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日本全国謎の集落コレクション

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山奥の廃村、不法占拠地帯、砂防ダムや川べりのバラック、よもや人が住むとは思えない過酷な環境に建っている家屋や集落を訪問する
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記事一覧

【戦後のドサクサ】まだ終わってなかった大阪空港周辺の“戦後処理”!「伊丹市下河原」の箕面川沿い不法占拠バラック村

我々DEEP案内取材班が常々口にする「戦後のドサクサ」という言葉、手短に言えば終戦直後の極端な貧困状態による住宅難で、仕方無く他人様の土地だか河川用地だかよく分からない土地にバラックを建ててそのまま住んじゃった人のお家が長年黙認されたまま残っているものをそう指している。首都圏じゃ川崎の池上町や戸手、船橋の山谷澪だったりするわけだが、関西はというと宇治のウトロ、大阪桜ノ宮にあった古鉄街などと並んで屈指の有名物件だったのが大阪空港(伊丹空港)の滑走路に隣接する伊丹市中村地区。

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【まだ住んではる】京都市北区「衣笠開キ町」衝撃の砂防ダム内不法占拠バラック村再訪

我々DEEP案内取材班が過去に取り上げてきた全国各地に点在する“戦後のドサクサ物件”とも言うべき、河川敷やら何やらに勝手に家を建てて住み着いた人々が生活を続ける「不法占拠地帯」の数々。関西では宇治市伊勢田町ウトロ51番地に伊丹市中村、首都圏だと川崎の戸手や池上町、色々この目で見て回ってきたが、我々の知る限り全国広しと言えども「砂防ダムの中に家を建てて住み着いた不法占拠者の集落」なんてものは京都市北区「衣笠開キ町」を置いて他にない。 京都の観光名所である「金閣寺」からも程近い

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【戦後の残滓】大阪・貝塚市に残る西日本唯一の満州引揚者住宅「東貝塚住宅」を見に行った

戦後75年…既にこの世界において第二次世界大戦の経験を知らない世代の人々が大半を占める時代になった今、誰も知らない所でひっそりと長い「戦後」を暮らしている人々が存在している。終戦後、朝鮮半島や満州、樺太など外地で生活していたものの、日本の敗戦によって住み家を追われ、人によっては数年掛けて命からがらの状態で帰国してきた「引揚者」と呼ばれた人々の仮住まいとなる住宅が全国に約79,000戸建設されてきた。しかしその大半が老朽化や役目を終えるなどしていて解体され、そんな住宅の存在すら

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【飛び地オブ飛び地】京都の外れ・淀の宇治川沿いに残る謎の「二重飛び地」を訪ねたら…【伏見八幡久御山】

京都と言えば日本国における「都の中の都」たる存在である市民の自覚を根拠にプライドの高さに加えて格式や伝統を重んずる気質のあまりに、古都のイメージに相応しくない工業地帯やラブホテル街、産廃スクラップ屋などなどNIMBYな物件をことごとく都の外側(具体的には京都駅から南側とか山ん中)に排除しまくっているせいで、京都市の外れの伏見区と隣接自治体の境目に広がる「巨椋池」の干拓地帯がこぞってヨゴレのゴミ溜め場になっている“京都カースト”のエグさは実際に現場を見てみない事には理解が難しい

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【府境の秘境】大阪・高槻市の山の中にある謎の集落「京都市西京区大原野出灰町」を見てきたら壮絶すぎた【旧樫田村】

世の中には「国境」や「都道府県境」といったものに異常な興味と執着心を抱くマニアも結構おられるようだが、とりわけ「飛び地」というものが大好物だったりするもので。言わずもがな、当方もそのクチである。例えば埼玉県新座市に囲まれた「東京都練馬区西大泉町1179番地」だとか、ああいうのを見るとテンションがおかしくなって、実際に訪れてみたい衝動にも駆られてしまう。 しかし今回気になった場所は関西は大阪府と京都府の境目である。特に北摂地域の北限に関してはもはや大阪とは思えないド田舎地帯が

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【ガチ秘境】隔絶された世界、人口僅か1世帯2人の超限界集落・奄美大島「青久集落」に至る道が険しすぎる件

当記事は、2013年8月に「新日本DEEP案内」で掲載した記事を加筆修正の上、再公開しているものです。 田舎暮らしでよく耳にする「村八分」という言葉。村の掟に従わない人間は、集団から除け者にされてしまうことを言う。和を重んずる日本人の気質がそうさせるのか、閉鎖的な田舎だからそうなるのか、そんな中、山口県周南市の限界集落で村人5人が「村八分」を受けていた男に殺されるという物騒な事件が起きて、田舎暮らしでの人間関係とは何なのかと考えさせられる昨今。 日本全国あちこちに高齢者ば

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【神戸のタルトンネ】かつて火葬場があった街…神鉄長田駅前「長田区房王寺町」に残る急斜面スラム

六甲の山々と大阪湾に挟まれた港町神戸、その歴史の裏側を語るに外せないのが、神戸の下町・新開地と裏六甲の新興住宅地や有馬温泉、三木などの東播地方を結ぶローカル私鉄「神戸電鉄」の沿線。特に長田区の山手側は戦前から神鉄の線路敷設・トンネル工事に多くの朝鮮人労働者が従事し、それが同区における在日コリアン集住史のきっかけにもなっている。 今回やってきたのは神戸電鉄長田駅である。新開地から二駅、地下鉄との乗り換えがある湊川駅のすぐ隣にありながら、木造平屋建ての簡素な佇まいの駅舎と、全く

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【神戸市】源平合戦の地「須磨区一ノ谷町」に残る谷間のバラック村が壮絶すぎた

いつも酒鬼薔薇事件が槍玉に上がる「神戸市須磨区」、同じ神戸市内にありながら須磨海浜公園やら何やらレジャースポット感の強い土地ではあるが、その一方で神戸中心部や大阪市内などに通うサラリーマン家庭が多く住むベッドタウンとしての性質も持つ。国道2号線から山側は概ねそうした住宅地で占められているのだが… 今回やってきたのは、JRおよび山陽須磨駅から山側に位置する、有名な須磨寺にも程近い、とある住宅地の一角。古くは平安時代の源平合戦における「一ノ谷の戦い」でも知られる土地にひっそりと

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神戸有馬街道の隠れ里・兵庫区平野町天王谷筋西服「砂防ダム際集落」を見る

関西には他地方の人間が想像の及ばないような生活環境で暮らしている人々の「集落」がいくつもある。京都府亀岡市の限界ニュータウン「茨木台」だってその一例だし、京都市北区衣笠開キ町の「砂防ダム内集落」もそうだ。しかし、そんなエクストリームな住環境が神戸市内にも存在していた。ここは前々から訪問したかった場所だったが、先日ようやくその願いが叶った。 その場所とは神戸市中心部と市北部を結ぶ国道428号、有馬街道沿いの一画である。神戸市兵庫区平野町という住所にあたる地域だが、市街地から離

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