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ナナにも出ているのかしら?

たまたま流れていたNHKスペシャルに、ベイリーという日本ではじめてのセラピー犬が出ていた。
ゆいちゃんという女の子の闘病に寄り添うように、ゆいちゃんの力になっていた。こんな信頼関係ができるのかと、画面に釘付けになる。

大きな手術を前に、不安になっているゆいちゃんの元に、ゆっくりとした足取りながらもかけつけるベイリー。セラピー犬としての振る舞いは完璧で、吠えたり舐めたりせず、ゆいちゃんに撫でられるのを気持ちよさそうにして、横たわっている。ゆいちゃんは、さっきまでとは表情が変わり、ぐっとやわらかくなっている。

手術後、痛みからベットから起き上がれないところに、ベイリーがやってくる。撫でたくても手が届かないゆいちゃん。ベイリーは、もちあげてもらってゆいちゃんに添い寝するような形になる。ゆいちゃんが嬉しそうにベイリーを撫でる。30分ほどが経ち、終わりのコマンドが出ても、ベイリーはベットから降りようとしない。普段は、コマンドを無視しないのに、降りての合図にも動かない。そのうち、ゆいちゃんがウトウトと眠りにつくと、ベイリーは安心したように、すっとベットから降りて、病室を後にした。

3ヶ月はかかるといわれた入院生活が、ゆいちゃんの回復によってかなり短い期間で退院となった。退院の挨拶をしにきたゆいちゃんに、ベイリーが駆け寄る。ベイリーも安心したような顔にみえた。

無事に退院したゆいちゃんよかったねという気持ちで、元気に学校に登校する姿にひと安心する。
高齢のためベイリーがセラピー犬の引退式に、ゆいちゃんが手紙を読み上げていた。ありがとう、お疲れ様という言葉をきいて、はらはらと涙が落ちた。

その番組の中で、人と犬と接すると「オキシトシン」が両方に出てくるという論文を紹介していた。私だけじゃないのかもしれない。ナナとアイコンタクトをしたり、撫でることでナナにもオキシトシンが出ているとうれしい。

ほら、さっきもしばらく吠えていたところ、抱えて撫でていたら、大人しくなったんだった。

クッションで横になるナナの背中を両手で挟むようにして、聞いて欲しい話を伝える。聞いているのかどうかわからないけれど、話すことで、私の気持ちはほんの少しずつゆるまっていく。

あまりおしゃべりがすぎると、寝不足になるみたいだから、そろそろ寝かせてあげようかな。

(左がナナです)


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