見出し画像

【第4回】週刊・ユベントスユース考察

UEFAユースリーグのグループ決定!

チャンピオンズリーグのグループ分け

先日、チャンピオンズリーグのグループ分けが行われました。

グループAから決めていく昨年とは異なり、今年はポット1→ポット2…と決めていく慣れない方式に。

ユベントスはPSG、ベンフィカ、マッカビハリファと同組。
U19版チャンピオンズリーグことUEFAユースリーグもチャンピオンズリーグのグループに倣うため、自動的に上の組み合わせに決定。

ユベントスU19は昨年王者ベンフィカU19、ベスト8のパリU19と同組に。
これ、圧倒的に「死の組」です。

スーレとミレッティが卒業し、監督もモンテーロ1年目であるユベントスU19にとって、グループステージからとても高い壁となりますが、何としてでもグループステージ突破して欲しい!!

注目は、なんと言ってもベンフィカU19戦。
昨年準決勝のリベンジを果たせるか。

さて、ここではせっかくですし、少し深掘りもしてみます。
それがしたいからこのシリーズを書いていますし。

ズバリ、今年のUEFAユースリーグの助っ人枠についてです。

昨季は、主にチェルシーU19といった強豪相手に対して、U23登録だったスーレとミレッティがグループステージからユベントスU19に合流し、ベンフィカU19戦には同じくU23登録のデ・ヴィンテルも出場させました。

では、今季は誰が助っ人枠となるのでしょうか。
今季のU19からNext Genに昇格登録されたのは、

センコ(GK)
エンゾアンゴ(CB)
ムハレモビッチ(CB)
フィウマーノ(CB)
トゥリッキア(LB)
ムラッツィ(RB)
サヴォーナ(RB)
ボネッティ(CMF)
イリング(LW)
チェッリ(CF)

上の10名。

さて、助っ人枠ですが、希望を言えば現状のユベントスU19のウィークポイントであるRBを埋めたいのでムラッツィです。
ただムラッツィは今季Next Genでバルビエーリとともに主力争いをする大事な選手。

まぁスーレとミレッティも昨季U23の中心選手でしたから、Next Genで主力候補だからと言ってU19に来ないとは限りません。

あとはトゥリッキアやイリングも見たいですね。


ユベントスU23→ユベントスNext Genに名称変更!

まさに青天の霹靂。
セリエCを戦うユベントスU23が、突然、「ユベントスNext Gen」に名称を変更しました。

これ、「ただ名前変わっただけか」と思った方もいるかもしれませんが、個人的には大きな変革だと思います。

年齢制限が撤廃されたということではない

ユベントスU23からユベントスNetx Genに名称が変更されたということは、「Under 23」では無くなった、23歳以下という制限が撤廃されたと思うかもしれません。

しかし、あくまでもBチームという立ち位置であるので、基本的には年齢制限はこれまで同様の仕組みだと思われます。

では、なぜわざわざ名称を変更したのでしょうか。
私は、今回名称変更した理由は主に3つあると考えています。
以下、自分の考察です。

① OA枠やローン選手によって分かりにくかった年齢制限

旧ユベントスU23は、基本的には23歳以下の年齢制限がありましたが、数名のOA(オーバーエイジ)枠が許されていました。

かつてはFWマルキやGKノッキといった選手が、昨季はCFブリゲンティ、LMイオコラーノ、CBポーリの3名のOA選手が在籍していました。
(今季OA枠はブリゲンティを抜いた2名の予定です)

「なんでU23なのに30歳以上の選手がいるの?」

これが、あまり知らない人にとって旧ユベントスU23の「23歳以下」というルールを分かりにくいものにさせていたと考えられます。

そして、もう一つが、ローン選手への年齢制限です。
これはまだ私もよく分かっていないのですが、どうやら旧ユベントスU23では、ローン移籍で放出する選手については「Under 23」の年齢制限がかからないor緩和されているようです。

実際、昨季では、

カスタノス(To サレルニターナ)
デル・ソーレ(アンコナ)
コッコロ(アレッサンドリア)
クレメンツァ(ペスカーラ)
デル・ファヴェーロ(コセンツァ)
ブルノーリ(パレルモ)

と、U23の年齢制限を超過した23歳〜26歳のの選手をローン移籍で一時的に放出しており、ここもU23の年齢制限が分かりにくくなる要因となっていました。

下部組織をあまり見ない人が「U23ってことは23歳以下でしょ?」と思うのは当然のことでしょう。
こうやってローン移籍に23歳以上の選手が多く、OA枠で30代の選手も数名いる現状では、「ユベントスU23」と名乗るより、もう少しわかりやすい名前にする必要があったのかもしれません。

② 「名は体を表す」育成理念を掲げる名前に

ユベントスU23改め、ユベントスNext Gen。
Next Genとは、「Next Generations」の略称で、「次世代」という意味になります。

ユベントスU23は、ただ「ユベントスの23歳以下のチーム(Bチーム)」という意味しかありませんでした。

一方、ユベントスNext Genは、「未来の世代の選手たちを育成する」という育成理念を強く表に出しています。

詳細は、↑のページをご覧ください。
ここでは、「野心、継続的改善、選手の育成といった明確なコンセプトに基づき、クラブの哲学に沿った才能を輩出することを主な目的としています。しかし、Next Genとは、夢を生きること、言い換えれば、未来の世代の選手たちを形成することも意味しています。」
とあるように、よりトップチームへの将来的な還元を意識した育成理念に移り変わっていくことが示唆されています。

これは、まさにミレッティが今季トップチームの主力としてついにワールドクラスプレーヤーへの第一歩を踏み出したことが大きく関係しているのでしょう。

ユベントスは、「トップチームに貢献できる未来の選手」を育てることを大きな目的の一つとし、積極的に選手育成に投資していくことを今回の名称変更によって世界に発信したかったのではないのでしょうか。

③ 他クラブへの牽制

これは多少穿った見方になるかもしれませんが、今回の名称変更は、多かれ少なかれ、セリエAの他クラブへの牽制もあったと思っています。

現状、セリエAやセリエBに所属するクラブで、Bチームを持っているのはユベントスのみです。

ところで、今回ミレッティと共にトップチーム入りを果たしたスーレは、この旧ユベントスU23があることの恩恵を受けた選手の1人です。
つまり、スーレは昨季ローン移籍せずにU19からユベントスU23に籍を移したことで、2023年1月に「クラブ育成枠」を取得することができます。

これがユベントスがU19より上のBチームを持つことの大きなメリットの一つです。

すなわち、ユベントスがもしBチームを持っていなかったら、昨季開始時、U19からカテゴリーをあげたいスーレはその時点でトップチームに帯同するレベルになければローン移籍するしか上のカテゴリーで出場経験を積むことはできず、クラブ育成枠を取得できなくなります。

しかし、ユベントスはBチームを持っていたため、スーレを単純に旧ユベントスU23に昇格させるだけでユベントスの支配下に置きながらカテゴリーを上げることができ、「クラブ育成枠」取得も狙えるわけです。

この他にもBチームを持つメリットは沢山ありますが、こうなってくるとユベントス以外のイタリアの主要クラブもBチーム創設を検討するでしょう。

今回の名称変更は、ここに牽制する狙いがあったと見ています。

例えば、イタリアで選手育成に熱心なインテル、ローマ、アタランタ、フィオレンティーナ、ウディネーゼなどが新たにU23を創設した場合、育成大国ポルトガルのように新たにU23リーグが創設され、ユベントスU23もそこに参加せざるを得なくなる可能性があります。

せっかくセリエCのカテゴリーにいるうま味があったのに、他クラブの参入でそれを享受することができなくなるのです。

今回の名称変更は、「君たちもU23持ちたくなってきたかもしれないけど、ユベントスはもうU23から次の段階の育成チームにしたよ」
U23リーグなんて作らせない、ユベントスのBチームはセリエCで戦うよ。

という意味があるのでないのでしょうか。

今回の名称変更は、ユベントスの選手育成へのより積極的な投資意識の表れだと感じられるので、これからがとても楽しみな発表となりました。

ユベントスNext Gen、ベサッジョを獲得!

ユベントスNext Genは、ジェノアから昨季ジェノアU19で10番を背負いユベントスU19戦でゴラッソを決めた攻撃的MFのベサッジョを買取OP付きローン移籍で獲得しました。

昨季ローン移籍で獲得したパルンボは結局買い取りませんでしたが(ミレッティやファジョーリ、ラノッキアで中盤は飽和状態なため)、ベサッジョはどうなるか、楽しみですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?