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旅のオススメを聞かれたら【内海町の人:中尾 圭】trip from Fukuyama

こんにちは。「港の編集室」の中尾圭です。福山市南部にある田島・横島の2つの島からなる内海町というまちで、夫婦で編集やデザインをしながら暮らしています。内海町は2003年に福山市と合併した、人口2,500人ほどの町で、車で回ると1時間程度の小ぢんまりとした町。主な産業は漁業で、対岸の沼隈町の造船業の影響も根強いです。内海町の魅力はなんと言っても、観光地化されていないところ。場所さえあれば、長期滞在して、暮らしを体験してもらいたいくらい。夫の地元に嫁としてやってきて丸3年が経ち、やっとこちらの言葉や生活にも慣れてきた私が、内海町でしてほしい10のコトをご紹介します。

1.島の路地を歩いてみる

内海町に来たことがあるという方でも、車で海沿いを走って目的地へ行くことはあっても、車を停めてちょっと路地を歩いてみる、という経験をしたことがある方はほとんどいないのではないでしょうか。実は、島の周りを走る道路は車社会になるにつれ海岸を埋め立てて作った新しい道で、その前は島の中を通る狭い路地が島民のメインストリートでした。夫の祖父母に聞いた話によると、本土との橋が架かっていなかった頃は、豆腐屋やパン屋、金物屋、染物屋、銭湯、映画館など、島の中で経済が回るくらいお店がたくさんあったそう。当時に比べると少し寂しくなりましたが、微かに残る昔の面影を頼りに、賑やかだった島の暮らしを想像しながら歩くのも楽しいですよ。

2.地元の人が集まる場所に行ってみる

内海町には昔ながらのお店がいくつかあります。その中でも、外から訪れた方が行きやすいお店をあげるなら、横島の商店「清十店(せいじゅうみせ)」。朝9時頃から夜7時頃まで営業している、島のコンビニ的存在です。夏はアイス、冬はあたたかい飲み物を買って、目の前の雁木(桟橋の船着場にある石の階段)に腰かけて海を眺めるのもいいですよ。気さくなおばちゃんたちとの会話も楽しんでみてください。

清十店

3.漁師から新鮮な魚を買ってみる

昔から漁業が盛んな内海町には現在も漁師が多く、四季を通じて様々な海産物に出会うことができます。春は定置網漁でタイ・イカ・ヒラメなどの大きな魚やアサリ、夏~冬は底曳網漁でエビ・カニ・ネブトなどの小魚、秋はハモやタチウオ、冬には海苔がとれます。田島の漁師町・箱崎地区では「とれぴち活魚市場」、横島では「漁師の浜売り」が開催され、漁師から直接鮮魚を買うことができます。天候が悪い日は漁に出られず実施されないこともあるので、実施日はホームページなどでお出かけ前に確認するのが良さそうです。売り切れ次第終了なので、開始時間に合わせて行くのがおすすめです。

こうしたイベントがない時でも、「くうかい」「カネト水産」「栄丸」など、鮮魚を買えるお店もあります。魚のプロから、調理方法やおすすめの食べ方を聞けるのが、直接買う醍醐味。クーラーボックス持参で行くのも良いかもしれませんね。お店では配送をお願いすることもできます。

とれぴち活魚市場
漁師の浜売り
 ※天候が悪い日は漁に出られず実施されないこともあるので、事前に
   ホームページをチェックしてください。

4.漁に出てみる

新鮮な魚を見ると、それらを捕る漁師の仕事も気になってくるもの。内海町では2種類の漁業があり、それぞれ観光漁船に乗船することができますよ。田島では4月~5月に定置網漁、横島では底引網漁があり、漁業の現場を見学した後は、美味しい漁師町の料理を堪能することができます。

田島漁協
●横島漁協(TEL:084-986-2008)

5.島の暮らしを体験してみる

内海町の魅力はそこにある暮らし。内海町の田島・南地区で耕作放棄地となった畑をコミュニティ農園として活用している「373(みなみ)耕作会」は、毎週土曜日の午前中に活動中。いつでも誰でも参加できて、ワイワイ作業をしたあとは、その日とれた野菜や果物を分け合って帰ります。農産物は活動日に現地で販売しているほか、隔月で開催している「内海町 海辺のてんこもり市」でも販売しています。

内海373(みなみ)耕作会
 毎週土曜8時〜12時まで活動中
内海町海辺のてんこもり市

6.海苔のつくられ方を聞いてみる

せっかく島に来たら、島らしいものをお土産にするのはいかがですか? 実は内海町は広島県で一番の海苔の生産地なんです。内海町には8つの海苔業者があり、中でもマルコ水産の直販店なら、様々なラインナップの中から選べるほか、海苔のことなら何でも答えてくれます。海苔の時期である12月下旬~3月中旬には、不定期で海苔の収穫現場や加工場の見学ツアーも開催しています。

マルコ水産

7.最高の眺めをひとりじめしてみる

瀬戸内の島には、必ず1つは眺めの良いスポットがあるもので、田島・横島にもそれぞれ瀬戸内を一望できる場所があります。田島なら「憩いの森」。桜がたくさん植えられていて、春はお花見もおすすめ。内海大橋を上から見ることもできます。横島なら「切石山」です。すっきりと晴れた日には、海の向こうに四国山脈が見えることも。また、田島と横島の湾もなかなか他では見られない景色でしょう。こちらは「虚空蔵菩薩」まで行くと見ることができます(ちょっと道がわかりづらいかも?)。いずれも近くまで車で行けますよ。

8.島の食材を存分に味わってみる

おなかがすいてきたら、田島のイタリアンレストラン「zono kithcen」へ。東京・表参道でシェフとしての経験を積み、内海町へ移住してレストランを開いたという経験豊富なシェフ・原薗さんのつくる料理は、素材そのものを引き立てるものばかり。なるべく地元の食材を使い、食材を作る人と食べる人をつなぐ店を目指すレストランでは、勝手口から魚を持って漁師さんがやってくることも。私たちみたいに、そこで漁師と友達になるのもいいかも! 目の前のビーチでくつろぐのも◎ 時期によっては事前予約で、SUP体験とランチをセットで楽しむこともできますよ。

zono kithcen
●SUP体験のお問い合わせ
 ZAKKAYA CONNECT
 TEL:084-982-5583
 問い合わせ対応時間:11時〜20時(水休)

9.漁師と友達になってみる

内海町に来たけど漁師に会えなかったという方にぜひ来て欲しいのが、2019年4月から始まった「UTSUMI FISHERMANS FEST(ウツミ・フィッシャーマンズ・フェスト)」。普段接することがあまりないであろう漁師たちが主役のイベントです。彼らが捕った新鮮な魚介を、目の前で浜焼きにしてもらいながら、あれこれおしゃべりすることができます。友達になれば、「今度友達が遊びに来るから予算これくらいで旬の魚を見つくろって!」なんてお願いもできるようになりますよ。なんて豊かな暮らし!と思うのは私だけでしょうか。

UTSUMI FISHERMANS FEST

10.夕日を眺めながらまったりする

島内ではありませんが、内海大橋を渡った本土側の沼隈町にある「Café 59(ファイブナイン)」は、帰り道に寄ってみてほしい場所。午後から日没まで営業する喫茶店で、刻々と変化する海と空、そして田島横島の姿を眺めながら、コーヒーなんてのも贅沢な過ごし方です。

Café 59

内海町でやってみてほしい10のことを紹介しました。私が住んでいる地区の情報についつい寄ってしまいますが、ここでは紹介しきれなかった季節ごとのスポットや行事、人やお店もまだまだあります。そして、これから新しく生まれることもたくさんあるはず。遊びに来る度、内海町の今をアップデートしてもらえたらと思います。

瀬戸内への旅の玄関口
福山駅前のまちやど「AREA INN FUSHIMICHO FUKUYAMA CASTLE SIDE」
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AREA INN FUSHIMICHOは、まち全体をひとつの「宿」と見立てた「まちやど」です。泊まる、食べる、くつろぐ、学ぶ、遊ぶ、さまざまな要素がまちのなかに散りばめられています。チェックインを済ませたら、伏見町、そして福山のまちから瀬戸内への旅へ。

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