前回までに引き続き「電書バトご利用者満足度アンケート」の結果を発表します。
全4回発表の3回目となります。
1~2回目は下記で公表しております。

2023年9月~10月、電書バトではご利用中の作家の皆さまを対象に「電書バトご利用者満足度アンケート」を実施しました。
質問は下記となります。

Q1：電書バトをどちらでお知りになりましたか？

Q2：現在のロイヤリティ料率に満足していますか？

Q3：セール・キャンペーンの企画、実施状況に満足していますか？

Q4：サービスを改善してほしい点がございましたら具体的にご記入ください。（例：事務対応が遅い。支払い明細が分かりにくい。など）

Q5：新たに加えてほしいサービスがございましたら具体的にご記入ください。（例：新規漫画家・作品を紹介すると特典を受けられるサービスが欲しい。など）

Q6：その他、ご意見ご質問がございましたら自由にご記入ください。

本記事では、自由記述形式Q4~Q6の回答の続きを公表します。
いただいたご意見の中には、内容を同じくするものもありましたので、ご意見を下記類型に分類し、主な意見として集約した上で、電書バトとしての考え方を併せて提示いたします。

1. 入稿、納品 11件

2. 契約、配信条件 18件

3. 経理、販売管理 32件

4. 販促 47件

5. 事務 14件

6. サービス全般 32件

7. その他 34件

本稿では分類4~5「販促」「事務」についてご紹介します。

04.販促（ 47件）

・セール・キャンペーン時の価格設定が極端に安い時がありました。
そこまで下げない価格設定にしていただければありがたいです。

・極端に安くなるセールなど参加したくないセールはその都度ではなく、最初に参加不参加の設定をしたらその後のセールも不参加継続というようなルールがあったら嬉しいです。

・セールが多すぎます。安売りが通常運転のような印象を受けました。

・セールがあまり多くはないので年間のセール数を増やしてほしいです。

・ジャンル別、1巻無料、50%オフなどのキャンペーンなどを増やして欲しい。

・新刊が出た時に併せてセールがあるとありがたいです。

・『半額セール』や『●巻まで無料セール』、漫画のジャンルごとに分けた特集型セールなど飽きさせない工夫をしつつ1〜2ヶ月に1回あると良いです。

・電書バトのXアカウントで作品のポストしたときにまめにRTしていただけるとありがたいです

・作品の広報を援助してくれるようなサービスが欲しいです。

・作品広告サービスを考えて欲しい。例えばSNS広告を代行するサービスとか、声優さんや動画編集まで込みで一話分をまるまる動画化(漫画の絵を使った紙芝居のような)するYouTube動画広告作成サービスとか。

・費用がかかるかもしれませんが、広告宣伝が多いと嬉しいかもしれません。

・有料でも構わないのでバナー広告を出せる特典があると嬉しいです。

【電書バトの考え方】
「販促」に多くのご意見をいただきました。
セール、キャンペーンに対するご意見は、ご利用者によって様々でした。
一つの事象に対して正反対のご意見も多く、それぞれ慎重に耳を傾けることが重要であると認識いたしました。

現在、セール、キャンペーンにつきましては年間計画を立てて実施しております。
2024年分はすでに策定済みです。
大幅値引きセール、半額セール、新刊セール、ジャンル別セール、作家別セールなど各作品の取扱いに差が出ないように計画しております。
その上で書店側からご提案をいただいたセール、キャンペーンにも積極的に対応しております。
毎月、常時2~3の施策が実施されている状況を作れるよう心がけております。
また、セール実施後に効果を検証し、次回に役立てています。

上記を踏まえまして、順に回答させていただきます。

・セール・キャンペーン時の価格設定が極端に安い時がありました。
そこまで下げない価格設定にしていただければありがたいです。

・極端に安くなるセールなど参加したくないセールはその都度ではなく、最初に参加不参加の設定をしたらその後のセールも不参加継続というようなルールがあったら嬉しいです。

・セールが多すぎます。安売りが通常運転のような印象を受けました。

いわゆるディープディスカウントセール（= 大幅値引きセール）と呼ばれる施策に対するご意見を多くいただきました。
ネガティヴなご意見としては「キャンペーン価格が安すぎる」「参加したくない」といった内容がございました。
また、キャンペーンの頻度が多すぎるとのご意見も複数ございました。

弊社としましては、セール、キャンペーンは売り上げを大きく左右する重要な要素であるという認識です。
日々膨張を続ける電子書籍群の中で、作品をいかに目立たせるか、埋没させないかということは非常に大きな課題です。
その一つの方法として、セールは非常に効果がございます。

一方でそれぞれの作品は作家さまが苦心して描き上げられたものであり、唯一無二の存在です。
安易な安売りは作品の価値を下げることになりかねません。
そのため、セール（特にディープディスカウントセール）には参加したくないという作家さまのお気持ちも十分理解しております。
弊社はそれぞれの作家さまのスタンスを尊重します。

これまでキャンペーンへの参加の可否は都度メールでお伺いしておりました。
しかし、細かな連絡が増えることや、ご意見を文章化しなければいけない点は、作家さまのご負担になると考えました。
より自由にご判断いただけるよう、本年よりキャンペーンの年間実施計画を事前に通知し、アンケート形式でご判断いただけるよう回答フォームをご用意しました。
すでに皆さまにご連絡をさせていただいたところとなります。

・セールがあまり多くはないので年間のセール数を増やしてほしいです。

・ジャンル別、1巻無料、50%オフなどのキャンペーンなどを増やして欲しい。

・新刊が出た時に併せてセールがあるとありがたいです。

・『半額セール』や『●巻まで無料セール』、漫画のジャンルごとに分けた特集型セールなど飽きさせない工夫をしつつ1〜2ヶ月に1回あると良いです。

前出のご意見とは逆となりますが、セール、キャンペーンの数が少なすぎるというご意見も多くございました。
弊社としましては、現在の頻度はある程度適正であると考えています。
これ以上増やすことは、作品の価値を損なう可能性もございます。

ただ、「セールが少ない」と感じていらっしゃる作家さまがいらっしゃることを考えますと、セール内容や対象作品に偏りがあるなど見直すべき点があると受け止めました。
弊社お取り扱い作品の傾向としましては、商業旧作や同人、自主制作系、アダルト系が多く、メジャー誌で連載中の「商業新作」はあまりございません。
商業旧作の場合、巻数の多いものほどセールが好調な傾向がございます。
BL作品などコアなファンが多いジャンルは、単巻や分冊版も好調です。
一方、その他の一般作においては巻数が少ない作品はセールの効果が小さい傾向です。

こうした巻数の少ない作品について、内容を見直したり、セール数を増やす工夫を行います。
同時に新たな読者へアピールできる施策を考えてまいります。

また、セール実施数への感想が作家さまによってマチマチであることを考えると、弊社が企画をご提案するだけでは不十分なのかもしれません。
作家さま側からセールをご提案いただく仕組みをご用意するようにします。

・電書バトのXアカウントで作品のポストしたときにまめにRTしていただけるとありがたいです

こちらは可能な限りRTするようにしております。
電書バトアカウントをフォローしていただいたり、ポストにハッシュタグを付けていただくなど、こちらが認識できるようにしていただけるとありがたいです。
もしくは、DMなどご連絡をいただけますとより確実です。

ただ、「電書バト」というのは取次サービス名であり、出版社名などではないため、取次という立場で一般ユーザーに向けて作品の告知を行った場合、あまり効果的ではないような気もいたします。
一般ユーザーは「電書バト」というサービス名に関心を持っていない可能性が高いからです。
よりブランド価値を高め、一般ユーザーに「電書バト」という名前を認知していただく工夫が必要であると認識しています。

・作品の広報を援助してくれるようなサービスが欲しいです。

・作品広告サービスを考えて欲しい。例えばSNS広告を代行するサービスとか、声優さんや動画編集まで込みで一話分をまるまる動画化(漫画の絵を使った紙芝居のような)するYouTube動画広告作成サービスとか。

・費用がかかるかもしれませんが、広告宣伝が多いと嬉しいかもしれません。

・有料でも構わないのでバナー広告を出せる特典があると嬉しいです。

お取次作品の積極的な広報、広告出稿を求めるご意見をいくつかいただきました。
電書バトサービスの定義としましては、「電子書籍お取次サービス」となります。
一定の手数料をいただいて作品を各電子書籍にお取次することが業務となるため、広報、広告に関しては業務外となる部分も多く、予算がないのが現状です。
そうした中でSNSでの告知やキャンペーンの企画など、できる範囲の広報、販促活動を行っております。

広告の出稿などを行う場合、大きな予算が必要となります。
すなわちご利用手数料のアップが必須となります。
果たして、それが作家さまの望むことであるのか慎重に検討したいところです。

一方で同業他社を見ますと、ほとんどのサービスは電書バトより多めの手数料をが設定されています。
つまり、手数料収入によって原資が潤沢にある状態ですので、広報や営業活動費用も捻出しやすい状況であると感じます。
他社の勧誘活動によって、電書バトご利用中の作家さまが鞍替えをされるケースも出ています。
それによって作家さまの利益が増えていれば喜ばしいのですが、表に出ているデータを読み解く限り、そのようなことはないようです。

サービス拡大を目指すことが正義であるか、作家さまに利益を還元することが正義であるか、表裏一体な側面もありいつも悩むところです。
基本的にはお取次手数料を上げることはせず、できる範囲で販促活動を広げる方針です。

05.事務 6件

・事務対応が遅いというか意思が通じづらい。そちらから提案されたことでも非定型業務がとても弱い

・電話対応などもしてほしい。

・事務対応はとても良いと思います。
わからないことに丁寧に回答下さったり、 配信までの丁寧なチェック、作品への感想を下さることで非常に助かっております。
インボイス対応も非常に親切だと思いました。ただし、あまり電書バトさんばかりに負担がかかるやり方は心配になります。

【電書バトの考え方】
事務対応について6件のご意見をいただきました。
肯定的、否定的、両方のご意見がありました。
ただ、ご意見の数としてはあまり多くなく、他の分野と比較すると関心は低いように見受けられました。

上記を踏まえまして、順に回答させていただきます。

・事務対応が遅いというか意思が通じづらい。そちらから提案されたことでも非定型業務がとても弱い

電書バトではお問い合わせから遅くとも1週間以内に対応するように心がけております。
多くの場合は2~3日中に対応しております。
その点で遅れはないものと考えております。

対応に時間がかかるケースとしましては、例えば、データやデザインの作成でお待たせすることがあります。
作品のカバーデザインを弊社が行う場合、デザイン案のご提案まで少なくとも1ヶ月程度必要です。
これはデザインのヒアリングや依頼書の作成、見積もり、デザイナーのスケジュール調整、実作業などに必要な時間です。
作家さまとしては「1ヶ月あれば数十ページの漫画を1本描けるのに、なぜ1枚のデザインに1ヶ月もかかるのだ？」と思われることもあるようです。

紙書籍から電子書籍データを弊社が作成する場合、やはり数ヶ月単位で時間がかかります。
紙書籍を裁断してスキャンしたら完成というものではなく、傾き調整、色調補正、ノイズ除去、テキスト調整、デザイン合成など複雑な作業が必要です。
一連の作業の後、作家さまにご確認、修正のご指示をいただきます。
その後、修正、納品と進みますので、5巻ある作品であれば、1ヶ月程度は必要です。
お待たせして申し訳ありませんが、ご理解いただけるとありがたいです。

また、業務外のご要望をいただいた場合、対応可能か社内で検討する時間が必要となります。
ご要望にお応えすることになった場合は、関係各所との調整にお時間をいただきます。

意思が通じづらいとのご指摘は、大変申し訳ございません。
各担当者によって理解度に多少の差はあるかと思います。
社内で情報を共有し齟齬がないよう適切な対応を心がけてまいります。

・電話対応などもしてほしい。

大変申し訳ございませんが、電話対応はいたしかねます。
限られた人員で運営を行っているため、電話や対面でのお打ち合わせに対応する十分な時間がございません。
また、メールなど明確に文章で記録を残すことにより、齟齬が生まれないように努めております。
ご理解いただけますと幸いです。

・事務対応はとても良いと思います。
わからないことに丁寧に回答下さったり、 配信までの丁寧なチェック、作品への感想を下さることで非常に助かっております。
インボイス対応も非常に親切だと思いました。ただし、あまり電書バトさんばかりに負担がかかるやり方は心配になります。

肯定的な感想をいただき恐縮です。
とても励みになります。

「作家は何もせず、すべて出版社に任せておけば良い」というのが、従来の作家と出版社、ひいては取次との関係でした。
電書バトは「作家さまが主体となり電子書籍配信を行うお手伝いをする」という立場です。
そのため、逐一作家さまに確認や判断を求めます。
作家さまにとっては、それが煩わしく感じることもあるかと思います。

弊社としても、作家さまの判断を求めずに配信を進めてしまうほうが負担は軽いと言えます。
しかし、「すべて出版社に任せておけば良い」としてきた過去に、さまざまな問題があったと感じています。
作家さまの自己決定権を尊重するためには、必要な負担と捉えています。
双方に負担がかかる方法ではありますが、ご対応いただけると助かります。

以上、ご質問とその回答となります。
本記事はここまでとさせていただき、次回、分類6~7「サービス全般」「その他」のご意見と回答をご紹介をいたします。

『電書バト』は作家ファーストのサービスを目指しております。
電子書籍お取次のご希望やご不明点・お悩み等ございましたら、以下公式ホームページのお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

これからも「電書バト」をよろしくお願いいたします。