東京五輪に向けて暑さ対策を夢想する

来年の夏には東京オリンピックが開かれるが、酷暑が予想されており、暑さ対策が急務となっている。
東京都は打ち水や朝顔などといった案を出しているが、なかなか有効な対策は見出せずにいるようだ。

私もちょっと考えてみたい。

最大の問題はCO2などによる温室効果なのだろうが、これについてはすでに多くの専門家が取り組んでいることなので、ここでは触れないことにする。

まず基本に立ち返ってみよう。
なぜ空気は熱くなるのか?

太陽光が地球に照射されると、まず光が地面(都市部だとビルや路面)にあたって熱が生じ、その熱が大気を温める。
なら、この太陽光や地面の熱をなんとかできないだろうか?

現実的かどうかは分からないが、3つのアイデアを提案してみようと思う。

■まずは緑化
太陽の光エネルギーを、熱以外のエネルギーに転換することを考えよう。

これに関しては植物が理想的だ。
光エネルギーを利用して光合成を行い、CO2を取り込み、生態系に有機物を提供してくれる。

次点でソーラーパネルだろうか。

会場となる東京に限定せず、周辺の市区町村も一丸となって緑化を推し進めてほしい。
開いている土地があれば可能な限り草木を植え、ビルの屋上には花壇を作り、ベランダや窓際・歩道には観葉植物を設置しよう。

そして、余裕があればビルの壁面などにはソーラーパネルを設置したい。

■路面熱発電
路面の熱も大きな問題となっている。
光を多く反射するアスファルトも試されたようだが、路面温度は下がっても気温はむしろ上がる、というデータもあるという。

とはいえ、冷蔵庫やクーラーのような機構では、トータルではむしろ熱エネルギーもCO2も増えてしまう。

路面の熱エネルギーを電気エネルギーに転換できないものだろうか?

熱を電気に換える場合、通常は水を沸騰させ、蒸気でタービンを回す。
そのため、ある程度まとまった量の熱エネルギーと、大きな設備が必要になる。

ところが、WBSのトレたまによれば、最近は人間の体温のようなわずかな熱エネルギーで発電する技術もあるらしい。
発電効率がどの程度なのかは分からないが、人の体温で可能なら、真夏の路面温度なら十分に機能するはずだ。

可能であれば道路の下にヒートシンクと水冷ポンプを埋め込みたいところだが、1年ではさすがに無理だろう。
熱を取り込む部位をローラー状かキャタピラ状にして、路面を転がしていくのが、差し当たっては現実的だろうか?

とりあえずは人力でゴロゴロ。
できれば、サーモセンターを搭載した電動ロボットに歩道を巡回させたり、自動運転の電動カーに道路を回らせたりできるようになるといい。

もし、ロボットが消費する以上の電力を発電できるなら、地球はほんのちょっとだけクールダウンできるはずだ。

■空飛ぶプロジェクタースクリーン
太陽から地球に届いた光のうち、2~3割程度は雲や空気中のチリに反射して宇宙に散っていくものらしい。

ほんの少し、局所的にでも、その割合を増やせないだろうか?
巨大な反射板を空に浮かべるのだ!

ヘリやドローンではあまり長時間は飛んでいられないし、なにより多くの熱とCO2を出してしまう。
となると、ヘリウム気球で浮力を得るのがよいだろう。

平べったいヘリウム気球を作り、上面には反射板か、薄型軽量のソーラーパネルを張る。
そして下側は、巨大なプロジェクタースクリーンにするのはどうだろう?
ローテクでエコな割に、SFチックで未来的な風景が演出できそうだ。

いや、言うは易しか・・・平たく巨大な気球となると、風の影響を受けやすく操作が難しいだろうし、強度の問題も大変そうだ。
しかし、実現できたなら、ビジュアル的にもかなり面白いものになるのではないだろうか。


あいにくと専門知識がないもので、現実的なプランなのか、効果がどの程度あるのか、具体的なところは分からない。
ただ、程度はともかくとして、一応有効な対策ではあると思うのだが、いかがだろうか?


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