[争え!高IQおじさんチーム]海賊キッド

アフォイ!(挨拶)映画感想の時間です。

先日、本屋めぐりをしているときワゴンにDVD特価コーナーが設置されているのを見つけました。定価から大幅値引き!などと書かれていました。

やべぇの見つけちゃったわ。

定価500円から値引きされて200円。即買いです。

☆基本情報
『海賊キッド』(原題:Captain Kidd)
公開年:1945年
監督: ローランド・V・リー
主演:チャールズ・ロートン
ジャンル:歴史・アクション・サスペンス
予告編

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伝説の海賊ウィリアム・キッドを題材にした1945年の映画。当然ながら白黒で、セットやカメラワークとかもイメージ通り昔の映画!って感じです。そういうのも別に嫌いじゃないので、まあ40年代当時の高予算!ドキドキアドベンチャー映画って塩梅だろうと思って再生しました。

全然ちがったね。

これね、高IQのおじさんたちがひたすら殴りあう映画だった。ハチャメチャ頭のいいキッドが悪だくみをする過程で偶然ハチャメチャ頭のいい男を雇っちゃって、そのタイミングでハチャメチャ頭のいい元部下も帰ってきちゃって、人質にした娘もハチャメチャ頭がよくて、執事もハチャメチャ頭がよかったので悪だくみが失敗する、そんな映画です。
こうやって書くとチープな展開に見えるけど、違う!本当ならキッドの独壇場だったはずなのに、役者が揃いすぎていきなり船内サスペンスになるってとこがこの映画の最大の魅力でした。

このおじさんがキャプテンキッド。商船のフリをして輸送船を襲いお宝をせしめるというのが常套手段。商人のフリをするために教育係からマナーを学び、船の模型を使って破壊工作を練り、不利な状況にあっても表情一つ変えない、狡猾で周到な男です。キッドはまんまと国王をだまし、財宝を積んだ輸送船の護衛にあたる命を受けます。成功の報酬は貴族の位と城でした。もちろん輸送船の財宝ものちのち頂戴する予定です。

キッドは固定のクルーを数人しか持たず、仕事のたびにその場で船員を多く雇います。なぜなら素性を知っている人間はいつでも消せる人数のほうがいいから。実に頭のいい男です。ですが今回の旅に限ってはそれが裏目に出ます。大量の新規船員の中の一人、アダム・マーシー。海賊だと言いつつ教養があり、理性的な謎の男です。

さらに間の悪いことに過去にどさくさに紛れて殺したはずの部下、ポービーが帰ってきてしまいます。ポービーは固定クルーの中でもとりわけ頭がよく、キッドをユスるための準備をしっかりした上で今回の報酬の分け前を要求します。

そんなこんなで、この映画は
・キッドの企み
・キッドと部下たちによる報酬の駆け引き
・謎の男アダム・マーシーの正体
この三つを軸に話が展開されていくのです。

とにかくすごいのは、登場人物たちが全員頭がいいので、普通なら怪しい動きをする→なんだお前は!→クソ!こうなったら!→戦う みたいになるじゃないですか。ならない。みんなその場でそれっぽい嘘をついて事なきを得る。しかも嘘をつかれた側も頭がいいので、「そうか」と引き下がりつつも疑うことをやめない。この船の偏差値マジでどうなってんだ?ってなる。
明確に頭がいいのは上で紹介した3人なんですが、他の人間も決してバカじゃないんですよね。頭がいいかどうかはともかく、察しがいい。キッドが雇った執事も、人質になった娘も、ただ巻き込まれるだけの被害者じゃなく自分で考えて行動するアタマがあります。

作中でキッドに頭が悪いと言われる部下のロレンゾ君だって、たぶん並の海賊の中じゃ頭がいいほうなんですよね。っていうかめっちゃシコくない?スペインなまりなんですよこのおじさん。かわいっ!

そう、画像を見てくださってる方は察したと思うんですが、この映画超絶えっちなおじさんたちの博覧会です。もはやAV。神AVを200円で買ってしまった。

AVだ…

なにを言おうとしてたのか忘れましたが、とにかく想像の50億倍くらい面白かったのでよかったらみなさん是非観てください。頭のいいえっちなおじさんがいっぱい出ます。

評価(各☆5つで満点)
おもしろさ:☆☆☆☆
画の綺麗さ:☆☆☆
テンポの良さ:☆☆☆☆
キャラの良さ:☆☆☆☆☆
えっちだ…:☆☆☆☆☆

ヴォンボに投げ銭して運気を上げよう!