コロナワクチン副反応体験記

新型コロナウイルスが猛威を奮い、不安感や閉塞感が強まっている。
もっとも有効と期待される対抗策がワクチンなのだが、これについても副反応や接種予約の取り難さなどで不安や不満も高まっているようだ。

私は幸いにも予約が取れ、1回目の接種を受けることが出来たのだが、ちょっと副反応が出てしまったので参考までにその記録を公開してみたいと思う。

■ワクチンは打とう!

今回は私が体験した副反応について紹介するが、「ワクチンは危険だからやめておけ」などという趣旨では決してない。

私は薬の副作用などが出やすい体質のようで、日ごろからしばしば医師を困らせている。また、優先接種に該当しない持病をいくつか抱えており、日ごろからいくつかの薬のお世話になっている。
したがって今回紹介する副反応は飽くまで持病持ちのレアケースであり、ほとんどの人はこのような体験をする心配はないのだろうと思われる。

一方で発熱や接種部位の痛みなどの軽度の副反応はそこそこ高確率で起こるらしいので、これは事前に認識しておいたほうがよいだろう。大抵の場合は軽症のまま短期間で治まるもので、特に心配する必要のないものだということだ。
新型コロナに感染・発症するリスクと比べれば微々たる物と言えるだろう。

特に昨今猛威を奮っているデルタ株は要注意である。
なんと日本人の6割はキラーT細胞がデルタ株に感染した細胞を識別できないそうで、細胞性免疫が機能しないのだという。そのため、該当する人たちはワクチンなどで抗体を作らないとデルタ株に対してほぼ無防備の状態という事になる。初期の新型コロナのように、「若いから大丈夫」「体力あるから大丈夫」が通用しなくなるのだ。
ワクチン接種の予約が取りにくく大変な状況ではあるのだが、打てるチャンスがあれば積極的に打つこと、感染予防対策を今まで以上に徹底することが必要だろう。

また、ワクチンの効果は発症や重症化の予防であり、ウイルスキャリアにならないというわけではない。ワクチンを打ったからといって感染予防対策を怠っているとサイレント・スプレッダーとなって社会の害悪になりかねない。大げさでなく未必の故意による殺人者となりかねないのだ。
ワクチン接種前はもちろんだが、接種後も当面の間はマスクや手指消毒、手洗いうがいといった基本的な感染予防対策は徹底していこう。

■接種当日

持病があって脳貧血を起こしやすい体質なので、摂取と経過観察は処置室でベッドを使わせていただけることになった。

筋肉注射ということでなんとなく痛いイメージがあったのだが、刺す痛みはほとんど感じなかった。軽くチクッする感触自体はあるのだが、痛みはほぼ無い。少なくとも血液検査などの採血よりははるかに痛みは少なかった。

摂取後5分ほどで喉というか胸の上部の辺りに内側から軽い圧迫感を感じ、若干の息苦しさを感じるようになった。血中酸素量は98~99%ほどで正常、脈拍も正常との事だったが、どういうわけか血圧が150を越えていた。
ちなみに私の素の血圧は上が100ほどで、脳貧血予防のために薬で110ほどにあげてあった。

摂取会場では特に投薬などの処置は行われなかった。
血圧150オーバーの状態は1時間ほども続き、徐々に頭全体に痛みが生じるようになった。特に激痛というわけではなかったが、じんわりと痛みは強まっていった。
胸の圧迫感と息苦しさは続いていたが、軽度のまま特にひどくなることはなかった。

担当医からは2度目の接種は控えるか、やるにしてももっと大きな病院でやるようにと指示された。

1時間を過ぎた頃に血圧は130台まで低下し、病院側の勧めでタクシーを呼んで帰宅した。ふらふらしつつも布団に倒れこみ、とりあえず体温を測る。接種直前には36.4度あったはずの体温が35.3度しかない。
とりあえず友人が差し入れてくれたポカリを飲んで休む。5時間ほどかけて体温は徐々に回復し36.0度まで上がったが、その日はそれ以上上がらず、また下がったり上がったりを繰り返した。
病院では接種後の体温チェックはしなかったが、もしかしたら35.0度かそれ以下まで下がっていたのだろうか?

注射した場所の痛みは同じく接種後5時間ほどで発生。あるいはここに来てようやく認識できる余裕ができた、ということかもしれない。動かしたり何かに触れたりしたときに軽く痛む程度でほとんど気にはならない。
よく見ると微かにブツブツが出来ていたが、特に皮膚の痛みやかゆみは感じなかった。

頭痛は接種直後は頭部全体がぼんやりと痛む感じだったが、いつのまにか右のこめかみを押さえつけられるような感じの痛みに変わっていた。
痛み自体は大したことはないのでそのまま様子見する事にする。

倦怠感が強く食欲はほとんどなかったが、接種後5時間で体温は36.0度まで回復、血圧も103ほどまで低下したので、同じく友人の差し入れてくれた桃ゼリーを食べた。
倦怠感は約10時間ほど経った深夜3時ごろにいくらか軽減し、なんとか起きだして歯磨きなどを済ませて本格的に就寝した。

■2日目

左足にちょっと強めのRLSが出て7時に覚醒。
RLSも私の持病の1つなのだが、いつもはレグナイトで発症はほぼ抑えられていた。ワクチンの副反応で体に負担がかかり、症状を抑え切れなくなったのかもしれない。

体温を測ると38.6度。血圧は117だった。
微かに頭痛がする程度で倦怠感などは特に感じない。
朝食後に市販の解熱剤のメディペインACEを3錠服用。

ワクチン接種を行った病院の院長から電話があり、2度目の接種は他の大きな病院でやるようにと改めて念押しされた。

注射された場所の痛みはやや強まっており、何もしなくても脈動するように痛みが生じる。気にはなったが特に生活に支障が出るレベルの痛みでは無い。
周辺の発疹も少し目立ってきたが、皮膚表面は相変わらず特に傷みもかゆみもない。

解熱剤服用後、90分後には36.0度、3時間後には35.7度まで下がった。しっかりきいてくれたのはいいのだが、ちょっと効き過ぎたようだ。成人は1回3錠と書いてあるが、1錠か2錠で様子見したほうがよかったかもしれない。

病院で案内された副反応相談窓口に連絡したところ、まず3分待つようにとのアナウンスがあり、3分後には混雑中だからかけなおすようにとのアナウンスが流れて自動的に切れた。
数分後に改めて連絡すると今度はすぐに繋がった。担当者の判断では2度目の接種はOK、会場については別の専用の窓口で相談するようにとのことだった。

案内された番号にかけるとツーツー音が鳴ってすぐ切れた。何度か連絡すると4度目でようやく声が聞こえたが、混雑中だからかけ直せとの自動アナウンスが流れ、やはり自動で切れた。
時間を置いて夕方にかけなおすと、今度は受付時間は17時半までです、との自動アナウンスが流れた。

昼ごろからは倦怠感が強く食欲も無い状態が続いた。朝食としてビスケットとヨーグルトを食べた以外はポカリ1本とゼリー1パックしか口にできないまま夜になった。体温もなかなか36度以上まで上がってくれない。
21時ごろになってようやく頭がはっきりし始め、体温を測ると36.3度まで回復していた。

接種部位の脈動するような痛みは無くなっていたが、腕を動かしたときの痛みは少し強くなった。
周辺の皮膚はちょっとだけかゆい。

23時ごろ、腕は動かすたびに少し痛んだが、それ以外の不快症状は治まっていた。食欲はなかったが作りおきの野菜炒めを茶碗1杯分程度食べてみる。
数分後から腹部に鈍痛、加えて軽い頭痛も始まった。固形物はまだ早すぎたようだ。胃腸薬を飲んで休む事にする。

■まとめ

今回紹介した副反応は飽くまで持病持ちのレアケースであることを改めて断っておきたい。
一方で軽度の副反応はそれなりに高確率で出るらしいので、解熱剤を買うとか翌日のスケジュールを空けておく等の準備はしたほうがいいだろう。

今回あって助かった物。
・ポカリなどの経口補水液(+人によっては蛇腹ストロー)。
・解熱剤。
・ゼリーやフリーズドライおかゆなど、食べやすい食品。
・体温計
(+あるなら血圧計)。

私が体験した副反応は決して命に関わるようなものや後遺症が残るような物ではなかったが、それでもそれなりにつらかった。
外側を病原体に似せただけの擬似ウイルスでこれだけつらいのなら、本物の新型コロナに感染・発症したならどれほどつらいのだろうかと思うと肝が冷える。それに比べればこのつらさも安い物なのだろう。

現在の日本のワクチン接種率は45.3%(8/31現在)らしい。集団免疫に必要なのがだいたい70%ほどで、日本政府は80%を目標としてワクチン接種を推進していくとのことだ。
接種予約が取るのが大変だったり、副反応がちょっとつらかったりという問題はあるのだが、自身と家族や友人を守るため、平和な日常を取り戻す為に一人でも多くの人にワクチン接種に協力して頂きたいと切に願う。

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