配当:
プラットフォームはFT保有者に手数料収入の80%を還元します。

 上記の利益分配モデルは投資家を誘致するのに十分でした。

 "取引によるマイニング"これは全く新しいビジネスモデルで、投資者に資産の透明性を証明し、共存共栄を目指すという取引所ですが、投資家を間違った投機に導くと言う意見もあります。

 張建の見解では、取引所とは非常に典型的な上場企業の様であり、上場企業よりも公にさらされています。 上場企業には一部の株主しかいませんが、取引所には膨大な量の公的資金があります。

「ユーザーの多額の資金を預かっている公開企業として、全員でよく監視しなければならないが、今はすべての取引所が不透明であり、この界隈の最大の問題になっている。」

 最初からFCoinの計画は、資産や取引などの全てのデーターが透明な取引所を作ることでした。

『私たちは普通の会社ではなく、地域社会に根ざした組織でもありません。このコミュニティを代表する唯一の権力者は発行されたトークンです。トークンはFCoinコミュニティの唯一の代表者です。トークンを保持する人はコミュニティの発展に必要な決定権を持つでしょう』

 張健はこの点がFCoinと現在のすべての取引所との本質的な違いだと考えています。
 FCoinは公開企業のようにトークンの所有者に「配当」し配当の割合はプラットフォームの収益の80%です。

「配当」に加えて、プラットフォームはトークンの51%をコミュニティに還元します。還元する仕組みは「取引マイニング」と呼ばれます。 これは、ユーザがプラットフォーム上で取引する場合の取引手料金に応じて、プラットフォームは、プラットフォームのトークンであるFTの全額をユーザに還元すことを意味します。

「私たちの最も重要な顧客はトレーダであり、この方法により、私たちの利益とユーザの利益とは一致しています。」

 取引所の安全性について張健は自信を持って、

『私は取引所のCTOの経験もあり、その時間も短いわけではありません。私はこの分野で多くの経験を持っています。第二に、我々は完全に透明な取引所です。 資産はすべて公開されており、このステップに踏み出すために、私たちはセキュリティに多くの努力を払ってきました。』

 また、張健は、FCoinは今後ブロックチェーンの進化により、将来すべてのユーザーの資産がブロックチェーンに入り、誰もユーザーの資産を奪うことができなくなるだろう、との考えを明らかにしました。

⑤FCoinに関する懸念と疑惑

1.その他ライバル取引所の追撃

 6月23日、CoinMarketCapのデータによると、バイナンス OKEx Bitfinex HuoBiなど、世界有数の暗号通貨取引所の24時間取引量は、それぞれ14.8億米ドル、14.3億ドル、98.8億ドル、9億6000万ドルでした。 FCoinの最新の取引金額は発表されていませんが、21日の発表によると、プラットフォームは56,737ETH相当の手数料を徴収し手数料が0.1%であるとしETHのその日の終値が527USドルで計算すると、FCoinの取引量は299億ドルを超えます。

 FCoinは取引量ではリードしていますが、更にユーザー数も迅速に数を伸ばしています。

6月19日、OKExは、各交換事業者がプラットフォームコインを発行することをサポートする計画を発表しました。各取引所のプラットフォーム通貨の51%は「マイニング部分」で、49% は「発行される部分」です。(そのうち25%は運営チームが持ち、24%はOKB保有者に割り当てられます)
6月21日、バイナンスは、世界各地で”暗号通貨取引所開放連盟計画”を発表し反撃にでました。バイナンスが発表したWin-Win計画は各取引が発行したコインをサポートし、51%は「マイニング部分」で、49% は「発行される部分」です。(そのうち25%は運営チームが持ち、24%はBNB保有者に割り当てられます)
6月22日、HuoBiグループは、”HuoBi Tokenアップデート計画”を開始し、”HuoBi世界通用ポイント”から、”HuoBi世界エコノミートークン”にアップデートしました。主にHuoBiグループ内のサブビジネスを、将来的にHuoBi Tokenをベースにしたトークンエコノミーの世界を作るという計画でした。

 世界3大仮想通貨取引所ははっきりと宣戦布告をしました。もしバイナンスとOKexに策略に大きな違いがなく、プラットフォームのコインが取引所より離れられることができないのであれば、HuoBiの戦略が一歩先を行っているでしょう。
 昨年より、現在までの局面を見渡すと、HuoBiの関連ビジネスには、取引所、マイニングプール、ウォレット等がすでに始まっており、HTの価値はプラットフォームのコインの範囲を超えてブロックチェーンの生態系に大きく関わっています。

注:(左より順に、FT発行量、取引量、FTの時価総額、FT価格)

2.持続して発展できるかどうかの問題

 張健はFTの発行メカニズムについて話したことがあり、

『FT発行量は日々の取引量と正の相関があり、FT価格と負の相関がありますが、取引量はFT自体の価値とも正の相関があります。 FTの発行は増加のグラフを描かなければなりません。』

 グラフから見て取れるように、FTの発行量は日々の取引量と正の相関がありますが、FTの価格とは一致しません。6月6日から6月17日に至っては、FT発行量はFTの価格と正の相関があります。 FT自体の価値がもしFTの時価総額で表される場合、取引量もFT自体の価値と正の相関があります。

 6月21日から6月21日まで、FTは1日平均4100万枚を発行し、過去7日間の平均日放出は6000万を超えました。明らかにFTの発行速度は加速しています。 6月23日現在、FTの流動量は14億枚で、発行総数が100億枚であれば、51%はマイニングを通して発行されます。また、(100-14)* 51%/ 0.6 = 73.1日でFTの発行は完了します。
 FCoinは6月17日にアナウンスを通じて、短期間でFTのマイニングを終了させないため、”マイニング収入倍増計画の調整”を発表しましたが、この日から3日間FTは平均1日に7400万枚掘られ効果はさほどありませんでした。

 必然的にボリュームの増加は、多くの投資家の関心を引くでしょう。
2013年には、中国国内でもBitcoinの取引所が始まり、その年の9月には、HuoBiがスタートしました。永続的にトレードした手数料は無料であるとアナウンスがり、これは業界内初のデポジット、出金、手数料全てが無料であり、取引量が莫大に増え、他の取引所もそれに続きました。
 メディアの統計によると、中国の3大取引所の中でOKCoinは60%の取引が自動Botによるものであると計算していますが、HuoBiやBitcoin Chinaなどは80%をも占めるとの推測もあります。

しかし、手数料を取ること無く取引量を増やすことはいくつかの副作用を招きました。 投機的な傾向が強くなり、価格に対すボラティリティが大きくなりました。
2017年1月、中国人民銀行による3つのビットコイン取引所に現場調査が入りました。HuoBi、OKCoinそしてBitcoin Chinaにです。
そして、その後3つの取引所は同時に、成立した取引額の0.2%を手数料として徴収することをアナウンスしました。中国国内の無料手数料の時代は終わりました。

 当時、人気の銘柄はビットコインでしたが、上場費用についても議論はされる事もなく、手数料も無料だったのにどの様にプラットフォームは生存できたのでしょうか?主に融資などのサービスに依存していました。
 多くのプラットフォームでは、多くの取引を促すため、または空売りするためにレバレッジをかけたトレードが提供されました。 レバレッジは通常約3倍、最大5倍であり、プラットフォームは0.1%〜0.5%を借り出し費用として徴収しました。 さらに、投資家は0.1%〜0.5%の手数料を支払う必要がありました。

 上海証券取引所のバイ・シュオ 前最高経営責任者(CEO)は、「取引マイニングは、マーケットのクラウドソーシングモデルであり、流動性を活性化するためにはマーケットの役割が必要であり、長期的な持続性は未だ確立されたことはありません。と語りました。

 トレーダーに有利なものを与えることは大切だが、重要なことではない。短期的な行動は正常な行動ではない。良いプロジェクトに利益をもたらし、良い取引のスキルを与える必要がある」ともバイ・シュオは語りました。

⑥規制上のリスク

現在、暗号通貨の取引自体は政策リスクに直面しており、中国政府は中国における暗号通貨の取引を表向きは禁止していますが、一部の国では支持する動きもあり、暗号通貨の取引業者には厳しいアクセスの基準があります。
各国の国内法によって保護されていないため、投資家の利益を保証することは困難です。 また、元本の無い取引はマーケットの主流ではなく、為替市場であろうと株式市場であろうと、手数料は不可欠です。
 FCoinが手数料無料や配当モデルで制御不能なほど発展した場合、経験の浅いトレーダーの大量流入を招き、もし社会的安定に対するリスクをもたらした場合、規制当局の介入を免れない可能性もあります。

いかがでしたでしょうか?
次回はFCoinの深い部分、最終章です!


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