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ポートフォリオ管理【目標設定の考え方】

今回は、目標設定の考え方について心理学博士であるリチャード・ワイズマン氏の目標達成理論を元に個別具体的に読み解いたものをご紹介させて頂ければと思います。
まず、目標とは結果ではありません。
これはかなり重要な考え方ですが、目標は目的を達成するための手段でしかないということです。
日常生活における具体的な例を上げさせて頂くと、カーナビを利用する際に目的地を設定すると思います。目的地設定を行った後カーナビは私達に、高速を利用して最短で目的に到達できるルートと、一般道を利用して目的に到達できるルートを提案してくれますよね。
このルート提案に対して私達は、目的地に早く到着する必要があるので、高速を利用した最短ルートの提案を採択し車を走らせたと仮定しましょう。

ここでいう目標は、目的地に早く到着するために選んだ「高速を利用した最短距離のルート決定」といプロセスのことです。

そして、私達は目的地に到着して終わらないですよね?
そこで「ご飯を食べたり」「遊園地で遊んだり」「景色を眺めたり」休日を満喫する為のコンテンツの消化をする訳です。
ここで気付くことは、目的地に到着したら、また新たな「コンテンツ消化」という目的が発生したという点です。すなわち、目的地に到着することが目標プロセスに変換されたことになります(そもそもこれは初めから目標であることが望ましいのですが)。

すなわち、目標設定を行う意義とは目的を達成するために何をすればいいのかを、定量的にわかりやすく細分化し、目的に応じた小さな課題をステップバイステップで達成していくための、指標であり手段であるということです。

目的地もなく車を走らせることもないし(ドライブは知りませんが)、目的地があっても、どうやって行くかを考えて移動手段や道選びをしなければ、目的地に効率的に到着することは出来ないということです。
それ故に目標設定とは甘く見てはいけない代物なのです。

前置きが長くなりましたが、これから目標設定を行う上での重要なポイントと、コツについてお話させて頂きます。
先程の文章でピンと来なかった方や、目標設定が苦手な人は見て頂き「アウトプットする」ことで、必ず結果が変わると思います。

目標設定を行う上での重要なポイント

目標設定で絶対にやってはいけないことは、
①「目標達成後の評価が出来ない」ような抽象的な目標を立てる
ということ②目標達成後の評価のために、膨大な時間をかけて評価基準を設けなければ  いけないような非効率的な目標を立てるということ
③目的の見えない目標設定であることです。

例えば、
「2019年度は昨年度よりも、多くの人を幸せに出来るような行動を沢山する」という目標を立てたと仮定します。
これを評価しようと思ったら、昨年度から自分が人を幸せに出来ると思う行動を取った後、本人に「どうですか?幸せでしたか?」とヒアリング調査を行い、自分が行った幸せ行動のマッチング具合を確率計算しておかなければいけません。なぜなら、この目標は他者評価を主軸に考えられた目標であるからです。相手を幸せにしたと思っていても、相手が幸せでないと思えばミスマッチなのですから、確率でしか評価出来ないからです。
さらに、幸せ行動を取った後に「どうでしたか?幸せでしたか?」という発言をすることで、本来の行動では無く発言の方で相手が「え?気持ち悪い」と判断してそれを幸せでは無いと評価する可能性もあり、評価内容に一貫性が無いことも、この目標設定が意味を持たないことを決定する判断材料になると思います。
すなわち、多くの人を幸せにするという目的があったとしても、その過程である目標設定が曖昧であると、評価も曖昧であることから目的が達成できたかどうか判断できないのです。このような目標設定は目的を達成するために何の意味も持ちません。

目標設定を行う上で重要なことは、
①「目標達成後の評価が出来る」ような定量的な目標を立てる
ということ
②目標達成後の評価に時間が掛からない評価基準を設けるということ
③目的の見える目標設定であるということ
④短期的な目標を連続させ評価を取ることで、目的達成までのプロセス評価が行えるということです。

例えば、
「100m走のオリンピック選手になる」という目的(長期的目標)を立て、この目的(長期的目標)を達成するために以下のような目標設定を行ったとします。

「現在の100mタイムは11秒20であり、日本人選手としてオリンピックに出るためには、10秒00まで平均タイムを伸ばす必要性があるので、メディシントレーニング、ウエイトトレーニング、コンディション調整、400m✕5本のマイル走を習慣としてコンスタントに行い、毎月末に100m走を3本タイム測定し、線形的な結果が出なければメニューの再構築をすることで、これを達成する」

①については、現在が11秒20であり、目的達成の為には10秒00という平均タイムが必要であることが明瞭なため、目的達成後の評価が10秒00であれば、誤差の無い形でオリンピック選手になれたことが定量的に評価出来ますよね。
②については、目標を達成する評価方法が100m走のタイムを計測するというシンプルなものであり、膨大な時間をかける必要が評価部分にはないので、効率的に現在の自分が目的に対してどのような位置関係にあるかがすぐにイメージできますよね。
③目標設定が、10秒00というタイムに到達するために立てられているものであるので、考えなくても何を目的として行っているかが一目瞭然ですよね。
④毎月末に100m走を3本タイム計測することで、現状と目的までのギャップを経時的に確認することができ、もし線形性を失った結果となった場合、メニューの再構築を行うことまで目標設定されているので、過去の結果も踏まえたプロセス評価をいつでもとれるような短期的目標の連続であるといえますよね。

このように、目的の達成(結果)をイメージしやすい目標設定ができているとで、自分がどこに向かっているのかが常にブレないので一貫性を持つことができ、評価も簡単でいつでも自分の現状を目的値のギャップとして知ることができるので精神的な不安も少なくなります。
そして、目標を設定していると上手くいかなかった時の代替策の考案・実行や、トライアンドエラーも容易に行うことができます。

目標設定のポイントを押さえ、自分の位置情報を常に確認できるようにしておくことが結果を出すために重要なことなのです。

目標達成に関する10のチェックリスト

心理学博士のリチャードワイズマン氏は、5000人以上の被験者を対象に「目標を達成するために何をしていますか?」と質問し、それらを10の行動分析に当てはめ、目標達成のためにしている行動が本当に役立っているのかについて研究し2010年に発表しています。
これから紹介する「10のチェックリスト」は、私達がダイエットして痩せる・金持ちになる・資格を取得するなどの目標を掲げた時にしていることです。番号がそれぞれに割り振られているので、あなたが目標を達成するためにしている行動は何番なのかをチェックしてみて下さい。

どの行為が当てはまっていましたか?
私が昨年度に最初に行ったときは、①③⑤⑨⑩でした。

ワイズマン博士は、これらの行動が目標達成にどのくらい役立っているのかを、1年間被験者に対して追跡調査を行いました。
その結果!これらの10の行為の内、半分の行動には全く意味が無く、その行動を取ったとしても、目標達成率は10%以下になるという恐ろしいことが判明しました。皆さんは、何番を選択しましたか?そして何番が目標達成率を10%以下にする行動だと思いますか?次のセクションでこの解答と解説をしたいと思います。

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