AIの二つの意味

AI活用系のプロジェクトを進める中でモヤッとしていたことがあったのですが、それが既に概念化されていて自身の中で腹落ちしたので備忘録として整理いたします。


世にいう「AI人材」について二つの捉え方があるというお話です。


現在世に出回っている「AI」という用語は二つの概念を保持しています。

一つが"Artificial Intelligence" こちらは一般的に知れ渡っている概念で「人工知能」と訳されます。良く「AIによって人間の仕事が奪われる」という際に使われるAIはこちらの意味で使われます。


もう一つが"Augmented Intelligence" 「人間拡張」という概念です。 つまり、「人間とIT(情報技術)やロボットを組み合わせて、人が本来持つ能力を飛躍的に高める」という意味が込められています。
https://note.mu/atsushi_tt/n/n4db9cccd03aehttps://note.mu/atsushi_tt/n/n4db9cccd03ae


AIプロジェクトにおいては、機械学習/Deep Learningのプログラムをコーディングする人が必要とされますが、それと同様に重要なのが
「クライアントとコミュニケーションを図り要望をAIアプローチに落とし込む」
「AIアプローチで出たアウトプットを解釈/説明する」
「AIがやること/人がやることを業務設計する」
「それらを実業務にて推進する」
これらを実現できる人材です。

これらが出来て初めて「AIを活用した意思決定の効率化」が実現し、ビジネスが昇華されます。
こういった人材の必要性が軽視されるとAIプロジェクトはPoC、おもちゃレベルで終了します。

私はこういったことに専門性を持つ人も「AI人材(Augmented Intelligence人材)」と呼ばれるのではと思っております。
この二つのAI人材がそろって初めて「AIを活用したビジネス拡大」が実現できるのです。
Augmented Intelligenceは2021年までに世界で213兆円のビジネス価値を生み出し、また2030年までにいわゆるAIによって世界のGDPは約14%拡大するという調査結果も出ています。

世界教養となるともいわれているAIに対して、上記二つの概念のどちらの知識を深めていくのかを考えてみることで今後の時代に乗り遅れないキャリア形成が出来ると考えます。

参考:
AIオーグメンテーション"で2021年に2.9兆ドルのビジネス価値が生まれる
https://japan.zdnet.com/article/35141422/?tag=zdnw&utm_source=zdnet&utm_medium=newsletter&utm_campaign=newsletter
日本企業におけるAI活用の可能性 -成功のカギはどこにあるのか
 https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/2018/assets/pdf/tmt1801.pdf