目を閉じれば感じることが出来るはずだ。

8月9日 曇りのち晴れ

帰りの飛行機。
なぜ高江に行ったのか?ということをずっと考えていた。
たくさんの人がヘリパッド建設に対する反対を表明しているが、その理由の一例を挙げると、

・住民の意思、選挙の結果を無視している
・日本に存在する米軍基地の7割以上が沖縄に集中しており、その負担を沖縄に差別的に押し付けている
・日本国民を防衛するためでなく、米軍が自国で出来ない訓練をするための施設である
・ヤンバルの美しい自然を破壊する
・オスプレイは欠陥を抱えた機体であり、危険な発着陸訓練を繰り返すことになる
・生活出来ないほどの騒音が発生する

他にも日米地位協定の話とか色々あるが、いずれも大問題であることは確かだ。
しかし、僕が反対する理由はそのいずれとも少し異なる。

仮に、すべての住民が基地建設に賛成していても。
仮に、それが高江でなく、県外や、国外であっても。
仮に、ヘリパッドを使うのが米軍でなく、日本の自衛隊であっても。
仮に、自然に与える影響がほとんど無く、オスプレイの危険や、騒音が解消されたとしても。
僕はやはり、ヘリパッド建設には反対だ。

僕が反対する理由はただひとつ、
それが「戦争の為の施設だから」だ。

戦争反対。暴力反対。
アメリカだろうと、日本だろうと、それ以外の国だろうと。
すべての基地、すべての軍隊、すべての兵器に反対。
非現実的だ、夢物語だ、お花畑だ、って言葉は聞き飽きた。その通りだ、文句あるか。

もちろん自衛隊にも反対。攻め込まれたらどうする?って。バカ言ってんじゃねぇ。攻め込んでるのは日本じゃねぇか。加害者のくせに被害者ぶるんじゃねぇ。

この国は戦力を保持してきたし、核だって持ってた。アメリカやEUやNATOや有志連合や国連に乗っかって、ずっと外国で戦争をしてきた。
外国だけじゃない。琉球もアイヌも、ずっと侵略され、蹂躙され続けている。平和憲法が守られていたことなんて、ただの、一度も、ない。そんな国が、自衛を言い訳にして戦力を持つ資格など無い。

それから。
申し訳ないけど、僕は沖縄や高江に住んでる人たちの為に行ったのではない。他ならぬ自分自身の為に行ったのだ。先にも言ったように、僕はいま高江で起きていることを「沖縄の問題」だと考えたことは一度もない。これは本土の問題であり、本土に住む自分自身の問題だ。

だって、分かるでしょ?痛いんだ。

僕はただ痛みを感じ、それに抗議しに行っただけだ。いま、高江N1裏テントには、その痛みを感じた人がたくさん集まっている。県内からも、県外からも。ネトウヨどもは、県外から来てるのはプロ市民だとか、部外者だとか言ってるが、痛みに鈍感な人間の言うことなんか気にする必要はない。

目を閉じれば感じることが出来るはずだ。ヤンバルの森を。雨の匂いを。川の冷たさを。泥の感触を。カエルや鈴虫の声を。海風の音を。雲の合間に見える星空を。そこに暮らす人々の息遣いを。三線の音色を。島唄のリズムを。そこに6台の巨大なダンプカーがやってくる。

部外者なんてただのひとりも存在しない。いま蹂躙されているのは貴方自身なんだってことを自覚して欲しい。自覚したなら、その痛みを感じて欲しい。痛みを感じたなら、声を上げて欲しい。

柄にもなく連投したのは、このバトンを他ならぬあなたに受け取って欲しいと思ったからだ。あなただよ、いまこれを読んでるあなただ。あなた自身のために立ち上がって欲しい。あなたの抗議はぜったいに無駄にはならない。

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