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オンライン授業「造形2回目」

 国立明石高専「造形」のオンライン授業は今日で2回目です。


 今回は「いかす」というテーマで、「今、ここにあるもの」を利用した造形作品を作ってもらいました。考えてみるとこのコロナの状況下で、いろいろ制限のある生活を強いられる中、「状況をいかす」デザイン力はとても大切ですね。

 

まずはウォーミングアップでチャット機能を使った「自分の自画像」を絵文字で作ることに挑戦です。今の15〜16歳の学生は絵文字というとスタンプのようなものになるので、こういったガラケー時代の絵文字は「いにしえ」のものかもしれませんが、これほど簡単な「制限されたツールの中で創造する」という作業も、なかなか経験がないでしょうね。



 また今年の1年生は特に「まだ学級のみんなと顔を合わせていない状態」で、名前もまだ学籍番号で呼び合っているような関係性なんです。そんな状況の中、みんなの教室の中の「顔のイメージ」がここで表現されると面白いなと思いました。


 続いてのプチワークはオンラインブレストで、チャット機能を使ってみんなでアイデア出しするワークです。リアルな対面授業では「手をあげる」「発言する」が苦手な学生も、チャットなら臆せずアイデアが出せるので5分間であっという間にアイデアがたくさん出てきました。

 ワークの合間にはさむ座学は、シュヴァルの理想宮、ワッツタワー、ボトルヴィレッジ、沢田マンションなどの、ハンドメイド建築を紹介。そしてブリコラージュの発想や、メルツ絵画などのお話もはさみ込みました。座学は30分、ワークは100分、シェアを20分といった配分でしょうか。なるべく通信負荷のかからないように、オフラインの作業も多くとってます。

 前回にアイデアワークで出した「100個の球体」と、雑誌の切れ端3片を使って2つのお題(テーマは「エネルギー」と「未来」)をメルツ絵画ばりに表現するという「概念の構成表現」がメインワークです。

 今、手元にある「断片」を組み重ねていくことで、シュヴィッタースの言う「すべてが破壊され、新しいことはその断片から作りなおす必要があった」を作品で体現。まさに今のコロナの状況にも似た「破壊的状況」の中で、断片から新しいものを作り直すような発想力がつくといいなと考えています。


 100分ほどの時間の中で、みんな2作品を完成。中学校を卒業したばかりの学生から、素晴らしい作品がたくさん生み出されてきました。

 これは学生に対するメッセージでしたが、自分自身にも肝に銘じなければならないのが「どんなことがあっても、断片(=カケラ)を大切にもっっておくこと。どんなに小さな学び(カケラ)でも、自分の中にしっかり積み重ねていくこと。そしてそのカケラをうまく活用できる発想力を身につけていくこと。ちょうどシュヴァルの理想宮のように、それが積み重なると世界中に認められる素晴らしい“創造”につながるはずだから」。

 さて、ボク自身も2回目のオンライン授業で少しずつ「できること」も増えてきました。これからもちょっと楽しみです。

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