[いぶし銀ホラー]ジェーン・ドゥの解剖

映画感想の時間だよっ

今回はオカルトホラー映画『ジェーン・ドゥの解剖』。予告編だけでも結構面白そうだったのでもしよかったら見てみてください。(で、気になったらこの記事読まないで本編観たほうがいいかも。ネタバレあるので)

☆基本情報
『ジェーン・ドゥの解剖』(原題:The Autopsy of Jane Doe)
公開年:2017年(本国公開2016年)
監督: アンドレ・ウーヴレダル
主演:エミール・ハーシュ
ジャンル:オカルト・ホラー
予告編

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物語は一家惨殺の現場となった家屋の地下から身元不明の若い女の死体が発見されたところから始まります。身元不明の女性は通称ジェーン・ドゥと呼ばれ、この女性も例にもれずその名をつけられて検死官の元へ運ばれました。この検死官オースティンと息子トミーがこの作品の主役であり被害者というわけです。

ホラー映画と言いつつかなりミステリー色が強いです。ジェーン・ドゥの遺体は通常では考えられない損傷(内部はボロボロだが外部は無傷)を負っており、体内からは不可解な繊維が検出されます。主人公は検死官なのでそれを一つずつ分析していき、科学的な目線で彼女の死因に迫ろうとします。このへんがいいところで、気味悪がってすぐパニックになったりオカルトだ~!!とならない登場人物たちに好感が持てました。また、分析・検証をしっかりやってくれるので本当にミステリー的にも魅力的な描写が多いです。

また、ホラー映画でありがちな大きな音でビビらす作戦がほとんどない!もちろんクライマックスのホラーパートではちょっとありますけど、全然意味のない大きな音、ビックリ系のビビらせはマジでありません。そのおかげで全体に漂う「まずいもんに手を出してしまった感」がより引き立っています。

※ここからわりとネタバレです。

この映画で一番のネタバレが一番のいいところだったので書いてしまいますが、事の真相が「悪魔でした~~!!イエ~イ!!」ではないのがとっても良かったです。しかもちゃんと前半で発見していた手掛かりがキーになってそれっぽい説明がなされる!というのも、遺体の損傷から生前彼女はどうやら拷問されていたということがわかっており、体内からは意味不明な文字が書いた麻布が発見されていました。しかしこの麻布を折り曲げて透かすと文字列が一つの文章になり……そこから彼女の正体が……という展開なのです。オチも冒頭の伏線を回収してて久々にちゃんと作ってるホラー映画を観た!と思いました。

ただ怖いか怖くないかというと怖くない(ミステリーの面白さのほうが勝っている)し、センセーショナルな映像もないからホラー映画としては渋めの作品だと思います。いぶし銀。『死霊館』にブラックコーヒーを混ぜた感じ。(意味不明では?)


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