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デザイナーの評価の仕方、そして評価作業を効率化した話

こんにちは。株式会社ユーザベースでFORCASのUIデザインを担当している大久保です。

デザイナーの人事評価、みなさんどうしてますか?
今回はDESIGN BASEでの評価がどのように行われているかの紹介と、GAS(Google Apps Script)を使って評価時にかさむ雑務を効率化した話を書こうかなと思います。
当記事ではGASの具体的な実装には触れず、概要の解説のみとなります。

課題

DESIGN BASEでは、デザイナーコンピテンシーマップと呼ばれる評価基準に沿って評価が行われます。
デザイナーコンピテンシーマップについては平野のnote、奥田のnoteが詳しいのでまずはそちらへどうぞ。
https://note.com/hiranotomoki/n/n9a240ba8acf6
https://note.com/designbase/n/n13d65b344f54

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デザイナーコンピテンシーマップの一部

評価は現在以下のフローで行われています。
1. すべてのメンバーがその期に一緒に業務をしたメンバーへ、360度フィードバックを文章で記入する

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2. すべてのメンバーがすべてのメンバーに、デザイナーコンピテンシーマップに則って、どの項目がどのタイトル(職位)に相当するか採点をする

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3. 360度フィードバックと採点を元にリーダー陣が評価会議を行い、総合タイトルを仮決定する

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4. 360度フィードバック、採点、仮決定された総合タイトルを本人に伝える
5. 双方の同意を以ってタイトルを確定する

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大変そうですね!はい!大変です!
特にCDOである平野の負担は大きく、スプレッドシートを駆使して多くのメンバーから集めた採点を集計したり、見やすく表に記入したり、閲覧権限を調整したり、といった作業に膨大な労力と時間を要していました。
そこで効率化できそうな以下の機能をGASで作成してみようという会話をしました。

機能1. 採点用のスプレッドシートをメンバー数分一括生成する

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機能2. 評価者に入力してもらった採点用のスプレッドシートの値を、評価対象者ごとに並び替える

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機能3. 評価対象者が採点、仮決定された総合タイトルを見ることのできるスプレッドシートをメンバー数分一括生成する

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オブジェクトを整理する

まず自分なりにオブジェクト(ユーザーが目当てとするモノのこと)を整理します。
下図のように評価、クライテリア、タイトル、人物、チームの5つにオブジェクトを整理できました。(理想の状態を整理しているのでこの記事で使われていないオブジェクトも含まれています)

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これを元にデータの参照元となるオブジェクト用スプレッドシートを作成します。変動する値はこのスプレッドシートたちに集約し、ここを変えた上で関数を実行すればすべての参照先のスプレッドシートが書き変わるように作ります。

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クライテリアオブジェクトのスプレッドシート

テンプレートを生成する

すべての装飾などをGASで実装するのは現実的でないので、共通化できる部分はすべてテンプレートにしています。
ここで作るテンプレートは3種類です。

・採点用テンプレート
機能1で利用する採点用のスプレッドシートのテンプレート

・評価会議用テンプレート
機能2で生成する評価対象者ごとに並び替えられたスプレッドシートのテンプレート

・通信簿用テンプレート
機能3で一括生成されるスプレッドシートのテンプレート

フォントサイズなど細かい装飾は手で直接行い、そこに値をクライテリアオブジェクト、人物オブジェクトからGASで引いてきてテンプレートを生成します。

実装

あとは個別の機能を実装していくだけです💪

機能1. 採点用のスプレッドシートをメンバー数分一括生成する

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1. 生成した採点用テンプレートをメンバー数分量産する
2. 量産したスプレッドシートに個別の名前をつける

機能2. 評価者に入力してもらった採点用のスプレッドシートの値を、評価対象者ごとに並び替える

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1. 採点用スプレッドシートに入力されたすべての値を評価会議用テンプレートにコピペして集める
2. 並び順を評価者順から評価対象者順に変更する
3. 評価対象者ごとにシートに分ける

機能3. 評価対象者が採点、仮決定された総合タイトルを見ることのできるスプレッドシートをメンバー数分一括生成する

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1. 機能2で作った評価会議用スプレッドシートから、通信簿用テンプレートに、評価対象者が各クライテリアが何人に何点で評価されているかをマッピングする
2. 評価会議で提案されたタイトルをコピペする

おわりに

これで評価時に平野を苦しめいていた雑務が軽減されましたやったー!
MVPを決めて細かくリリース(といっても平野に報告するだけですが)とかやってたので小さなプロダクトを作ってるみたいで楽しかったです。

こんな形でも日々精進しているDESIGN BASE。DESIGN BASE MAGAZINEには他のメンバーの記事もたくさんあります!ぜひご一読ください。