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新規事業立ち上げは"焦り"に注意

こんにちは、dekawanと申します。Web企業でプロダクトマネージャーをしています。ここ数年はずっと、社内で新規事業の立ち上げを担当していて、これまで2つの新規事業を立ち上げました。

企業内で新規事業を立ち上げる場合について、私の経験を交えてお話したいと思い、noteを書いてみました。

さて、今回のお話は、まずは初級編で。
この記事で伝えたいことはズバリこれです。

企業内で新規事業を立ち上げるなら、"焦る"べからず。

「新規事業の話で、焦り?」
と、違和感を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

でも実はこれが、企業内での新規事業立ち上げの大きな落とし穴なのです。

起業と違い、社内で新規事業を担当する場合、「どうしても実現させたいものがある!」という情熱がない場合も多いと思います。事業の大枠はすでに決められているとか、たまたまアサインされたからとか。作るものも「こういう事業は見込みがあるから」と決まっていることも多いですしね。

そんな中で進んでいくと、起業とはまた別の落とし穴があります。

当たり前ですが、新規事業はわからないことだらけです。「暗闇の中を手探りで歩いている、ってこういうことか!」と私はむしろ、最初驚きました。

何が正解かわからない、どうやって決めればいいかわからない、どうやって進めればいいかわからない...。

面白いほど思うように進みません。でも時間はどんどん過ぎていく。次第に、焦っていってしまいます。

いついつまでに、リリースしなきゃ...」
「自分たちは他事業部の利益をただ消費する立場。まだ何も作っていないなんて、周りの目が気になる...」
「本や記事では『とにかく早く作ってPDCA回すべき』と書いてたし、早く進めなきゃ...」
経営陣からのプレッシャーが...」

考えれば考える程、早く何かを作りたくなってしまいます。というか正直、とりあえず手を動かして何かを作っていれば、心が落ち着くんですよね。プロトタイプなどの目に見える何かや、手を動かしている実感が、「自分たちは進んでいる」と安心させる。他の人に顔向けもできる。

でも、実はこういうことが頭の中でぐるぐるしてる状態って、プロダクトを作る上で大切なことがぽっかり抜けてしまっているんです。そしてやっかいなことに、焦っていると、抜けていることに気が付かないのです

新規事業を考える際には、順序を意識する必要があります。まず「何を作るか」を定めなければなりません。

「え? そんなの決まってるでしょ? 会社としてある程度定めてるだろうし。」そう思うかもしれません。でも実は不十分なことが多いんです。

この「どこまで決めていれば充分か、がわからないこと」が新規事業を立ち上げる上での難しいところです。

必要なのは、

・誰のために
・何のために
・どんな価値があるものを作るのか

に、はっきりと自信を持って答えられるかどうかです。それは具体的なものじゃなくてもいいと個人的には思っています。例えば「働きたい人が全員働ける世の中になるための、パパママの保活の負担を劇的に減らせるもの」のようなビジョナリーなものでもいい。

「とにかく早く作ってPDCA回すべき」は、この3点が決まった上での話。この順序をしっかりと頭の中に入れておかないと、ドツボにはまってしまいます。もし、

こういう手法を使ったプロダクトを...」
既存の資産をうまく活用して...」
「できるだけ毎日アクセスされるように...」

なんてことばかり考えていた人がいるなら、進める順序が間違っています。それは上記3点が決まった後に考えることです。焦るべからず!

新規事業立ち上げでよく起きる、

「作ってみたプロトタイプがユーザーに刺さらなかった。少し変えてみたけどまた刺さらない。次のもダメ。その次のもダメ。毎回ダメなポイントが変わるし、どうすればいいのかわからない…。」

というのは、「誰のために、何のために、どんな価値があるものか」が定めきれていないからこそハマるドツボです。なんとなくのプロトタイプでは、そもそもニーズがなかったのか、作った内容がニーズに合っていないのか、実はターゲットが違ったのか、などがフワッとしかわかりません。

そこで、私がおすすめしたい基本的な進め方はこちら。

STEP1  上記3点を明確にしないといけないことをチームで共有する
STEP2  上記3点を決めるのに、どのくらい時間をかけるかを決める
STEP3  覚悟を決めてやりきる
STEP4  決めた3点をもとにどんどん作って検証する

私の経験から言うと、1ヶ月くらいは何も作らずに話し合いしてもよいと思っています。この話し合いで、自分たちの価値基準も見え、非常に大事な時間となります。そして何より、その1ヶ月があればその後がグンッと早く進むので、トータルで見ると早くプロダクトをリリースできます。

よければぜひ、このステップを踏んでみてください。そうすればあまり迷子にならずに進んでいける確率が上がると思っています(絶対迷子にならないとは言いませんw それが新規事業というやつですw)

企業内での新規事業、焦るべからず。
長文、読んでくださりありがとうございました!


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