地獄のカテーテル手術
すいません、禍々しいタイトルで(笑)
いやーもうホントにしんどかった
その内容が怖すぎて
書き留めておこうと思ったので書きました
術中の私の恐怖を体感したい
という方はこのままご覧ください
書き始めた今現在の時間は19時40分…手術が終わってから1時間半くらいたった所です。施術を受けながら、そのあまりの恐怖に、このことは必ず書き留めておこう…忘れないように、すぐに書き留めよう…
と誓っていました…にも関わらず、すぐ書き始められなかったのは、それほどまでに
恐怖の出来事が私の精神をすり減らしてしまっていた
からなのです。
前置きとして、これから、書く全てのことについて、嘘偽りなく書きますが、術中の私は薬により意識がもうろうとした状態でした。その時の記憶をたどったものですので、必ずしもそれが完全なる真実であるかどうかということに正直自信が持てない、ということだけ言わせてもらおうと思います
ただ、私の感じた実際の恐怖を伝えるという点では、十分だと思いますので、書かせてもらおうと思います。
それでは時間を追って話していきましょう
手術は14時からで、その一時間前に最初の試練がやってきました
尿道バルーンカテーテルです
尿管に管を繋ぐやつですね。入院してから二回目になるのですが、前回の時にあまりの痛さに悶絶して仕舞いました(笑)
その時もカテーテル手術で、その時の手術時間は1時間30分ほど
この尿道バルーンカテーテル以外は特に大した苦しみもなく、今回もこの尿道バルーンカテーテルが最大の試練であると考えていました。
しかしこの尿道バルーンカテーテルはタイミングや、看護師さんの上手さ等で、、痛みが相当に左右されるらしく、今回はスムーズに装着することが出来ました
ここを乗り越えてたならもう大丈夫
私は
今日はついている、ラッキーな日だ
と安心しました。
しかし、その安心はその後の手術中のある事件によって、まさに地獄へと変わっていくのでした…
手術の内容は腫瘍摘出の準備手術で、太股の動脈から挿入したカテーテルを頭の動脈まで持っていき、腫瘍に栄養を送っている血管を詰まらせることでした。
こうすることで、手術時の出血を抑えることが出来ます。
この手術には、主に二つの作業があり、接着剤の様なもので、詰める作業と、その確認の為のCT撮影を見えやすくする様に
造影剤
というものをその都度噴射する作業が並行して行われていきました。
その作業中、いきなり先生がこんなことを口にしたのです
「ん?…おかしいぞ?、造影剤入ってるよな?全然映らない」
ここからは
手術責任者をA
助手をB
主治医をC
とします(今回のカテーテル手術の責任者は本番の手術では第一助手を務める先生です)
A「今造影剤を入れてるんだが…ほら、全く映らない、どうなってんだ?」
A「すいませーん!どうなってるんですかね?」
Aは裏で見守っているCやレントゲン技師へ尋ねます。しかし、困惑しているようで明確な答えが返って来ません
A「造影剤ちゃんと混ぜたよな?」
B「はい」
A「分離するっていうことはあり得るのか?」
B「…いや…あり得ないと思います」
A「だよな?、しかし…」
造影剤を噴射します
A「やっぱり映らない、もしかして…」
「これ間違えてないよな?」
この言葉で私の恐怖は一気に加速しました
造影剤を噴射するときは、それはもう気持ち悪い感じで、頭の中でパキとかクチャクチャとかの不快な音が弾け、それと同時になんとも言えない痛みが走ります。例えるなら梅干しを口にいれたときのあのキューっとした感じです。なので前回も嫌だったのですが、前回は順調に進んでいたことと、時間自体も短かったので、そこまで嫌な印象は残っていなかったのです。
しかし、手術前半で恐怖を感じ始めた私には、それが全く別次元の苦しみへと変貌をとげました。
間違ったものが脳ミソに注入されているのかも知れない…その不快感はそれはもうものすごいものでした。
Aは確認するように何度も何度も注入しました
A「ほら、やっぱり映らない、これ…」
「漏れてたら大変なことだぞ?」
AはまたCやレントゲン技師に尋ねます
「これ、画面の設定がおかしいんじゃないですか?白くしすぎてるとか」
C「そんなことはないぞ」
A「だってほら、逆流もしていないし…でも全く映りませんよ?」
A「まあ造影剤は逆流しても大丈夫だが…しかし、視神経の方にいくのはまずいな…」
そんなことを言いながら、幾度となく、噴射が繰り返されました
A「もう別の造影剤持ってきて」
別の造影剤を使うこととなりました。すると
A「映った…これでいこう、しかし、さっきのはなんだったんだ?」
B「わかりません」
A「とりあえず確認の為に画像に残しておこう」
そういって、二種類の造影剤を比較した画像を撮り、作業を再開しました。Aは私の不安な様子に気が付いたのかこう言いました
「大丈夫ですよ、手術は順調に進んでいます」
その励ましに、私が救われる事はありませんでした。恐怖を感じながらの痛みの連続はそれはもう地獄の苦しみでした…そんな状態で四時間…永遠と続くかの様な苦しみのなかで私の精神はボロボロとなりました
もう二度とあのような体験はしたくありません…
そして造影剤の謎は未だに明らかとされていません…
今もまだ、あの謎の造影剤の不安に怯えています
おわり
最後まで見てくれてありがうございました