05 上達する方法は「模倣し盗む」、そして「作る」こと


デザインのスキルが最も付くのは「作る」時


ここからは知識ではなく、実際にスキルを上げる「行動」について書いていきます。
まず断言できるのがデザインが最も伸びる瞬間は「作る」時です。なぜか。

例えばサッカーと同じです。本田圭佑選手のフリーキックの蹴り方を全て頭に入れたところで、全く同じようにボールを蹴られるでしょうか。まず無理でしょう。
スポーツ、デザインに限らず手を動かし詳細を突き詰める瞬間にこそ多くを学ぶと考えます。
ゆえに、迷いが不安が生じる時は作りましょう。形にしましょう。それがデザインの1つの明確な強みでもあります。


オススメの上達方法はすでに存在しているデザインのトレース(模写)です。
サービスをデザインしていくのであれば、Airbnb、Facebook、twitter、Youtube、Instagramなどをトレースするのはかなりの勉強になります。
4 -5つほどデザインをトレースすると、ツールの使い方を含めてデザインに慣れてくるのではないでしょうか。

デザインを学ぼうと思うと教則本を買ってその中に練習課題にチャレンジすると思うのですが、教則本の課題に興味を持てる方は稀でしょう。本はインターネットより古く題材が古かったり、そもそも自分の興味関心に全く関係ないことの方が多いからです。悪いというわけではなく、仕方がないのです。
また、「デザインツールの使い方」から学んでいくという方法も見つけるかもしれません。決して全て無駄ではないですが、「なんのためにツールの使い方を学んでいるのか」見えづらいので個人的にはオススメはしません。「作りたいものを作る上で、行いたい表現方法がわからない!」時に調べる方が心にも残ります。

好奇心に回り道する必要はありません。「自分が興味を持った / 普段使っている / 好きなもの」をコピーしてみましょう。最初から。
分からないことはGoogleに聞けば9割は再現可能なはずです。僕らが直面する困難は大体他の人もすでにぶち当たった道です。
答えは末でに存在しています。なので、最初から自分のゴールとも言えるものに触れて、それを作っていくのです。それが唯一の近道だと考え、オススメします。

トレースすると気づくのは、意外なところに”線”が引かれていたり、”シャドウ”が載っていて暗くなっていたり、”同じサイズ”のフォントや余白が繰り返されていることです。
普段使っているだけでは気にも留めなかったことが見えてきます。このことに対して「なぜ=理由」を考えることが1つ大きな勉強になります。
サービスの場合は「ユーザーアイコン」「投稿」など、他のサービスでも使われている「UIパターン」に触れ、再現していくことも重要な勉強になります。

好奇心が向くものを最初から題材に、分からないことはその都度調べて、UIを作る練習をしてみましょう。
少し時間がかかるかもしれませんが、多くを学べるはずです。


トレースに慣れてきたらオリジナルの画面を作ってみましょう。
ゼロから作ると「何を作れるか」を考えるのが難しいと思います。ここでは「トレースしたデザインの一部を変更した画面を作ってみる」ことをお勧めします。
一部を変更するとは、例えばですが「twitterのプロフィール画面を、Facebook風にしてみる」などです。

後述するポートフォリオを考えると、「既存デザインの改善アイデア」や「リデザインアイデア」などが好ましいです。サービスのことを考えて「もっと〇〇のようにした方が良くなるはず」という考えを形にするとポートフォリオには生きてくると思います。
ただ、そこまで考えなくても、模写から離れて自分のアイデアを形にしてみるということが大事です。
アイデアの組み合わせで構わないので自分が「こっちの方が良いはず」と思うものを形にするトレーニングです。

自分で形を決めていくトレーニングになるのと、「これあるべきじゃないのか」という考えを具体化できるデザインが得意な力を養えます。


もちろんゼロからデザインをし始めてもOKです


私が独学をしていた時は模写はしましたが、そのあとは自分のプロジェクトをやっていました。
例えば個人のウェブサイトやブログを作ったり、友人のサイト作りを手伝ったりしていました。既存のものを参考にしながら、目の前の目的をゼロから作ることでオリジナルの画面を作成していました。

ある程度ツールの使い方がわかったあとはこの繰り返しでした。
ひたすらデザインを作って、自分がいいなと思うものと比べて、「何が違うんだろう?」という問いを繰り返し考え、また作る。ということをずっとやりました。これは今でも日々のデザインでやっています。


スキルがない時にどうやってデザイン案件を作るか。それは無給でやることです。(もしくは少額で引き受ける)スキルが付けば適正価格、もしくはそれ以上の金額でやりとりできます。そのフェーズにいかに早くたどり着くかが重要だと思います。
デザインを初めて1年までは金額を気にせず友達や知り合いのプロジェクトを支援していましたが、1年後には雇われもしたし、1プロジェクト数十万で引き受けることも可能になりました。

スキルがあるのに自分を下に見て、他人に甘くするのは良くありませんが、経験値を積んだ方が良い段階は積んだ方が良いです。
お金が払われるようになる頃には「スキルをお金に換算するフェーズ」に移っていることが多いです。逆に学びが少ないことが多いです。このバランスを覚えましょう。
時代がどんどん変化するので1つのスキルでずっと活躍できない訳ですから、経験をいかに早く高く積むかも学ぶスキルには重要です。

模写で勉強して、自分のアイデアを形作ることに挑戦する
まとめると、世の中のスタンダードを勉強して、自分のアイデアを作っていきます。
作りながら知り、学ぶことでスキルはどんどん上がっていきます。不安になっても臆せず手を動かしていきましょう。

少し慣れてきたら人に見せたいアイデアをしっかり表現していきましょう。
これについては「08」で詳しく書いていきたいと思います。

めちゃくちゃありがとうございます😭