東京から山陰地方までの海沿いを走るリゾート寝台列車『アオ04号』。この高級寝台の往復ツアーに、なんと探索者は当選した。列車には一人一室の豪華な部屋が用意されているとのことで、まさに千載一遇の贅沢な列車旅行が探索者に約束されていた。

※知り合い・カップル同士の探索者でも参加できます。その場合もチケット2枚が当たり、「一人一室で泊まる」と案内されます。
※ルートによっては重大な設定が付与されます。
※通過後のエンド名報告歓迎です！今後のシナリオ制作の参考にしますのでぜひよろしくお願いいたします。

◆概要（PL開示情報）

PL人数：1PL（KPCとタイマン）もしくは2PL
所要時間：テキセ6h～9h、ボイセ3h～4h
探索者：成人探索者限定。新規・継続不問。探索者同士は初対面でも構わない。

KP難易度：難
謎解き難易度：易
戦闘難易度：難
戦闘：完全回避可能
ロスト率：低

推奨技能：【目星】、そのほかセックスしないと降りられない列車から降りるために必要そうな技能すべて

形式：寝台列車クローズド・ルルブ第6版準拠
ジャンル：パニックホラー
キーワード：R-18、聞き込み、うちよそ

備考
・感想、リプレイ動画など→歓迎！ネタバレ配慮＆シナリオ名の明記をお願いします。
・シナリオ改変→OK。根本的な世界観の改変以外ならご自由に。
・改変シナリオの配布→不可。

※ルートによっては後遺症・暴力・NTR・異種間交配・妊娠の要素があります。
※上記要素が一切ない生還ルートも複数あります！

DL版：https://gumgumvon.booth.pm/items/2988263

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以降の項目はＫＰのみがお読みください。

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KP準備

①シナリオに付属している「Q&A」を先にお読みください。

②シナリオ中の展開によって発生イベントが異なります。回収したフラグをメモしながら回してください。

③ルートによっては生還にPC同士のセックスが必須になります。必ず参加者同士で合意を得てから回してください。

④上記②のような展開があるため、未成年探索者の参加を禁じます。親兄弟（近親相姦にあたる関係）での参加もご遠慮いただけると幸いです。

⑤エンドに関わる重要な決断に入る箇所ではPLに対し十分に考える時間を取る、複数PLならPL会議を促す等の配慮をお願いします（できるだけシナリオ本文内の該当箇所にも記載しましたがそれ以外も適宜KPの判断でお願いします）。

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シナリオの見方

目次があるので適宜飛んでください。
KPはNPC解説→ルート解説→背景→導入…の順で読んだほうが理解しやすいかも。

●凡例
<探索ガイド>…シナリオ上用意されている探索場所。
［KP情報］…KPのみが知る情報。
［開示情報］…なんらかの行動後、PLに開示していい情報。
【（技能名）】…該当技能を振ったときに出る情報。マイナス補正は目安であり、KPが適宜調整してよい。※今回試験的に文字の色を変えています。
☆…SANチェックポイント
""…資料
→〇〇へ…次のイベントもしくは移動先の場所
◆…戦闘相手
◎フラグ…回収されたフラグ

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背景

限界集落「アオ村」に棲む深きものたち。彼らはなんとか人口を回復したいと日々頭を悩ませていた。そんな折、都会に出ていた魚明が村に帰ってくる。彼は村復興のため、人間と深きものを交尾させる「貸し切りリゾート列車ツアー」を考える。幸い彼は頭がよく貯金はたんまり、人間社会で暮らすハイソな深きものとのコネもあった。「アオ村」の深きものたちも魚明の提案を歓迎し、団結した深きものたちの手であっという間に「リゾート寝台列車アオ04号」による「本州往復ツアー」が開催されるようになったのだった。

ちなみに魚明のプランは以下。
①ツアー当選者の半分を深きものにする
②人間と深きものがペアで相部屋になるようにセッティング
③セックスしたらバングルの魔術が発動し、アオ村に繋がる門を通れるようになる
④アオ村に定住してもらう

なお、車内で人間が暴動を起こしたときのために行先は海底のダゴン神殿に設定している。

探索者たちはあらゆる可能性を試してなんとか安全に帰る方法を探さなければいけない。

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登場NPC・神話生物

1.神格たち

①ダゴン（6版p.183）
神格/中立/ルートにより遭遇
探索者が「アオ04号」を乗っ取り、海底神殿まで操縦できたときにのみ遭遇。

②クトゥルフ（6版p.213）
神格/敵対/ルートにより遭遇
探索者が「アオ04号」で間違えてルルイエまで来てしまったときに遭遇。探索者は出会った瞬間1d10/1d100が入る。

③ニャルラトホテプ（6版p.221）
神格/味方/ルートにより遭遇
探索者が「ニャルラトホテプの招来」を唱えたときに遭遇。招来時の姿はダイスで決まる。深きものたちの企みを知り、探索者が自分を頼るかどうか試すためにメモを残している。

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2.深きものたち（6版p.188）

①魚明（うおあき）
神話生物/敵対/確定遭遇
このツアーを考えた張本人で乗務員。しかし発起人であるがゆえに自身はオーバーワーク気味で悶々としている。

②魚住（うおすみ）
神話生物/中立/ルートにより遭遇
柏美代と同室の深きもの。大金持ちのIT企業社長だと嘘をついて美代を嫁にしようとしている。

③魚山（うおやま）
神話生物/敵対/ルートにより遭遇
白瀬計と同室の深きもの。中年太りの汚らしい外見。

④魚吉（うおよし）
神話生物/中立/ルートにより遭遇
柏まもると同室の深きもの。陽キャ。

⑤魚林（ぎょばやし）
神話生物/味方/ルートにより遭遇
路地屋夢亜と同室の深きもの。セクシー美女。

⑥魚長（うおなが）
神話生物/中立/ルートにより遭遇
明智四郎と同室の深きもの。強引に明智を娶ろうとする。明智の死後は村に帰っている。

⑦魚無（うおなし）
神話生物/中立/ルートにより遭遇
探索者と相部屋になるはずが手配ミスで魚有と同室になってしまった深きもの。魚有を人間だと思っている。

⑧魚有（うおあり）
神話生物/中立/ルートにより遭遇
KPCと相部屋になるはずが手配ミスで魚無と同室になってしまった深きもの。魚無を人間だと思っている。

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3.ツアーに参加した人間たち

①柏まもる（かしわ-）
人間/男性/33歳/中立/確定遭遇
外見：短髪。ポロシャツにチノパン。
柏美代の夫であり、魚吉と同室。元海上保安官。善人だが流されやすい。

②柏美代（かしわ みよ）
人間/女性/27歳/中立/ルートにより遭遇
外見：セミロング。ブラウンのワンピース。
柏まもるの妻であり、魚住と同室。ルートによっては夫を裏切り魚住と寝る。

③白瀬計（しらせけい）
人間/指定なし/25歳/中立/ルートにより遭遇
外見：ショートヘア。シャツにジーパン。
ブラック企業のプログラマー。魚山と同室。気弱な性格。白瀬の性別はKPの任意でよい。

④路地屋夢亜（ろじや むあ）
人間/男性/35歳/味方/ルートにより遭遇
外見：オールバック。スーツ。容姿端麗。
日本政府直属の諜報機関「CIRO（サイロ）※」のエージェント。魚林と同室。
※内閣情報調査室

⑤明智四郎（あけち しろう）
人間/男性/28歳/中立/ルートにより遭遇
外見：ロン毛を結っている。Yシャツ。
真面目な会社員。魚長と同室。

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4.過去のツアーの関係者たち

①八谷（はちや）
人間/男性/40歳/味方/遭遇なし
前回のツアー参加者。ベテランSEかつ探索者であったため、セックスなしでバングルを書き換えて脱出している（この方法は既に対策を取られているのでシナリオ中ではセックス必須になっている）。次回の参加者へのアドバイスを書いたメモを車両のあちこちに隠している。

②魚柱（うおばしら）
神話生物/死亡
前回のツアーで八谷と同室だった深きもの。八谷を逃した罰で魔力タンクに改造された。

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導入

※以下、シナリオ本編
※探索者はネットのキャンペーンや福引等でチケットを当てたという前提で始まる

東京から山陰地方までを走るリゾート寝台列車『アオ04号』。この高級寝台の往復ツアーに、なんと探索者は当選した。

『アオ04号』は東京駅を出発し、山口県下関駅に向かう。運行ルートはほとんどが海沿いで、四六時中美しい景色が楽しめると話題だ。今回は往復ツアーなので2泊3日の予定となっている。

列車にはレストラン・バー・展望車両のほか、一人一室の豪華な部屋が用意されているらしい。まさに千載一遇の贅沢な列車旅行が探索者に約束されていた。

［開示情報］ツアーに特別持っていきたいものがあればここで用意できる。申請がなくても一般的な宿泊セットは持って行ったという扱いになる。

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［KP情報］この時点で列車ツアーについて調べたいという申請があったら「場所：自室（07号室・08号室）」で手に入るパンフレットを先出ししてもよい。

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※ここまで描写したら→イベント：いってきます！へ

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イベント：いってきます！

※当シナリオはPC・KPCが初対面という前提で書かれているが、知り合い同士の場合は待ち合わせをして一緒に乗車する描写に変更してもよい。

探索者は東京駅の専用乗り場に着く。『アオ04号』は青を基調とした外装に深海をイメージした美しい模様が施されており、さすがの高級感だ。列車のイメージと同じ青い制服を着たスタッフに促されて乗車する。

内装はブラウンとゴールドでまとめられたシックながら上品な雰囲気だった。入ってすぐのところで美人の女性スタッフに声をかけられ、チケットを渡す。彼女はそれを確認すると、二次元コード付きのバングルを探索者の手首に巻いた。

「こちらは当車両専用キーとなっております。お部屋の鍵であると同時に、車両内でのお買い物の際もこのコードを使用するのでなくさないでくださいね」

説明によると、この『アオ04号』での飲食はツアー代に含まれているが、土産物のアオ04号グッズなどは別途料金がかかるのだそうだ。買い物の際はこのコードをかざして購入情報を記録しておき、帰りの下車時にまとめて決済するのだという。いちいち財布を出さなくていいのは便利だろう。

バングルにはコードの上に07と書かれていた。これが自分の部屋番号だ。

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［KP情報］KPCの部屋番号は08。2PLの場合は片方が08になる。

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スタッフに見送られて、まずは自分の荷物を置くために部屋へ行く。07とプレートがかかっているドアには、先程のバングルをかざせるコードリーダーがあった。

ぴ、とコードを読み取ったのとほぼ同時、すぐ隣で同じようにコードを読み取らせてる人間に気づく。08号室の乗客だろう。特に気にすることもなく自分の部屋―――07号室に入る。

ドアがガチャリと二重に鳴る。二重に？ふと顔を向けると先程の人物が同じ表情でこちらを見ている。08号室の乗客だった。

何が起きたのかは一目瞭然だった。この部屋、廊下からは08号室と07号室に見えるものの、中は繋がっているのだ。その証拠にまるで鏡写しのように同じ家具が二つずつ置かれている。本来なら二部屋を隔ててるはずの壁だけがないような内装だった。しかし、確かに、このツアーは「一人一室のご用意」だったはずだ。今手元にあるパンフレットを確認してもそう書いてある。相部屋とは一言も書いていない。

ひとまず、踵を返して部屋から出ようとする。ドアノブに手をかけて、ふと何かが書かれていることに気づく。それは金の縁取りのある上品なプレートだった。

“
当列車をご利用いただき誠にありがとうございます。当列車は、同じ部屋となった方との性行為および繁殖行為を行なわない限り下車不可能となっております。ご協力のほどお願い致します。
”

驚いて08号室の乗客を見る。相手もまた困惑しきった顔で隣のドアのプレートを読んでいる。おそらく向こうにも同じことが書かれているのだろう。そう思ったのも束の間、カクンと足元が揺れる。いつの間にか『アオ04号』が発車してしまったみたいだ。

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［KP情報①］本シナリオでは探索者2人の別行動（KPCを部屋に残す・探索を任せるなど）は想定されていない。別行動をすると乗務員の深きものに目を付けられ、交尾を迫られるか部屋に戻される。

［KP情報②］この列車は全車両、スマホなどの電子機器類の電波が繋がらない。

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①部屋を調べる→場所：自室（07号室・08号室）へ
②廊下に出る→イベント：不幸な夫へ
③セックスをする→イベント：セックスへ

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イベント：不幸な夫

※「イベント：いってきます！」後に初めて廊下に出た場合のみ発生

探索者が部屋を出ると前の車両から男がやってきた。ポロシャツにチノパンというラフな格好で、人の良さそうな顔立ちをしているが、表情は暗い。男は探索者と目が合うと軽く会釈をし、気まずそうに話しかけてきた。

「あの…もう部屋は見られました？その…どんな感じでした？」

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以下に分岐
A.相部屋だったことを正直に言う
B.普通だったと嘘をつく

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A.相部屋だったことを正直に言う

男は少しだけ安堵した表情を浮かべた。
「やっぱりそうですよね！しかも、変なプレートがかかっていて今困って部屋を出てきたんですけど…その、下品な注意書きの…」

「僕、妻と2人でこのツアーに参加したんです。部屋は一人一室だと案内されていたので別々になるのは知っていたんですけど、僕は05号室で妻は09号室だったんです。それで…06号室の方は全然知らない人で…あの部屋だったでしょう。だから妻もそうなってるんじゃないかって思って、今様子を見に行くところなんです」

「あ、僕は柏（かしわ）と言います。大変恐縮ですが、僕が妻と会っている間に部屋に関して乗務員から何か説明があったら教えてくださいませんか？よろしくお願いします」

柏はそう言うと急いで09号室へ向かった。それと同時に妻と思しき女性が慌てた様子で部屋を出てきて二人は廊下で抱き合う。柏はそのまま妻を落ち着かせるように車両後方へ歩いて行った。
◎フラグ：A
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B.普通だったと嘘をつく

「そ、そうですよね！僕の部屋が間違ってるだけなのかな？ちょっと乗務員さんに聞いてみます！あ…僕は柏（かしわ）と言います。短い間ですがよろしくおねがいします…」
男はそう言って先頭車両のほうへと走っていった。

◎フラグ：B
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①部屋に戻る→場所：自室（07号室・08号室）へ
②先頭車両方面へ行く→イベント：大抗議へ
③車両後方へ行く→イベント：少々の立ち聞きへ

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