食欲が落ちて4キロを切るようになり、かなりしんどそうな様子が増えた4月中旬。これまでカリカリ大好きだったクロベのために腎臓病用のドライフードを小さく割ったり、ふやかしたり、それを強制給餌したりと工夫してきましたが、思い切ってウェットフードを与えてみました。以前、お友達から分けてもらったロイヤルカナンは美味しそうに食べていたのに「俺はやっぱカリカリがいいな」的な感じだったのが、ロイヤルカナンもヒルズもウェット療養食をけっこう食べる…あれれ、いつの間に受け入れが整ったんだ？　とびっくりしつつ、飽きないように祈る日々。

クロベは片キバは立派だけど、他はほとんど歯がないのですり潰したようなウェットの方が食べやすいはずなんだけれど、鼻ペチャ気味なのでどうもフードに鼻がついてしまうのがイヤっぽい。チャンク状のロイヤルカナンは舌ですくい取りやすくて、食べやすいのかも。ヒルズもスプーンで一口大の塊になるようにお皿に配置すると、食べやすいみたい。

だがしかし量はさほど食べない。これまで大好きだった「銀のスプーン三つ星グルメ」も食べたそうにするけれど、お皿の前であきらめてしまう感じ。

この4月から5月は気温の変化が激しく、大きな気圧低下も頻繁にあったのでその影響は大きいみたい。下僕も神経痛やら片頭痛やらでほうほうの体でした。とにかく適温になるよう、湿気が上がりすぎないように（電気代のことは考えず）空調から整える。下僕はなるべく外出しない（外出するとゲロるやら抗議するやらで体力を消耗するから）。脂の多いお刺身を買ってきて分け合ったり、ギー（無塩バター）をなめさせたり、もうおやつでいいから食べて！と猫おやつ類を出したり。

獣医さんが見るに「顔つきがしっかりしてるから、元気はある」とのことで、やっぱりエネルギー不足なんじゃないかと考えて高カロリーなやつ…とMSDの「スペシフィック猫用 腎心肝アシスト（ウェット）」をあげると、まー食べる食べる！3分の1缶くらいをペロッと食べたのを皮切りに食欲が出たというか、食べる体力がついたというか、スイッチが入って食べるように。もちろん排泄もスムーズ。もともと遊ばない猫なんだけど、暇な時に床に置いているものをチャイチャイする余裕すら生まれてきました。
よかった…ほんとによかった。下僕、歓喜。

スペシフィックは見た目も感触も匂いもレバーペーストとかリエット、フォアグラみたいなんです。お皿に出している間、下僕は「ああ、豚のリエットの香りがする…フランスパン食べたい」みたいになっていました。おかげで体重は4キロ前後をキープ！そのかわり（？）ヒルズもカナンも食べなくなりました(；´Д｀)。

もちろん、食事だけで病状が回復するわけではないので、週1の補液は欠かせないし、ラプロスの服用も続けます。どうもラプロス（1日2錠）をきっちり飲ませると2日ぐらいで食欲不振＆便秘になるらしい。調子が悪い日はスキップしているけれど、本当は続ける方がいいんだよね…という葛藤が下僕には生まれる。難しい。QOLと治療のバランスというところだ。クロベの腎不全も肝臓にある腫瘍も、治りはしないのだ。だがしかし、進行するにつれて苦痛は大きくなる…今以上に。一日2錠の飲み薬でさえ、そんな風に悩んでしまう下僕に情報という試練が加わる。サプリとか再生医療とか免疫ナンチャラだ。

こうなると、人間の難しい病気と変わらなくなってくる。人間だったら動かないはずのアンテナ、感情のヤワな部分がぴくっと反応してしまう。下僕はこれでいいのか。最善を尽くしているのか…。

この季節、お天気がいいとクロベはお外で過ごすのが大好き。いそいそとテラス席をご用意します。去年までは必要なかったお水もそばに用意します。気温が上がってくると、ウェットフードは傷んでしまうから「食べたい時にいつでも」と出しっぱなしにはできず、廃棄も多くなるけれど、食欲が出てきたクロベのタイミングと要望をできる限り感じ取って、ドライもウェットもスタンバイ。飽きと好みと必要と…下僕はいそいそとお仕えする日々です。