絶望より希望にしときません?


舞台「忘れてもらえないの歌」
出演者、スタッフの皆さん全27公演お疲れ様でした。



カーテンコールで福士くんが言っていた「“忘れてもらえる作品”になりました。」

滝野が稲荷,良仲,麻子,瀬田と一緒に作った『夜は墨染め』は、忘れてもらえない歌です。
一度でも光を浴びたなら例えそれが忘れさられても幸せなこと。しかし誰にも聞いてもらえないままの歌になってしまった。

覚えてもらえなかった歌
忘れてすらもらえなかった歌
忘れてもらえない歌


滝野は仲間が減るたびに笑っていた。
音楽で出会った仲間、音楽でひとつになれた仲間、音楽で生きていきたいという想い。
音楽というものは人を、人生を変えてしまうほどのパワーをもっている。
人よりどこかおちゃらけて金儲けを考えていた滝野は、笑えばどうにかなるという感情が少なからずあったはず。
本当は何も面白くない。悲しくて仕方ないのに。
それでもやり直したいと掴んだ一本の手網。
騙された代償はデカかった。
セピア色に照らされた仲間と、ピンスポにただひとり照らされた滝野。
記憶にない出来事は「覚えていない」と言えるが、「忘れた」というのは確かに覚えていたということ。

この作品が“忘れてもらえる作品”になったのは、確かにみんなの記憶に残ったから。覚えてもらえたから。

佐野くんは「ジャニーズ以外の初舞台がこの作品で良かった」と話していた。
麻子役の木竜麻生ちゃんも舞台で歌を披露するのは初めてと言っていた。
アメリカ兵などの役をしていたレザ・エマミエさんも今回が初舞台だという。

みんなそれぞれ色んな想いをのせた舞台。
大千秋楽のカテコで目に涙を浮かべていたバラさんこと桑原裕子さんにもらい泣きさせられました。

そして脚本・演出の福原充則さん。
福原さんの書く脚本も好きなんですが、演出も大好きです。
全ての場面で共通して言えることですが、福原さんの舞台って不自然な暗転が少ないと感じます。キャストが自然と小道具を片付けたり持ってきたりするのですごいな〜と見惚れちゃいます。
そしてひとつの場面でいろんなことが起こる。場面の中心にはいないけど、その場にいる人。その人はただの脇役ではない。その人にはその人のストーリーがある。だから何回見ても新しい発見があるし、毎回違った見方ができる。
メッセージ性はあるけどコレといった明確なものはなくて、それは受け取り方次第で。

パンフレットの渡辺哲さんの言葉を拝借すると
この物語に正義のヒーローはいない。どこかみんな自分勝手。でも当時はそれくらいみんなが生きるのに必死だった。


焼け野原になった東京で
心が空っぽになってしまわないように、
立ち止まらずにただただ走った。
それは生きるため。
敵国アメリカの音楽を愛した男女の不幸な愛の物語。




座長の安田くんの挨拶
「みんなで作っていくこと自体がエネルギーに変わるんだなと実感してます。ひとりで落ち込んだりすることもみんなあると思うんですけど、絶対にどこかで誰かと繋がってるって感覚だけ忘れないように」
「お芝居ってすごく面白くて自分たちが表現することで誰かのエネルギーに変わるっていうのは贅沢。楽しさのなかには辛さがあって、ただ何かのために誰かのために生きたいって感情が1番素直なパワーに変わる。自分の幸せの前に誰かから幸せにしていこうっていうモチベーションになってくれたらな、なんて思ったりもします」

この人が座長で、そして私の一番好きな人で、自担です。
安田くんの舞台が大好きで誇りで自慢で生き甲斐です。

心に響く言葉や歌がたくさんあった舞台でした。
千秋楽、緞帳が降りきっても終わらなかった「ラッパと娘」
視界が銀テープでいっぱいになった あの景色が忘れられないです。
最高に楽しかったです。
素敵な作品に、カンパニー
ありがとう。

でも、いつかちゃんと忘れてあげる!!!


【関連】
https://note.mu/deeppink/n/n38f0dd3eef95

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