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Happiness Therapy : Crowd Control インタビュー

 フランス、リヨンのDJ/Producerのクラウド・コントロールを知っていますか。めちゃくちゃ若いのに、すでに様々なレーベルから曲をリリースしていて、フィジカルをリリースする自身のレーベル/イベントのハピネス・セラピーを主催しています。

2014年にパーティのオーガナイズをはじめ、2018年にフィジカル(バイナル・レコード)をリリースするレーベルをスタートさせていますが、この3年ですでに10タイトル以上をリリース(※うち9タイトルがバイナル)し世界へ流通、2019年にはサブレーベルのWabi Sabiも共同主催ではじめています。

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正直活動が多岐すぎる上にすごいスピード感で、イベントの規模もでかすぎるため、このインタビューをするまでハピネス・セラピーは大人数のチームでやっているプロジェクトだと私は勘違いしていました…(笑) 強すぎる…

かっこいいディスコ・ハウスを作ってリリースしているDJがいるなぁ~程度に思っていたので驚かされることと同時に、地元のシーンを盛り上げたいという思いが熱く、かなり勇気付けられるインタビューになりました!

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Pigeon : 事前にネットで色々検索してみたところ、さかのぼれる一番最初の方の活動として、2014年に既に閉店しているクラブ、リヨンの DV1Huxley を呼んだフライヤーを見つけました。

Crowd Control : そう。これこそが、2014年、一番最初に企画したハピネスセラピーのイベントだったよ。私が、というよりは私達がというべきなんだけど、Sylvain Boisと一緒に立ち上げたから。

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Crowd Control : 私達は2011年からウェブ・マガジンで一緒に働いていて3年以内に自分達で何かたちあげようと決めてたんだ!

ただ彼は、2016~2017年の間、大学の学位を終了するために本格的に学問に専念しなくてはならず、ハピネス・セラピーで働くのをやめる決断をしたんだ。だから私は今、自分自身でレーベルとイベントをやり続けてるよ。

Pigeon : その最初期のハピネスセラピーの仲間はどんな感じでしたか?その時と今では音楽の雰囲気などに変化はありましたか。

Crowd Control : 一番最初の仲間は、Rémi Caumont, F.E.M, Prizm, Sinusic, Røse, Sevenbeatz, DGTO, Moi Je それから minorah。エレクトロポップやNu Discoなどを含むUK Houseなど、幅広いジャンルを扱うアーティスト達が集まっていて、当時の流行のど真ん中って感じだった。

私は21歳ではじめてたから、もちろん今は知識がより洗練されたり、方向性も少しは変わったけれど、根本的な部分は変わっていないよ。今でも、私はみんな(Crowd)にエモーショナルでハッピーな音楽を届けたいと思ってる。

Pigeon : 現在でも定期的に(Covid-19が広まる前は)パーティを開催されていましたが、どういう雰囲気のパーティでしたか。毎月2本づつ!のイベント定期的に、Le Petit SalonTerminal Club という2つの会場でやっていましたよね!

Crowd Control : 全てのパーティはチケット売り切れですごいエナジーでアメージングなパーティだよ。2月がアニバーサリー月なんだけど、昨年はその短い期間の間に、Kerri Chandler, Paul Cut, Demuja, Philou Louzolo, Locklead, そしてRicky RazuVitessを加えたHouseumのショーケースをやったよ。これ以上のお祝いパーティは思いつかないってくらいだった。ただ、例の大変な週がやってきてからは、全てのパーティをやめにしないといけなかったけれど…

私達のパーティには既にたくさんの日本や韓国、中国の学生も訪れていて、彼らに遊びにきてもらえることはとても嬉しいことだ。

Pigeon : 次に楽曲製作についてお聞きしたいのですが、サンクラにアップしている 『Introducing Crowd Control』(*上記ミックス) にはあなたの 『Moon』という楽曲が含まれていますよね。2017年のコンピレーションで、"Nymphony Records"というレーベルからリリースされていた曲だけど、レーベルの紹介を読むと"フランスの学生による若い才能を紹介するためのレーベル。"と書いてありました。これがクラウド・コントロール名義での最初の楽曲作品になりますか?

Crowd Control : 『Moon』は私が発表した最初の曲だった。リヨンの近くで学生によるコレクティヴを見つけて、このレーベルは毎年コンピレーションを作っていたんだ。そしてそれは私の曲をバイナルでプレスするとても良い機会にもなった。2017年と2018年のコンピレーションに私の曲がフィーチャーされて、これが私にとって良いスタートになりました。:)

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Pigeon : 音楽のバックグラウンドについて教えていただけますか?

Crowd Control : 私はマイケルジャクソンやジャクソン・5、それからプリンスなんかのファンク・ディスコをたくさんきいて育ちました。たぶんそれが私が無意識のうちにそういった共通の音を選んでる理由だと思う。それに音楽性的にはファンクやディスコは一番最高なチョイスのひとつだと思っているよ。:)

Pigeon : バイナルでリリースするレーベルをやるのって凄く大変だと思いますが普段もレコードメインでプレイする事が多いですか。

Crowd Control : 私はクラブでは常にCDJを使っているよ。なぜなら自分自身のパフォーマンスはかなり的確でダイナミックなものにしたいし、そのために事前準備をものすごく綿密に行うんだ。家で自分の音楽コレクションを楽しむときはレコードでチルしてる。

だからバイナルとデータ両方のレーベルをやろうと決めたし、それに皆、それぞれ自分の好きなスタイルで音楽を楽しんで欲しいからね。:)

Pigeon : フランスにおけるリヨンの音楽シーンはどのような感じですか。

Crowd Control : ハウス・ミュージックのシーンはリヨンはすごく豊かだし、私は世界的にもっとそれを広めるためにすごく力を入れています。

Crowd Control : 私は最近そのためにこの Spotifyのプレイリストをはじめました。

面白いことにリヨンのフットボールチームのリーダーとサポーターがこのプレイリストをフェイスブックで発見して、ハウスミュージックとフットボールへの情熱をささげるためのライブストリームを行ってくれて、インターネットの力を感じました!

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Crowd Control : 日本の方々にも是非リヨンを訪れて欲しい。ここには素晴らしいレストランや二つの川に囲まれた大きい半島があり(川沿いがめちゃくちゃ良い)公園がたくさんあって、面白いパーティもたくさんあります。

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Pigeon : ハピネス・セラピーといえばこのデザイン!ですが、デザイナーのValentin Fontaineについても教えていただけませんか。

Crowd Control : 3年前にレーベルを立ち上げるにあたってイベントやレーベルのアートワークを総合的に担ってくれるアーティストを探さないといけなかった。この作業には数ヶ月かかったんだけどようやくValentin Fontaineに出会えたんだ。

それからが全ての新しい旅の始まりで、数週間をグラフィックの方向性を決めるために費やした。そしてそのコンセプトは今もなお、毎日新しい可能性をさぐってるんだ。(このパートについてはすごく大事だと思っているし、この点について評価してもらえたのは嬉しい。すごくモチベーションになるよ。)

Pigeon : 今後、日本に来る予定はありますか?(名古屋のフリースタイル・レコードにはハピネス・セラピーのレコードのカタログが全部揃っているみたいですが…!)

Crowd Control : まだだけど、親友のVantageが住んでるから必ず行くよ。コロナさえ終われば日本を横断したいな。

Crowd Control : それに日本の音楽が大好きなんだ。日本の曲だけをつかった私のミックスはもう聴いてくれたかな?

私は日本に、他の理由でもとても親近感を持っているし、それが理由で二つ目のレーベルの名前は Wabi Sabiレコーズにしたんだよ。

っていうか、はは、教えてくれてありがとう。テクニーク東京が私のレコードを扱っていた事は知っていたけど、フリースタイルレコードについては今はじめて知ったよ。私の私達の音楽が世界中をかけめぐって届いている事がわかるのは感無量だなぁ!

ピジョン : それと新シリーズ "Housy Love Songs"が最高だったよ!

Crowd Control : "Housy Love Songs" はロマンティックな歌詞を歌ってるサンプルを使った曲のシリーズで、これは生涯やってみたかった大事なテーマの一つのテーマなんだ。特にハピネス・セラピーやそこでリリースしている私の楽曲を区別をしているわけではないんだけど、デジタルオンリーという事もあり、使うサンプルや何をリリースするかなどについてはハピネスセラピーでやるときよりはよりフリーなスタンスでいる。

そして何より、最初の二つのリリースに協力してくれた Vantage, Slug Father, Sinusic そして Murphy 2080には感謝しているよ。

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Pigeon : そういえばKombavaからのリリースもよかったよ!KombavaのオーナーSinusicから旧友だと聞いていたけどコラボが見れてよかった。

関連記事 : ポルトガルのトロピカルなディープハウス 新生レーベル Kombava :レーベルオーナー Sinusic インタビュー (2020/06/12)

Crowd Control : 彼とはかなり長い間知り合いだからね、彼がレーベルを立ち上げるって言った時からいつかコラボすることになるとは思っていたよ。

面白いことに、ポルトガルに移住した彼が一番最初に声をかけたのはリヨンのDJ Atlanceだったんだ。私も地元のAtlanceとはいつかコラボしようって話をしていたから・・・そしてこの話がどうつながったかは知っての通りだよ。:)

Pigeon : ありがとうございます!最後に何か告知などはありますか。

Crowd Control : 10月にリリースされたコンピレーション House de France II (Chat Noir / Kuroneko) に私の楽曲がフィーチャーされています。それからUKのFresh Take Recordsからのリリースの話もあります!

それから何より、Jesse Bruの9年の活動の中で一番最初のアルバムが12月にハピネス・セラピーからリリースされました!これがレーベルにとっての新しいスタートのベンチマークになると信じています。

そして

皆さん安全に、皆さんのローカルのアーティストをサポートしましょう!


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