長女が小学生になった話

子供が3人いて、上から6歳、4歳、3歳。一番上が女の子で、あとは男の子。

一番上の子が小学生になった。

この子は0歳3ヶ月から保育園に入って、それからずっと同じ保育園。割と内気で習い事の体験に行ってもグループレッスンだと端っこでモジモジして終わってしまう。そんな子。

そもそもそんな子である上に、同じ小学校には同じ保育園から行く子はいない。共働なので学校のあとは学童で過ごす。新しい環境が2つだ。父親としては心配。

日が近づいてくると本人は弟たちに「学童楽しみ〜」などと言ったりもするのだけれど、どうしても心配そうな雰囲気もにじんでいる。小さいながらに強がっているんだ。

4月1日から最初の1週間は学校は春休みなので朝から夕方まで学童。その次の週も水曜までは1年生は給食なし。つまり弁当生活だ。保育園では普段は給食で、遠足に行くような時も「空の弁当箱を持ってきてくれれば園で作って詰めて持たせてくれる」みたいな甘やかされっぷりだったので、本当に弁当を作るのは年に数回だった。大変だ。

1日目の献立は割とすぐに決まった。これまで弁当と言えば玉子焼きをリクエストされていて、毎回入れていた。これだ。新しい環境で、慣れたものがあればホッとするだろう。

2日目からすぐに困った。2日連続で弁当を作るのは初めての経験なのだ。朝起きてベッドの中でググる。「お弁当 子供」 そんなんで見つけたオムライス。ラップとか使えば巻くのも意外とできそうだ。これに決めた。朝作ったものを見せると、喜んでくれた。

3日目。前日の夜に気付いてびっくりした。保育園の弁当の日。つまり弁当3つだ。前日の夕食がマカロニグラタンだったのでそれをカップに取り分けて3つ、あとは得意の玉子焼きだ。それだけだと淋しいかと思って、初めて海苔を切ってご飯に絵を描いた。あと、保育園の弁当の場合デザートをつけるのが慣習なので、バナナ蒸しパンも作ってちょっとしたデザートにした。

4日目。前日の山場を乗り切った勢いで、ウィンナーをケチャップで炒めたもので乗り切る。このウィンナーは前日に義母がスイミングに連れて行ってくれた帰りに買ってくれたものだ。

5日目。これで1週間目が終わる。この日は冷凍のエビグラタンにお世話になった。前日お迎えに行った帰りにスーパーに行って一緒に買ったのだ。この日は自分の弁当にも同じものを入れた。食べ終わった後のカップに動物のイラストが書いてあって、お迎えして帰る時に何の動物か言い合った。お父さんはくまちゃん、長女はうさぎだった。

週明けて月曜は入学式。昼過ぎに終わって一緒に昼食を食べたのでお弁当なし。

6日目。終わりが見えてきた。評判がよかったオムライスに再登場してもらう。玉子の下にスライスチーズを仕込むなんて小技を効かせてみたりした。とは言え、会社に着いてからスプーンではなくお箸をつけてしまったことに気づいて頭を抱えた。あとで食べにくかったか聞いたら、大丈夫だったと言う。この日帰って弟たちを風呂に入れてる時、こそこそ自分の部屋で何か書いてた。

「きょうもおべんとずくりおつかれさま きょうのおべんとうわおいしかたです あしたのおべんとうもたのしみにまてます」

泣くよね。

7日目、これでとりあえず最後。例のエビグラタンとポテサラとブロッコリーと定番の玉子焼き。ピカチュウを描こうと試みたけどすぐに挫折して猫ちゃんを海苔で書いた。

スイミングの日だったので、自分が帰宅した時にはすでに疲れて寝てしまってたけど「おいしかたよ」のメモ。

なんか報われたなー。

最初は長女も新しい環境に慣れなくて、学童で泣いてしまったり、帰ってから話しててもやっぱ無理してたり、強がっていたり、大変だってことを親に悟られないように気を遣っているようであったり、とにかく頑張っているように見えた。

新しい場所で、知らない人に囲まれて、そんな時だから昼食の時くらいは安心できることを思い出して欲しい、君が大変な時に応援している人がいることを知って欲しい、そんな気持ちで弁当を作った。会社で、長女に作ったのと同じ中身の弁当を食べながら、いまごろお弁当食べてるかな?誰と食べてるのかな?仲良い子できたかな?まだまだ緊張してるかな?などと考えていた。

そんな1週間と半分。長女が小学生になりました。


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