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三映電子工業 平原工場 後編

長野県東部に位置する城下町、小諸市にある三映電子工業。
自動車、スマートフォン、腕時計などの電子部品に使われる巻線、極細電線を得意とする電線製造会社です。日本国内企業ばかりでなく、外国企業からの信頼も高く、その製品は海外にも輸出されています。
前編に続いて、平原工場で、巻線の設計・製造に携わる皆さんにお話を伺ってきました!


物づくり人づくり

三映電子工業は、極細電線専門の製造会社として、2023年11月、創業65年を迎えました。「物づくりを大切にし、物づくりの心をもつこと」を大切にしています。

巻線の開発・製造の主力工場である平原工場は1997年に稼働、敷地面積は29,800平方メートルもの広さがあり、周辺は緑にあふれ、秋は紅葉が楽しめるそう。
平原工場の他には本社/和田工場、お隣の佐久市には、電子機器事業部とシステム開発部、東京に営業部が、そして、タイにも製造工場があります。
創立記念日はなんと電線の日!(1958年11月18日)

晴れた日の浅間山 撮影:三映電子工業 志摩管理部長

浅間山を望む社員食堂で、社員の方に「電線の日ってご存知ですか?」と聞いてみたところ「そうだったんですか」とのお答えが。
電線アンバサダーとして、もっとがんばります。

SDGsへの取り組み

平原工場の屋根には、太陽光パネルが全面に敷き詰められています。
2023年3月から太陽光発電設備が導入され、工場の消費電力の約5%が賄えるそうです。
ここ長野県小諸市周辺は、雨が少なく、全国屈指の晴天率を誇ります。冬でも降雪量は少なく、太陽光発電には好条件なのだそう。
万一の災害時や日常で電気代が抑えられるのは助かりますね。

平原工場太陽光パネル 写真提供:三映電子工業

(気象庁の気象データ参照)
https://www.data.jma.go.jp/stats/data/mdrr/tenkou/alltable/sun00.html#a48

消防団協力事業所

なんと、三映電子工業は、小諸市で総務省消防庁から認定を受けた(2021年)初めての消防団協力事業所でもあります。
消防団協力事業所とは、法人として消防団活動に協力する事業所が認定を受けられる制度で、全国に775の認定事業所があり、長野県には27の認定事業所があります。(2023年4月1日現在)
三映電子工業の長野県にある3つの事業所で17名もの消防団員が所属しており、消防団活動は公休扱いにする、急な出動にはすぐ人を手当するなど、会社がその地域貢献活動を全面的にバックアップしています。

消防団員さん、集合!

左から、竹花さん、神津さん、橋詰さん、小原さん、金井さん
敬礼時は、手袋を着用せねばならないとのことで、橋詰さん、白手袋を着けてくださいました

消防団員の橋詰さん、金井さん、神津さん、小原さん、竹花さんに集まっていただきました。お住まいにより所属隊が異なり、制服のデザインにも違いがあります。

まずは、2024年に、小諸市の消防団長に就任される橋詰事業部長にお話を伺いました。

はっぴは、小諸市消防団では部長以上が身にまとえるものだそうです

「現役世代の会社員が消防団長に就任するのは全国的に珍しいそうですが、お役に立てるよう気を引き締めます。消防団の役割は、災害時対応や行方不明者の捜索です。ふだんは、年に一度開催されるポンプ操法大会に向けた訓練を定期的に行っています。」

消防団員さんにインタビュー

それぞれ隊員の方にもお話を伺いました。
まず、入団のきっかけはなんですか?
神津さん「周辺に隊員が多かったので、自宅を持った時に入団しました。
入団後は、業種を超えた付き合いが楽しく、いろいろ相談できる人もできました。入って良かったです。」
地域とのつながりにもなっているんですね。

消防団として、どんな活動をされているのでしょう。
神津さん「朝方、出社準備をしていたところ、行方不明者捜索の連絡を受けて出動しました。行方不明者の家のそばの路上で靴がそろえて脱いであるのを発見しました。心に早鐘が打つ中、電話で状況確認中、行方不明者無事発見の一報を受け、ホッとしました。」

小原さん「近所のお年寄りに消防団員だということで、気軽に声をかけてもらえることが、単純にうれしいですね。あまり降雪はありませんが、雪かきを手伝ってなどとお声がかかります。仕事に向かう朝に、力仕事はキツイけど、じゃあ、がんばっちゃおうか、と思えるんです。」

竹花さん「所属する分団は、ポンプ操法大会の成績が上位であることもあって、訓練が厳しいです。ただ、消防団は誰かが担わなければならないし、消防団員同志で助けあうことができます。実際の災害時に役立てるのでやりがいがあります。」
 
消防団入団で良かったことは?
金井さん「たいへんなこともありますが、いろいろな世代、職業の人と付き合えることが良い点です。」
小原さん
「この会社を紹介してもらって入社したことです。」

日本は災害が多い国です。万一の時には、人と人とのつながり、支えあいが欠かせません。
三映電子工業は、その高度な技術力から生み出される電線だけではなく、そこで働く人自身も地域社会を支え、人と人をつなぐ重要な役割を果たしているのです。

お話を聞かせてくださった皆さま、取材ご準備をくださった皆さま、
この度も誠にありがとうございました!


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