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〜エデュコレインタビュー:出展団体③【シューレ大学】〜

〜エデュコレインタビュー:出展団体③【シューレ大学】〜 

こんにちは!

今回のエデュコレは、関東,東海,関西,九州の4地域で開催し、インターン生も多様な地域から集まってます。このnoteでは、インターン生が出展団体さんに赴き、インタビューをしてきた記事をUPしていきます!

記事を見て、出展団体さんのことをイベント前に知ることで当日がより充実した時間になるかと思います。また、今回参加できなくても、興味・関心のある団体や学校はきっとあるはず。このインタビュー記事が、その団体の活動をより詳しく知る機会にもなればと思います。 

是非チェックしてみてください!
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今回のインタビューは、シューレ大学スタッフの朝倉景樹(あさくら かげき)さんにお話をお伺いしました。

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ー本日はよろしくお願いします。

お願いします。
シューレ大学は、ちょうど今年で設立20周年になりました。元々は、98年にホームスクーリングやホームエデュケーション、フリースクールで育った若者が集まって、委員会を設立したのが始まりです。場所探しから仕組みづくりまで、お金がどのくらいかかるかなども自分たちで計算して、学費も決めました。学費を自分たちで決めた学校ってなかなかないんじゃないでしょうか。

ー シューレ大学の1年間の流れを教えてください。

シューレ大学の1年は、年度は一般の大学と一緒で4月始まりの3月終わりです。年度の初めに、自分でこの1年どういう風に過ごしたいか、何をやりたいかの計画をたてます。半年経ったところで、計画を一度見直し、さらに半年たつと、報告会をします。自分にとっての1年が、どういう1年だったのかというのを、一緒にやって来た仲間やスタッフの前で発表するんです。
これは聞いてくれる人のためにではなく、自分のために、みんなに付き合ってもらう時間です。自分一人で自分の1年を振り返ることもできるんですが、人に伝えようと思って振り返りをする方が発見が多いのと、人に聞いてもらって、人から質問してもらうと違う視点が得られるので、自分の1年をより多様に確認することができます。
1年を通して、前半はそれぞれのプロジェクトや講座の方でいろんなことを吸収し、後半はそれを表現し発信していくイベントがたくさんあります。8月の最終金土日には国際映画祭をし、その2ヶ月後の10月には「自分から始まる研究」である当事者研究のイベントがあります。その2ヶ月後の12月には演劇公演が3回、そして2月には、東京国立博物館をお借りして1日展覧会をします。こういったサイクルの中で、シューレ大生は自分自身の関心のあることをなんでもやっていく。古くはソーラーカーを作って、国際ソーラーカーレースに参加したこともあります。

ー シューレ大学の特徴はなんですか?

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月曜日から金曜日までの朝10時から夜7時までが活動時間帯です。そこに、ひと月で見ると33種類のプロジェクトやコースがあります。
タイムテーブルがある点は、一般の大学と似てはいますね。ただ、シラバスを先生が作っているのではなくて、学生が自分たちの関心を中心に作っているので、そこは決定的に違います。なぜそんなことをするのかというと、シューレ大学では「自分が知りたいことを知る」ということを実現したいんですね。自分が関心をもったものを深く掘っていくことによって「自分とはなにか」「自分がこの社会や世界を理解する」という学びを大切にしています。自分たちの関心が満たされるように、専門家とも話し合いながら講座をつくり、学びを深めていきます。

この大学では卒業資格は得られません。来る人は『自分とは何者かというのを問うてみたい』『自分なりにこの世の中の理解をつくりたい』『自分の生き方を作りたい』という思いを持った人が多いです。シューレ大学では、人それぞれの「自己否定感」を解きほぐすということも大事にしています。自分で自分をダメだと思いながら生きて行くのってかなりしんどいですよね。「生き方創造」という時間では、自分が今まで生きてきた中で得た「否定感」を取り上げて、自分で言葉で整理してみるということをしています。これまで受けてきた否定感やコンプレックスを、自分なりに言葉にし、整理する。さらに、その経験を仲間の間で共有することで、質問されたり、同じような経験をした仲間の話を聞いたりしながら、より整理していく。そうすると、否定感というなんだかわからない苦しいところから、何がかわかってきて楽になったり、どう自分が対応していけばいいかわかるようになります。こういったプロセスのことを、「自分に自分の苦しさを取り戻す」と表現する人もいます。この時間では、そうやって過去の否定感が整理され、解きほぐされていくだけでなく、仲間に自分が理解されているという実感が、人々への安心や信頼の積み重ねになっていきます。自分研究をより進めていく「研究ゼミ」では、ほぼ1年間かけて、自分の否定感等々を言葉にして掘り下げて論文化していきます。かなり深く丁寧に言語で明らかにしていくので、発見もたくさんあります。

ー どうして、常に表現や学びの出発点が「自分」であることを大切にされているんですか?

今の社会のある種反映であると思います。今の社会では、「小中高大就職」という生き方が標準的で、おそらく、そういう生き方をしてたら「なんでそんなことするの?」と言われないと思います。でも私は、生き方が幅が狭くなってきていると感じます。かつては戦後にできた新しい教育制度により、中学校が義務教育になり、高卒の方が有利だからと高校の進学率が上がっていき、高卒が大半になりました。それが高校に行かないと不利だという時代になっていき、今では高校や大学に行くことがオプションではなくなっていきました。就職も同じです。自分の人生に関する大事なことが、だいたい社会によって決められている。それはどうも変えられないだろうという感覚をもっている。決められた中で、決められた範囲で動くしかない。いろんなことが決められて、その枠にハマるしかない。そういうことをずっとやっていくと、「私は今何をしたいのか」「私とは何者か」ということを考えにくいんです。決められることをしっかりやっているはずなのに、自分のことは全然わからない、ということはないでしょうか。自分から始めるというのは、決められることばっかりの世の中で、自分の興味を取り戻さずを得ないということです。自分の興味を掘っていく中で、私はどういう人間で、どう生きたいんだろうということを考えていくことが大切だと思います。

私は高校の3年間、歴史とは何か、第2次世界大戦はどうして起こったのかということをずっと考えていました。
なぜ日本が戦争を起こしたのかというと、一人一人が日本の将来をどうしたいかを考えて来なかったからだと私は思っていて。歴史とは偉い人が決めたものだけじゃなくて、一人一人の人が生きてきた堆積が歴史だと私は捉えています。そういう風に考えると、第2次世界大戦を起こしたのは、一部の偉い人だけじゃないのではないか。それを賛成した大勢の人もいたはずで、戦争がどうして起きたのかということを考えないと、自分が日本の将来をどうしたいかを考えずに戦争に賛成する側になってしまうしれないという危機感がありました。それをしないためには、一人一人が自分なりの考えをもつ、自分で感じ考えるということををしていかないといけないのではないか。一人一人が生き生きと、自分で考え行動に責任をもてることが大切なんだと気づきました。それをどうやって人と学び続けることができるのかということを、問い続けながらシューレ大学に関わっています。

ー 最後に、朝倉さんにとって、学びとは何ですか?

自分とは何者か、自分なりの社会や世の中の理解を持つということが学びだと思っています。何かを強要されることではなく、自分がそのことを知りたいと思って学び始めることが、大切なんじゃないでしょうか。
エデュコレに参加してくださる皆さんと、ぜひ自分や自分の大事な人が、どうやって生き生きと生きられる社会を作っていけるのかを一緒に考えられると嬉しいなと思っています。

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ありがとうございました!

これからも、色々な団体さんのインタビュー記事を載せていく予定なので、是非チェックしてみてください!
このnoteのインタビュー記事を読めば、もともと興味があった団体さんのことを、より詳しく知ることができ、また、自分がこれまで未知だった分野や団体のことを、新しく知ることもできます。
まさに⦅多様な教育⦆を知るきっかけになるのではないかと思います。
ご期待ください。

朝倉景樹さんのHP:https://kagekia.org/?page_id=5
シューレ大学のHP:http://shureuniv.org/

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