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ザ・限界マイホーム

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バブル時代の地価高騰の結果とんでもない場所に造られた限界ニュータウン、労働組合が建てた労働者のためのニュータウン「生協団地」などいろんな意味で限界を感じる新興住宅街見学記。
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記事一覧

【陸の孤島】団地だらけタウン八千代市の町外れにポツンと存在する「米本団地」を見に行った【家賃爆安】

「千葉県八千代市」は昭和の高度経済成長期に市内各地に団地を造成して人口が急増したことに以前触れた。八千代台団地、高津団地、勝田台団地、村上団地とあるわけだが、それからもう一つだけ、街中から遠く離れた離れ小島のような所に団地がある。 それが「米本(よなもと)団地」という場所。八千代市の北部、旧印旛郡阿蘇村に属する新川(印旛放水路)沿いの高台に戸数3000超、100を超える中層住居棟が一同に連なる旧公団住宅(UR賃貸住宅)が広がる。昭和45(1970)年に街開きしていて、いよい

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【毛呂山町】翔んで埼玉にも相手にされない僻地!東武越生線「武州長瀬」駅前のオールドニュータウン

埼玉県を徹底的にこき下ろしてネタにしまくった魔夜峰央の漫画を原作に映画化したらやたらとヒットしまくり、とうとう地上波放送を解禁した途端に高視聴率を叩き出すお化けコンテンツとなってしまった感のある「翔んで埼玉」…また世間ではサイタマラリアだの何だの熱くなってますが… 埼玉各所の地名や名産物がふんだんにネタにされるあの映画でも、全くもって相手にされない僻地というものがまだまだ埼玉には存在している。そういう場所を小出しに紹介しようと思うが、今回は東武東上線の枝線、越生線にある「武

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【極寒限界ニュータウン】神戸電鉄で行く関西のシベリア・三田市の新興住宅街「ウッディタウン」が色々とバブリーな件

大阪のベッドタウンとしてギリギリ北限を辿るとすると、千里丘陵などと同じ“北摂”扱いされていながらも、宝塚トンネルを越した先の山奥の深くに大規模なニュータウンを構える「兵庫県三田市」に行き着く。大阪駅からJR三田駅まで電車で約40分、北摂の里山に抱かれた、人口10万人を数える住宅田園都市。冬の寒さが厳しく、連日のように最低気温が氷点下を割り込む。別名“関西のシベリア”… ここは以前にもフラワータウンという場所を訪問した事があるが、今回はその隣にある「ウッディタウン」と称する、

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【限界ニュータウン】隔絶された街、茨木市山手台「茨木サニータウン」住民がスーパーツジトミ倒産で買い物難民になっている件

先日お伝えした京都府京田辺市、近鉄新田辺駅東口にあった「スーパーツジトミ」の倒産による電子マネーカード利用者の“チャージ金踏み倒し”問題。地元民だけが細々と普段遣いしている土着弱小スーパーが急に電子マネーを導入するのは“危険の兆候”であるという前例を我々消費者側への教訓として残したわけだが、このスーパーツジトミって他にも三店舗ありましてですね、そのうちの一つが大阪府茨木市にもございます… って、茨木市とは言ってもかなり北部なんですけども、住所で言う「茨木市山手台」…いわゆる

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【どこいな】保険金殺人犯に堕ちた元外資系保険マンのイケメソエリートが育った「猪名川パークタウン」【秘境のシロガネーゼ】

2021年7月、大阪府高槻市に住む54歳の資産家女性が自宅の浴槽で殺害され、その1年後にその女性の“養子”である28歳の男(犯行当時27歳)が逮捕された「高槻資産家女性保険金殺人事件」…元外資系保険会社のセールスマンの男と、その顧客として接点を持った、年齢差が倍もある女性。不動産や預貯金などで一億円はあるという資産を目当てに取り入っては、さらに死亡保険金総額1億5000万円という二件の生命保険を契約させた後に養子縁組をして、その僅か5ヶ月後に殺害を実行するという、身震いするほ

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【学園城郭都市】南海電鉄が新駅まで作った和歌山市最新のニュータウン「ふじと台」が色々おかしい件

2021年6月9日、関西空港連絡橋の上から母娘が飛び降り自殺を図るといった報道が流れた。当初は新聞の隅っこに小さく載るほどのものだったが、後になってそれが「和歌山毒物カレー事件」の被告・林真須美死刑囚の長女と孫娘であると判明し、世間が再びざわついている。 “有名事件の被告”の家族というだけで、その呪縛の大きさは計り知れないものとなる。あの事件から23年も経っているが、未だに“和歌山=カレー”とネタにされてしまう傾向が止まない通り、社会的影響の甚大さを思い知ると同時に、家族が

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【まさに負動産】絶望ヶ丘、バードタウン、ローズタウン…北摂の超絶山奥に潜む「限界ニュータウン」の数々を訪ねる

今から三十数年前に訪れた「バブル時代」の事、マイホームの夢が土地の高騰で遠ざかっていた頃もあった中で、関西では当時の中堅サラリーマン層に対して将来的な不動産需要がとても見込めない、北摂地域の遠い山奥の秘境とも呼べるほぼ無価値な土地をごっそり開発した“限界ニュータウン”が次々生まれた。 その一つとして当編集部が何度もお伝えした「茨木台ニュータウン」(京都府亀岡市東別院町鎌倉見立)は、その生活環境がサラリーマンの通勤生活を前提とすると到底過酷を極めるもので、大阪府内の職場に片道

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【限界マイホーム】最高気温40度超え、高齢化率50%超え!埼玉県鳩山町「鳩山ニュータウン」を歩く

ただでさえコロナ禍でクサクサしている中でクソ長ったらしい梅雨が続いて鬱陶しい思いを重ねている首都圏の勤め人の皆様、今度は梅雨が明けたかと思いきや、去年同様の異常な猛暑がぶり返してやってきて連日の35度超え、それでもギュウギュウ詰めの満員電車にマスクを付けて乗らなければならない方々のご苦労は察するあまりです。盆休みなのにコロナ第二波でろくに“Go To”もできないし踏んだり蹴ったりですね。 こういう時には近場にでも出掛けるしかない…と思うわけだが、ちょっとくらい中途半端な郊外

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【酒鬼薔薇聖斗】20年の節目に訪れた神戸市須磨区「神戸連続児童殺傷事件」の舞台

今から丁度20年前の1997年5月末、全国のお茶の間を恐怖のどん底に叩き落した「神戸連続児童殺傷事件」の第一報。その内容のあまりの凄惨さに加え、警察に宛てられた犯人の挑戦状がマスコミによって大々的に報じられ、様々な犯人像が挙がったものの、いざ犯人が捕まってみると当時14歳の中学三年生だったという事に世間は二度衝撃を受け、今でも日本国内における「凶悪少年犯罪」ではこの事件の存在の右に出るものはない程の強烈なインパクトをもって語られ続けている。 この衝撃的な事件から20年目を迎

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【限界マイホーム】バブル期に建設された北摂のマチュピチュ「茨木台ニュータウン」はどうなっているのか(2017年版)

今から10年前、大阪DEEP案内を開設した2007年に公開した「茨木台ニュータウン」のレポート、その名前とは裏腹に茨木市ではなく亀岡市に属する大阪・京都両府境の標高約500メートルもの隔絶された高地にバブル経済の最中建設された「北摂のマチュピチュ」と形容すべき大型ニュータウンの存在は世間に大きな衝撃を与え、翌年にはTBS「噂の東京マガジン」や毎日放送「VOICE」が取材に行ったり、様々な人々によって後追い取材が加えられ、この特異なニュータウンの輪郭をネットでも詳しく知る事がで

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昭和の高度経済成長期に労働組合が建てた”生協団地”とは何だ?所沢市「こぶし団地」を見物する

先日「神戸連続児童殺傷事件」の舞台である神戸市須磨区に事件から丁度20年という節目で訪れた折、酒鬼薔薇聖斗もとい元少年Aが事件を起こした14歳の時まで暮らし、主な事件が発生した須磨区友が丘(北須磨団地)という地域を見て回ったのだが、この友が丘という地域が昭和の高度経済成長期に労働組合が主体となって建設した「生協団地」という特殊なニュータウンであることを知り、俄然興味を抱いてしまっていた。実は全国各地に僅かながら「生協団地」として建設されたニュータウンの生き残りが点在していて、

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