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「アスペ」の傾向と対策③職場編

さて、ここまでで全般的なこと、私の場合と書いてきました。
次は職場編です。
上司、同僚、部下、取引先…仕事関係だけでもいろんな関係性があるとは思いますが、たぶん一緒に仕事をする同僚や、指示をする部下がアスペというパターンが一番つらいのではないでしょうか。
一緒に過ごす時間も長いし、自分の仕事を進めることが出来なかったり、関係各所に迷惑がかかったりと影響も大きいですし。
私自身、同じ部署内に私以上に重いアスペさんが複数人います。
一緒に仕事をしたり、指示…というかお願いした仕事をやってもらうこともありますが結構苦労も多いです。
最初は物語風に書こうかと思ったんですが、エピソードをしっかり書こうとするとあまりにも弊社そのものでアレだったのでもっとさっぱり書くことにしました。
物足りなく感じるかもしれませんが、詳細な具体例を出すのは難しいのでご了承ください。

弊社の場合

さて、我が職場のアスペさんですが、Aさん(女性)とBさん(男性)がいます。
Aさん、Bさんそれぞれ特性は違いますが、幸いというか何というか身だしなみは普通なので指摘しづらい困り事は少ないです。
むしろAさんはおしゃれ大好きだし、メイクもきちんとしています。
一方、Bさんは服装に関しては堅苦しい人で基本的に夏でもスーツ。
初期はヒゲの剃り忘れだとか寝癖とかを上司に指摘されてましたが、次第に落ち着きました。

私が仕事で直接関わるのはAさんがほとんどです。
Aさんのざっくりした特性はこんな感じです。

・会話そのものは普通に出来る
・臨機応変な対応は出来ない
・ルーチンワークは対応可能だが任せきりには出来ない
・ものをなくしたり、提出期限を守れないといった問題はない

このような状態なので、Aさんに仕事をお願いするには入念な準備が必要です。
例えば、依頼する仕事の内容を切り出して、その作業のマニュアルを作成したり、一緒に作業したりして引継ぎをしなければなりません。
そして、うちの会社は今でも在宅勤務が基本なのでフォローする体制を整えておく必要もあります。
コミュニケーションの手段のメインはチャットなので、そのやり取りでAさんに理解してもらえるように説明する文章力も必要だったりします。
まあ、これはアスペ関係なく難しいのでなるべくそうしなくていいようにはしておくんですが…。

準備さえきちんとすれば、たいていはうまくいきます。
しかし、以下のような問題はあります。

①任せる側が業務内容とその影響範囲、Aさんのスキルやキャパをきっちり把握しておかなければならない
②業務の流れの中から任せられる作業を見つけ出し、切り分ける労力がかかる
③切り分けた作業のマニュアル作成が手間がかかる
④フォローする人が複数必要
⑤マニュアルを作っていても、ほんの少しでも外れた例が出てくるといちいち説明し直さないといけない

まず①ですが、私も含めAさんと一緒に仕事をするメンバーは付き合いが長いですし、そこまで難しい話ではありません。
途中、システムが変わったり、組織変更はあったりしてますが基本的にやることは変わらないままなので、そこも問題ではないのですが細かい変更はあるのでそれが意外と面倒だったりします。
システムが変わると、同じ作業をするにしても手順が変わるのでAさんに覚え直してもらうのが大変なので。
誰でもそうですが、長年していたことがなくなったりやり方が変わるとなかなか切り替えられないですからね。

②、③は後々の手間を考えると仕方ないんですが(毎回同じ説明をするのってストレスなので)、他の作業をしながらこれをするのは厄介です。
ひと通り作ったし、最近は情報共有を兼ねて別のベテラン社員さんが作ってくれたりもするので私は助かってます。

④も厄介な問題ではあるのですが、やはり誰かひとりが抱え込むのは大変です。
チームを組んで複数人でフォローするのがいいと思います。
⑤はまあアスペあるあるですね。
臨機応変が出来ないので、イレギュラーの対応が難しいですし。
一応、起こりうるトラブルなんかは想定してはいるんですが、完璧な予測なんて無理ですしね。
なので②、③、⑤はループしがちです。
とはいえ私や他のメンバーでも予測しなかった事態が起こったりするのが現実なもので…ここはある程度諦めるしかないです。
しかし、こういう予想外の出来事というのは何の問題もない人でもストレスになるものです。
だからこそ④の複数人でのフォローが大事なんですよね。

対策あれこれ

何というか、アスペも人によって全く違うので共通の対策を具体的に挙げることは難しいです。
対策を取るとしたら、ハード(社内のシステムやツール)とソフト(フォローする人)でどうにかするしかないのです。
あとはコミュニケーションですね。
それが難しいのでアスペはトラブルになる訳ですが、うまくいかないなりにコミュニケーションを取らないと結局何も出来ないんですよねえ…。

ツールは、おそらく会社ごとにいろいろとあると思います(たいていGoogleかMicrosoftかでしょうが)。
全員が共通のアプリを使うので、そこで情報共有や進捗管理をしています。
kintoneとかも使えると便利ですが、何でもお金がいるのでそこは手持ちのツールで工夫するしかないですね。

・言った言わないにならないよう、チャット等見返すことの出来るコミュニケーションツールを使う
・ファイル共有、フォルダ共有でお互いの進捗管理をする
・カレンダーでお互いにスケジュール把握
・上司や関係各所との連携

これは正直アスペだからでなく、チームで仕事するなら普通の対応ばかりだと思います。
逆に言うと、誰でもお互いに作業しやすい環境を整えることが大事とも言えます。

何が一番難しいか

これはアスペの当事者以外の他のチームメイトたちの理解を得ることでしょうね。
言葉があまりよくないのですが、一種の「諦め」が必要なのです。
悟りとか達観とかとも言えますが。
「こういうもん」と流せればいいんですが、実際に巻き込まれて迷惑をかけられる人にとってはそう簡単に流せる訳ないですからね。
いくら上司やうまく流せる人がフォローしたところで、いったん嫌いや苦手と感じてしまったことはそうそうひっくり返せません。
弊社の場合、当事者のAさんにしろ、私も含めその周囲にいる社員さんたちにしろ言うなれば相性がよかったからどうにかうまく回っているのです。
その影には私を含め特によく関わるメンバーの苦労もあるのですが、そこを会社側が汲んでくれてるのでこちらも許せるのです。
AさんやBさんも努力しているのはわかりますしね。

しかし、うまく回らないからと言ってアスペの部下を持つ上司だけが悪い訳ではないし、アスペの当事者が悪い訳でも周りの社員たちが悪い訳でもないです。
まあアスペの当事者にはもっと頑張ってほしいことは多々あったりしますが…。

どうしても上司側は部下たちからあれこれ言われてつらいでしょうが、自分自身の行動や考えを改めることは出来ても、他人のことを変えられることはまずありません。
恋愛や結婚生活のことなんかでも言われますよね?
これは本当に難しいです。
ただでさえ望んだ結果を得るために、部下に指示に従ってもらうのって難しいと思うんですがアスペ相手だと本当に伝わりませんからね…。

そうなると外部の人や専門機関に頼ることになりますが、当事者が障害者雇用で入った場合は間に何らかの支援者(ハローワークやその他支援センター等)がいると思うので、そこに相談するのが手っ取り早いはずです。

自治体の障害者福祉に関わる部署や就業支援センター等、名称や役割はそれぞれ違うと思いますが、何らかの相談窓口はあるはずなので調べてみてください。
産業医の先生が情報を持っていることもあるはずです。
知人の知人はアスペの部下の対応に疲れて、自身が行った心療内科で相談したそうです。
自分だけで煮詰まってても解決しないことも、誰かにポロッと漏らしたのがきっかけで動くこともあります。

繰り返しになりますが、アスペ相手に言うことを聞いてもらうのは大変です。
聞く気がないのか、聞いても忘れるのか、出来ないのに言い出せないのか、理由は様々ですが、仕事をしてもらうためには本人にもそれなりに頑張ってもらうしかないのです。
たぶん、子育てよりも厄介です。
ひとりで対応するのは絶対に無理です。
必ず複数人でフォローしあって対応した方がいいです。
ばっさりクビを切って終わりにできたらいいんでしょうが、日本でそれは無理ですしね…。
病んだ状態で終わりのない問題に立ち向かうのは無謀です。
借りられる手は借りまくって、みんながほどほどの出力で回せることを目標にしましょう。

終わりに

あれこれ書いてきましたが、職場での話が一番尻すぼみな感じですみません。
私自身の文章力の不足もあるのですが、具体的に書こうとするほど弊社や私やAさんの身バレになりそうなことになってしまうのでぼかした書き方しかできませんでした。
いったんアスペ記事はここまでにして、しばらくnoteを休んで趣味に没頭したいと思います。
ここまでの記事が何らかのヒントになれば幸いです。


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