末井昭『自殺会議』を読んで

末井さんの本は、いくつか読んでおります。

前書『自殺』を読んで、今まで出した自著の総括にも読み取れ、うむうむと思っていたところ、こちらをパワーアップさせた『自殺会議』が発刊。早速手に取りました。

末井さんが話を聞きたい自殺に関わる方々がたくさん出てきますが、そこは読んでいただいて(浦賀べてるの家の向谷地生良さんがでてきてうれしかった♪)、私が感じたところを書きたいと思います。

「自殺」に対する強いマイナスのイメージ、口に出してはNGワードともとれるものを、末井さんが話すと「リンゴ」や「みかん」のように、軽いものになるのが不思議です。

ご本人、「自死」は使いたくない。「自殺」をした人に失礼になる(末井さんは自殺を実行する人はすごいと言ってます)とおっしゃっているところから、「自殺」することは日常生活の中のひとつだということを、今回の本の主題として、素材としての「自殺」を家族に自殺した人いる人や、自殺の人を救っている人などと話しをしています。

いい意味で熱量は低め。たんたんと話は進みます。

ご自身の母親がダイナマイト自殺をしたという経験を持ち(詳しくは『素敵なダイナマイトスキャンダル』の本や映画をどうぞ)、当事者としての考えも随所に出てはいるのですが、ご自身の経験は既に本人の中で昇華しているようにも思えます。

年間約3万人の自殺者を生む日本。身近にはないことかもしれないですが、家族の自殺を抱えながら過ごす人のことを知るきっかけとして読まれるのがよいのではないでしょうか?

#末井昭 #自殺会議

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