2019年新作映画ランキング

 製作国、ジャンル、ドキュメンタリー、オムニバス、劇場・配信・ビデオスルー、商業・自主、長編・中編・短編、その他諸々問わず2019年に日本で公開・配信された新作映画の中で、私マッツン。が観た作品をランキング化。
 ちなみに観たかったけど見逃した作品は、洗骨、アリータ:バトル・エンジェル、THE GUILTY/ギルティ、岬の兄妹、疑惑とダンス、シンプル・フェイバー、ROMA/ローマ、ワイルドツアー、バイス、タ十郎殉愛記、魂のゆくえ、ハロウィン、あの日々の話、アラジン、慶州 ヒョンとユニ、X-MEN:ダーク・フェニックス、きみと波にのれたら、COLD WAR あの歌2つの心、凪待ち、ハッピー・デス・デイ、ハッピー・デス・デイ 2U、ピアッシング、さらば愛しきアウトロー、天気の子、サマー・オブ・84、イソップの思うツボ、松永天馬殺人事件、ドッグマン、左様なら、台風家族、フリーソロ、そして生きる、ホテル・ムンバイ、お嬢ちゃん、アップグレード、ボーダー 二つの世界、ガリーボーイ、スペシャルアクターズ、CLIMAX/クライマックス、その瞬間僕は泣きたくなった CINEMA FIGHTERS project、恐怖人形、わたしは光をにぎっている、羅小黒戦記、EXIT、爆裂魔神少女 バーストマシンガール、MANRIKI、ゴーストマスター、テッド・バンディ、など。

 ではランキング、下から発表していきます。

135位「十二人の死にたい子どもたち」
監督:堤幸彦
 沖方丁の同名小説の映画化。廃病院に十二人の自殺志願者が集まってみんなで集団安楽死をしようとするんだけど、そこに謎の十三人目の死体があったことで犯人探しが始まるみたいな内容。全篇死にたいなら早く死んでくれとしか思えないつまらなさで、予告篇であんなに煽っておきながらとにかく薄っぺらい。煙草描写も酷い。前作「人魚の眠る家」で株が少し上がったのにまた評価を台無しにするのは堤幸彦らしい。唯一の収穫は吉川愛の存在を知れたこと。

134位「貞子」
監督:中田秀夫
 鈴木光司の小説「タイド」が原作。「リング」「リング2」からの直接的な続編なので実質「リング3」にあたるのだから脚本は高橋洋に書かせるのが筋だと思うんだが、何故そうしなかったのだろう。全然怖くないホラー演出と終盤の茶番感が酷かった。高橋洋に脚本書かせたらこうはならなかったと思うんだが。

133位「Diner ダイナー」
監督:蜷川実花
 殺し屋専用のダイナーで藤原竜也が「おれはーここのー王だ!」と叫ぶ映画。良かったのは玉城ティナと窪田正孝、悪かったのはそれ以外全てです。特にラストのキスは劇場で、は?と声が出そうになった。原作である平山夢明の同名小説を読んだら滅茶苦茶面白かったので多分監督のせいです。

132位「マスカレード・ホテル」
監督:鈴木雅之
 連続殺人事件の新たな現場になるとされたホテルでエリート刑事と一流ホテルマンがタッグを組み事件の捜査に乗り出す東野圭吾の同名小説を映画化したミステリー。ホテルに宿泊する様々な客の中から犯人を見破るというのが今作の大枠なんだけど、テレビ屋映画なので映画的な面白さよりもいかに豪華な出演者を出せるかで勝負している。その結果犯人ではない客と小競り合いをしている間は、本筋のストーリーが完全に止まってしまっている。その間に巧妙な伏線が張られていく、なんてこともないのでシンプルに時間の無駄。

131位「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」
監督:J・J・エイブラムス
 スター・ウォーズシリーズ最新作。僕はラスボスが空に向かってあれをした時点であまりの力のインフレ具合にもうどうでもよくなってしまいました。ラストのキスも「Diner ダイナー」と同じで粋じゃないなと。お前等「パシフィック・リム」を見習え!まあ1本の映画としてはもっと上の順位でも良いとは思うんだけど、EP7「フォースの覚醒」から続く新3部作のシリーズを通しての常軌を逸したグダグダっぷりに、もはや最初から作らない方が良かったのではと思ってしまうほどのグダグダっぷりに、ある種の敬意を表してこの順位です。

130位「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」
監督:山崎貴、八木竜一、花房真
 ゲームの映画化。勘違いしてほしくないのは、よく言われるラストの展開についてはわりと肯定派です。

129位「雪の華」
監督:橋本光二郎
 中島美嘉の同名曲がモチーフ。余命1年を宣告された中条あやみがザイル系イケメンを100万円で恋人にする話。フィンランドとの外交関係樹立100周年でフィンランドが国として全面的にバックアップしてくれたらしいのだが、同じようにウズベキスタンとの国交樹立25周年で作られた黒沢清の「旅のおわり世界のはじまり」と比べ格段にレベルが低い。まずせっかくフィンランドが全面協力してくれるのにフィンランドじゃなくても成立する話にした脚本がダメ。オーロラを花火に変えれば日本国内でも成立する。フィンランドの実景を撮ることがフィンランドで映画を撮る意味とでも思っているなら救いようがない。せっかくの機会なのにメインキャストでフィンランド人を使わず、既に日本では使い古された難病モノを選ぶ。外交樹立100周年なのにこんな日本映画の殻を破れない企画と脚本を任された橋本光二郎監督が可愛そう。

128位「いちごの唄」
監督:菅原伸太郎
 銀杏BOYZの楽曲がモチーフ。なんと「雪の華」と同じく岡田惠和が脚本。曲を映画化するというのは要はほぼオリジナル脚本に近いので、脚本家の本当の意味での実力が試されると思う。だとするとこの岡田惠和、あまり実力があるとは思えない。誰でも思いつきそうな設定と繋がりの薄いエピソード。それに加えこの映画は音楽映画・青春映画には不可欠なスピード感のある演出・撮影が皆無。

127位「殺人鬼を飼う女」
監督:中田秀夫
 大石圭の同名小説が原作。4つの人格を持つ多重人格者が主人公のエロティックホラー。活かせていない設定と投げっぱなしなストーリー、それに中田秀夫監督のダサい演出が加わる。ちゃんとエロさはあるから「貞子」よりはマシ。

126位「ルパン三世 THE FIRST」
監督:山崎貴
 ルパン三世初のフル3DCGアニメ化。山崎貴、とりあえずちゃんとした脚本家を雇うところから初めてくれ。

125位「サイバー・ミッション」
監督:リー・ハイロン
 山Pが出てる中国・香港合作映画。ハッカーの話なのに初っ端からアクションアクション。は?と思っているとハリウッド譲りのトンデモ日本描写にアクション含め何でも出来すぎる主人公チームに興ざめ。

124位「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」
監督:ユー・フェイ
 役所広司が主演という事になっている日中合作スペクタクルアクション。星座のとこの演出がダサかった。

123位「黒い乙女A」
監督:佐藤佐吉
 「黒い乙女Q」の続き。前半は前作の裏側を描いてるだけなので、これなら2本に分けなくても工夫した見せ方すれば1本にまとめられたのではと思ってしまった。低予算なのに話は無駄に大きくなっていく感じはわりと好き。

122位「BACK STREET GIRLS ゴクドルズ」
監督:原桂之介
 ジャスミン・ギュによる漫画「Back Street Girls」が原作。ヘマをしたヤクザ3人が性転換させられアイドルをやることになる話。メインの女優陣は素晴らしい。ただ、もっと吹っ切れてほしかった。

121位「任侠学園」
監督:木村☺️ひさし
 今野敏による同名小説が原作。ヤクザが潰れかけの学校を再建する話。アウトレイジパロディしか覚えてない。

120位「人間失格 太宰治と3人の女たち」
監督:蜷川実花
 太宰治その人を描いた映画。女優陣は好演。ただ蜷川実花は合わない。

119位「空母いぶき」
監督:若松節朗
 かわぐちかいじの同名漫画が原作。国籍不明の武装集団が日本の領土を占領した事から始まる攻防を描いたポリティカル・サスペンス。戦闘描写や役者陣の好演などの美点を、無駄の多い脚本と違和感のある演出が駄目にしてしまっている惜しい作品。

118位「影踏み」
監督:篠原哲雄
 横山秀夫の同名小説が原作。忍び込みのプロが事件を解決する変則探偵もの。過剰な説明台詞が駄目。あと主人公が忍び込みのプロであるという説得力と描写がもっとほしい。

117位「翔んで埼玉」
監督:武内英樹
 魔夜峰央による同名漫画が原作。所々笑えるんだけど、全体的には合わないというのが正直なところ。

116位「半世界」
監督:阪本順治
 40歳手前のおっさん3人の友情が描かれる作品。悪くない、悪くないんだけど良くもないみたいな映画。稲垣吾郎はやっぱり映画映えするからもっと映画出てほしい。

115位「黒い乙女Q」
監督:佐藤佐吉
 最後は後編へ続くエンドなのでモヤモヤするがそれなりには面白い。

114位「IT/イット THE END ”それ”が見えたら、終わり。」
監督:アンディ・ムスキエティ
 スティーヴン・キング原作。前作は全く怖くはないけど青春映画としてそれなりに楽しい、ぐらいの評価。あとホラー映画アイコンキャラのアイドル化問題というのがあるけど、ペニーワイズは、というか監督は逆にアイドル化を敢えてやってる気すらする。とにかく事あるごとにペニーワイズが登場し頑張って驚かそうとしてくれる様はそれなりに微笑ましい。今作でもペニーワイズがバンバン出てくるのは変わらず、てか話もあんまり変わってない気がするので飽きる。

113位「赤い雪 Red Snow」
監督:甲斐さやか
 物凄く暗かったということぐらいしか覚えてない。悪くはなかったと思うけど。

112位「ファースト・マン」
監督:デイミアン・チャゼル
 ニール・アームストロングの伝記「ファーストマン:ニール・アームストロングの人生」が原作の実話もの。デイミアン・チャゼル最新作ということでかなり期待してたんだけど、自分には合わず。閉所の恐怖表現は凄かったしレベルは高いと思うんだけど、淡々とし過ぎていて眠かった。

111位「真実」
監督:是枝裕和
 是枝監督の最新作。これも悪くないんだけど期待を越えてこなかった。でもフランスでもちゃんと是枝映画になってるのは凄いと思う。

110位「ロケットマン」
監督:デクスター・フレッチャー
 エルトン・ジョンの半生を描く伝記映画。「ボヘミアン・ラプソディ」の方が面白かったな、というのが正直な感想。ミュージカルシーンとか楽しいし悪くはない。

109位「名探偵ピカチュウ」
監督:ロブ・レターマン
 ゲーム原作。人に誘われて観てそれなりに楽しかったんだけど、中盤から終盤にかけてガッツリ寝た。悪い。

108位「夜明け」
監督:広瀬奈々子
 柳楽優弥演じる青年と小林薫演じる独り身の男が疑似親子化していく話。全体的に抑えられた演技が良かった。初監督作なので今後に期待。

107位「クロール 凶暴領域」
監督:アレクサンドル・アジャ
 ワニ映画。楽しいけど眠くなる映画。

106位「居眠り磐音」
監督:本木克英
 佐伯泰英の時代小説シリーズが原作。わりと世評の高い作品だけど、個人的には構成に問題有りだと思う。松坂桃李演じる主人公で続編を観てみたいとは思ったが、もし作るなら脚本家を変えてください。

105位「マスターズ・オブ・ホラー(2018)」
 5人の監督によるホラー映画オムニバス。以下それぞれの感想。
「The Thing in the Woods」
監督:アレハンドロ・ブルゲス
 これが一番好き。よくあるホラー映画あるあるコメディかと思いきや終盤から外れていく。コメディとしてかなり楽しい。
「Mirari」
監督:ジョー・ダンテ
 整形って怖いですね。
「Mashit」
監督:北村龍平
 日本人、北村龍平の監督作はまさかの宗教もの。バッサバッサと子ども達を斬っていくシーンはあまりの倫理観の欠如に笑ってしまった。
「This Way To Egress」
監督:デヴィッド・スレイド
 意味は分からないけど怖い。こういう妄想したことあるから尚更。
「Dead」
監督:ミック・ギャリス
 ホラーってより世にも奇妙な物語みたいな感じ。

104位「君は月夜に光り輝く」
監督:月川翔
 佐野徹夜による同名小説が原作のいわゆる難病もの。君の膵臓をたべたいの月川翔と北村匠海タッグに永野芽郁が加わる。わりと淡白な話の進みで感傷的じゃない青春映画のようで悪くないと思います。人の死で感動させようとするようなお涙頂戴映画ではない。あとラストカット、主題歌が流れはじめて車が動きだしカメラが上に上がっていくという同監督の響HIBIKIと同じ演出が見られて面白い。

103位「屍人荘の殺人」
監督:木村☺️ひさし
 今村昌弘の同名小説が原作のミステリー。正直映画としての出来はかなり低めだと思うが、やはり元の原作の面白さと予告で大事な部分をしっかり伏せた点は褒められる。あとなんと言っても浜辺美波。可愛い。

102位「カツベン!」
監督:周防正行
 活弁士の物語。普通に穏やかに観てられる楽しい作品ではあるけど、終盤のサイレント映画オマージュは良くできてるとは思うけど面白くはなかった。長い。

101位「Netflix イン・ザ・トール・グラス 狂気の迷路」
監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ
 スティーヴン・キングとジョー・ヒルの小説が原作。映像的には凝ってて良いけどラストが投げっぱ。

100位「麻雀放浪記2020」
監督:白石和彌
 阿佐田哲也の小説が原作、というか原案。コメディとしてそれなりに楽しくは観たけど、どうせ白石和彌が監督なら「麻雀放浪記」のちゃんとしたリメイクとか観てみたかった。脚本に佐藤佐吉がいるし、こういうおふざけ方向なら三池崇史に監督させれば良かったのでは。正直、白石和彌は不良のふりをした優等生的な人なのでおふざけ方向はあまり合わない気がする。「サニー/32」とかも白石作品の中では微妙な出来だし。

99位「シャザム!」
監督:デイビッド・F・サンドバーグ
 アメコミ映画。DC新作。家族がテーマのヒーロー誕生譚として良いけど、現代のハリウッド製アメコミ映画としてアクションが盛り上がりに欠け過ぎ。おそらく10分の1ぐらいの予算で作られてる「いぬやしき」とかの方が断然アクション盛り上がったぞ。

98位「アド・アストラ」
監督:ジェームズ・グレイ
 寝た。断片的にしか覚えてないけど、起きてた所がほぼ怖いシーン(要はうるさかったシーン)だった。やっぱり宇宙は怖い。

97位「サムライマラソン」
監督:バーナード・ローズ
 土橋章宏の小説「幕末まらそん侍」が原作。プロデューサーがジェレミー・トーマスなのになぜ監督が三池崇史じゃないんだ!?まあ外国の監督に時代劇をやらせるっていう試みは面白いと思います。でも三池崇史なら絶対もっと面白くなった。

96位「映画 賭ケグルイ」
監督:英勉
 河本ほむら原作、尚村透作画の漫画が原作。テレビシリーズの続きで原作にはないオリジナルストーリーらしい。脚本の出来が良いわけではないけど、役者陣の頑張り(演出の方向性は褒めてない)と終盤の展開はアツかった。

95位「ゴールデンスランバー(2018)」
監督:ノ・ドンソク
 伊坂幸太郎の同名小説2度目映画化。正直日本版の方が面白かった。何故だ、韓国映画なのに。もっと出来るはずだろ韓国!脚本頑張れ。

94位「地獄少女」
監督:白石晃士
 テレビアニメの映画化。白石晃士!あんたならもっと面白くできるだろ!

93位「バンブルビー」
監督:トラヴィス・ナイト
 トランスフォーマーシリーズ最新作。マイケル・ベイから監督が変わり出来は良くなったが魅力は正直低下したと思う。普通に面白かったけどね。

92位「がっこうぐらし!」
監督:柴田一成
 海法紀光原作、千葉サドル作画の漫画が原作。多少の予算の足りてなさは感じたけど、仕掛けとかもあって面白い。

91位「アナと世界の終わり」
監督:ジョン・マクフェール
 ゾンビミュージカル。それなりに楽しい。感傷的な方向に行かなかったらもっと高評価。

90位「Netflix ポーラー:狙われた暗殺者」
監督:ヨナス・アカーランド
 マッツ・ミケルセンを見る映画。犬の描写とかあからさまにジョン・ウィックを意識してるのが笑える。

89位「ザ・ファブル」
監督:江口カン
 南勝久による漫画が原作。最高に良い所もあればダメダメな所もある。良い所は主に監督とスタッフ・キャスト陣の頑張り、悪い所は脚本の渡辺雄介のせいだと思われる。続編作るなら脚本家は変えましょう。

88位「アストラル・アブノーマル鈴木さん」
監督:大野大輔
 リプレイ&デストロイっていうドラマで山田孝之が言ってた「なんでお前らガキ共はみんなと同じことはしたくないとか言うんだよ、それこそみんなと同じセリフ」を思い出した。

87位「ブルーアワーにぶっ飛ばす」
監督:箱田優子
 所々眠かったけどユーモアがあり面白い。物語的な仕掛けについてはフェアじゃないなと思った。「影踏み」のがフェア。

86位「ラスト・クリスマス」
監督:ポール・フェイグ
 ワム!の曲の歌詞をそのまんまやった映画。Last Christmas, I gave you my heart. ホントにこのまんま。まんま過ぎて笑った。

85位「蜘蛛の巣を払う女」
監督:フェデ・アルバレス
 スティーグ・ラーソンの小説が原作。一応フィンチャーの「ドラゴン・タトゥーの女」続編。悪くはないけどあんまり印象には残らず。

84位「ドクター・スリープ」
監督:マイク・フラナガン
 スティーブン・キング原作。キューブリックの「シャイニング」続編。これも悪くはないけど覚えてない。わりと最近観たのに。

83位「オーヴァーロード」
監督:ジュリア・エイブリー
 主人公を追ったワンカット撮影が良い。ただ世間で言われてるよりはハマらなかった。

82位「羊とオオカミの恋と殺人」
監督:朝倉加葉子
 裸村による漫画「穴殺人」が原作。映画化する上での脚色の方向性は間違ってないと思う。ただ演出は正直ダメダメ。しかしなんと言っても福原遥が可愛い。この人になら殺されてもいいと思ってしまうほど魅力的。

81位「ハンターキラー 潜航せよ」
監督:ドノヴァン・マーシュ
 ドン・キースとジョージ・ウォレスの小説が原作の戦艦もの。船体が潜る時の腕を組んで掴まらず体を斜めにする所が最高。

80位「ダンス・ウィズ・ミー」
監督:矢口史靖
 矢口史靖によるミュージカルロードムービー。日本でミュージカルをやるのはわりと難しいと思うのですが、さすが矢口監督というかちゃんと成立させている。ブラックな笑いも好み。

79位「スノー・ロワイヤル」
監督:ハンス・ペテル・モランド
 ノルウェー映画のリメイクで監督は続投。面白かった。面白かったんだけど、予告でファーゴとかタランティーノとかで例えて期待させたわりには、という印象。予告の作りが上手い。

78位「月極オトコトモダチ」
監督:穐山茉由
 アラサー女性編集者が男女間の友情は成立するのかを検証するためレンタル友達をレンタルする話。78分という短い上映時間ながら様々な要素が詰め込まれており、終盤は音楽映画としても楽しめる良作。

77位「東京喰種 トーキョーグール【S】」
監督:平牧和彦、川崎拓也
 石田スイの漫画を原作にした映画の2作目。正直前作はそれほど好きではないのだが、今作はジャンル映画的な方向に舵を切ったのが良かったのか面白い。R15にしたのも好感。

76位「アス」
監督:ジョーダン・ピエール
 黒人家族が同じ容姿の家族に襲われるスリラー映画。面白いけど眠い。ラストは黒沢清のカリスマっぽくて好き。

75位「ハリウッド大作戦」
監督:中泉裕矢
 カメラを止めるな!のスピンオフ。オリジナルと同じようなことをやってるだけだけど面白い。あとメガネの子はやっぱり可愛い。

74位「グリーンブック」
監督:ピーター・ファレリー
 黒人ピアニストに雇われたイタリア系用心棒が共にアメリカ南部を巡る人間ドラマ。ウェルメイドというか非常に良くできた映画だと思う。唯一の不満は予告で流れた曲が本編で流れなかったこと。わりと楽しみだったから。

73位「楽園」
監督:瀬々敬久
 吉田修一の「犯罪小説集」が原作。ちょっととっ散らかってる印象。でも演出と役者陣の演技は見応えあり。

72位「チャイルド・プレイ(2019)」
監督:ラース・クレヴバーグ
 1988年のオリジナルのリブート。オリジナルは観てないけどまあ楽しい映画。場所を活かした動きが多くて良い。

71位「カイジ 動物世界」
監督:ハン・イエン
 福本伸行の漫画が原作。最初はちょっと違和感があり、これがカイジ?と思ってたけど段々とストーリー自体はかなり原作に忠実なことが分かってくる。日本版と違って役者陣は抑えた映画をしてるし全体的に日本版よりレベルが高い。

70位「火口のふたり」
監督:荒井晴彦
 白石一文の小説が原作。柄本佑と瀧内公美がずっと飯食ってセックスして飯食ってセックスしてを繰り返すだけの話なんだけど不思議と退屈しない。終盤のもはや世の中なんて関係ないって感じが清清しい。

69位「閉鎖病棟 それぞれの朝」
監督:平山秀幸
 帚木蓬生の小説が原作。正直話の推進力がないし鈍重過ぎる映画なんだけど、映画始まってからずっと喋らなかった小松菜奈が初めて言葉を発するのが会話とかではなく、陶土に触れた時の「冷たっ」だったりと演出は丁寧。

68位「Netflix ロマンティックじゃない?」
監督:トッド・ストラウス=シュルソン
 頭を打った女性建築家がラブコメの世界に迷い混む。ラブコメのおかしな所とかを殊更に強調するコメディで楽しい。セックスしようとしたら直ぐに場面が変わり朝になってるというのを何度も繰り返すくだりが面白い。

67位「ホテル・エルロワイヤル」
監督:ドリュー・ゴダード
 カリフォルニアとネバダの州境にあるホテルに宿泊した訳アリ男女たちの一夜を描く映画。タランティーノオマージュなのか無駄話が多いけどわりと面白い。

66位「マチネの終わりに」
監督:西谷弘
 平野哲一郎の小説が原作のラブストーリー。水を使った演出が拘りを感じて良い。予告の印象で敬遠してしまうのはもったいない。

65位「ブラック・クランズマン」
監督:スパイク・リー
 ロン・ストールワースによるノンフィクション小説が原作。黒人刑事がKKKに潜入する緊張感が良い。

64位「ゾンビランド:ダブルタップ」
監督:ルーベン・フライシャー
 2009年公開の「ゾンビランド」の続編。10年経ってるのに監督とメインキャストがちゃんと揃ったことに感動。

63位「ヘルボーイ(2019)」
監督:ニール・マーシャル
 アメコミ「ヘルボーイ」再映画化。ギレルモ・デル・トロ版は観てない。話は覚えてないけど、終盤の地獄絵図みたいな残酷描写が最高だった。

62位「パピヨン(2017)」
監督:マイケル・ノアー
 アンリ・シャリエールの自伝的小説の再映画化。1973年版は観てない。脱獄ものとしてよくできてる。

61位「キングダム」
監督:佐藤信介
 原泰久による漫画が原作。山崎賢人叫びすぎとか言いたいことはあるが、適度にスケール感もあり面白い。続編作るなら早くした方が良いよ。

60位「ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ」
監督:マイケル・ドハティ
 ハリウッドゴジラ最新作。怪獣要素が最高で人間ドラマ要素がクソ的な評判だったので、人間ドラマにそこまで興味がなく怪獣暴れてるの見れたらいいやと思っている僕は年間ベスト級に超期待して観に行った。結果、普通に面白かった。けど正直怪獣描写も同じような展開の繰り返しで中盤睡魔に襲われた。世間ではこれで怪獣要素は最高って評価になっちゃうんだ。

59位「WE ARE LITTLE ZOMBIES」
監督:長久允
 「そうして私たちはプールに金魚を、」の長久允監督長編デビュー作。独特な世界観とクセになる楽曲が良い。

58位「芳華 Youth」
監督:フォン・シャオガン
 1970年代の中国を舞台にした青春映画。正直話はあんまり覚えてない。中盤のワンカット風の戦争シーンが凄すぎた。

57位「いなくなれ、群青」
監督:柳明菜
 個人的な解釈としては、ある時期を境にいらないと判断され捨てられたあるモノが本当はいるモノだと証明するまでの話、の序章。続編作れよ。

56位「運び屋」
監督:クリント・イーストウッド
 実話の映画化。自分のせいで争いが起きてる時にリップクリームをぬり出すイーストウッド爺さんに笑った。

55位「僕たちは希望という名の列車に乗った」
監督:ラーズ・クラウム
 ディートリッヒ・ガルスカのノンフィクション「沈黙する教室」の映画化。たった2分間の黙祷から物事がどんどん悪い方向に進んでいくのが恐ろしかった。

54位「五億円のじんせい」
監督:ムン・ソンホ
 かつて五億円の募金により命を救われた少年が自殺する前に五億円を稼ごうとするオリジナル脚本。役者陣の使い方が上手い。

53位「神と共に 第二章:因と縁」
監督:キム・ヨンファ
 チュ・ホミンによるウェブコミックが原作。世界観と漫画的アクションが凄い。

52位「神と共に 第一章:罪と罰」
監督:キム・ヨンファ
 上に同じ。二章より一章の方がアクションが良い。

51位「惡の華」
監督:井口昇
 押見修造の漫画が原作。原作は未読だけど結構面白かったと思う。中盤アガッた。原作ファンからは不評なんだけど漫画原作の批判でよくある、キャラの再現度がどうとか、いかに忠実かとかみたいな表層的な薄っぺらい再現物としての評価じゃなくて、まんま過ぎて映画化する意味を感じないとか、ちゃんと映画としての評価をされてたのが好感。

50位「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」
監督:フィリップ・ラショー
 北条司による漫画が原作。下ネタ満載で楽しい。

49位「新聞記者」
監督:藤井道人
 望月衣塑子のノンフィクションが原案。今作られたことに意義がある映画。今後これを超える映画が出なくてはならない。

48位:「タロウのバカ」
監督:大森立嗣
 監督のオリジナル脚本。わりとキツいとこもあったけどやる気は伝わった。話自体は超好みです。

47位「ブラインド・スポッティング」
監督:カルロス・ロペス・エストラーダ
 白人と黒人の2人の青年が主人公。ラップと演出が良かった。

46位「蜜蜂と遠雷」
監督:石川慶
 恩田陸の小説が原作。音楽を描く事だけに特化した演技、撮影演出が素晴らしい。

45位「アベンジャーズ/エンドゲーム」
監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
 金かかってて面白いよ。

44位「ひとよ」
監督:白石和彌
 桑原裕子の舞台が原作。役者陣のハマりっぷりが素晴らしいし、これまで疑似家族的なものを何度も描いてきた白石和彌が初めてちゃんとした血縁関係のある家族を描いたことも面白い。

43位「工作 黒金星と呼ばれた男」
監督:ユン・ジョンビン
 実話の映画化。緊張感が凄い。

42位「見えない目撃者」
監督:森淳一
 韓国映画「ブラインド」のリメイク。気合いの入ったゴア描写が最高。

41位「アメリカン・アニマルズ」
監督:バート・レイトン
 実話の映画化。映画と現実は違うということを突きつけられた。

40位「旅のおわり世界のはじまり」
監督:黒沢清
 「雪の華」のとこでも触れたけどまあレベルが違う。ウズベキスタンとの国交樹立25周年、及び日本人が建設に関わったナヴォイ劇場の完成70周年を記念して製作された本作は色々な条件をクリアしながらも、ちゃんと黒沢映画になっている。

39位「スパイダーマン:スパイダーバース」
監督:ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
 スパイダーマンのアニメ映画。表現が多彩。

38位「野良犬鎮魂曲」
監督:栗原開
 12分ぐらいの自主短編だけどかなり面白い。話はしっかりしてるし、色がある。

37位「Netflix 6アンダーグラウンド」
監督:マイケル・ベイ
 マイケル・ベイ映画。話は覚えてないけど楽しかった。

36位「アクアマン」
監督:ジェームズ・ワン
 アメコミ「アクアマン」の映画化。綺麗な撮影と驚きのアクションが凄くて最高なんだけど、終盤の武器に頼りすぎ感と結局血統主義かよ感が惜しい。

35位「サスペリア(2018)」
監督:ルカ・グァダニーノ
 1977年の「サスペリア」リメイク。オリジナルの方が面白いけど、血がいっぱい出て楽しいです。

34位「アンダー・ユア・ベッド」
監督:安里麻里
 大石圭の小説が原作。主人公の純愛が最高。

33位「Netflix マリッジ・ストーリー」
監督:ノア・バームバック
 アダム・ドライバーがナイフで手切るところが面白すぎる。

32位「狼煙が呼ぶ」
監督:豊田利晃
 2019年の4月に祖父の形見の錆びついた拳銃を所持していたことで逮捕され、後に不起訴となった豊田監督が回答として作った16分の短編。社会に対して言葉でなく映画で回答するという姿勢がカッコ良すぎる。

31位「21世紀の女の子」
 山戸結希の企画・プロデュースによる15人の若手女性監督のオムニバス。オムニバスなので出来不出来あり総合的にはもっと下かも。でも「離ればなれの花々へ」と「恋愛乾燥剤」だけでも十分最高だったのでこの順位。別に、こりゃ酷い!みたいな作品はなかったけど8分という短い短編で観客を面白がらせたり上手いと思わせたり、何より記憶に残るようにするのって結構難しいと思います。そういう意味で残酷な短編集だなと。以下それぞれの雑感。
「ミューズ」
監督:安川有果
 一番最初ということもありあんまり記憶に残らなかった。村上淳が出てたな、ぐらい。
「Mirror」
監督:竹内里紗
 写真と被写体が何度も出てくる短編集だったけど、使い方は一番上手かった気がする。瀧内公美のキャラも面白い。
「out of fashion」
監督:東佳苗
 モトーラ世理奈の存在感が凄かった。あとは印象が薄い。
「回転てん子とドリーム母ちゃん」
監督:山中遥子
 インパクトがあって、良い意味で全体から浮いてる。ちゃんと記憶に残るし、コミカルで笑える。
「恋愛乾燥剤」
監督:枝優花
 2番目に好き。とにかく山田杏奈がキュートで良い。意外と容姿のわりにこういう役をやってるのを観たことがないので新鮮だった。
「projection」
監督:金子由里奈
 あのラストは次の段階へと進む直前という解釈で合ってますかね?
「I wanna be your cat」
監督:首藤凜
 ラストカットである意味印象に残った。
「珊瑚樹」
監督:夏都愛未
 3角関係。撮影が良い。
「愛はどこにも消えない」
監督:松本花菜
 タイトル、なるほどなって感じ。
「君のシーツ」
監督:井樫彩
 結構好き。髭面の三浦透子がかなり印象的。
「セフレとセックスレス」
監督:ふくだももこ
 話がちゃんとある。普通に好き。
「reborn」
監督:坂本ユカリ
 あんまり覚えてない。映画の終わりも待てない恋人は嫌ですね。
「粘膜」
監督:加藤綾佳
 わりと好き。シガーキスで火をつけてくれる日南響子に惚れる。いや煙草吸わないけど、あれは惚れざるを得ない。
「離ればなれの花々へ」
監督:山戸結希
 1番好き、というかこれだけレベルが違う。「ホットギミック ガールミーツボーイ」の終盤のような目まぐるしい撮影と編集に畳みかける台詞の応酬を短編でやっている。正直最初は、あれは長編の中で溜めて溜めて溜めて最後に爆発させたから成立したのであって短編じゃ助走不足じゃないかと思ったが、そんなことはなかった。あんな短い時間であそこまでエモーショナルな短編は観たことない。
「エンドロールアニメーション」
監督:玉川桜
 タイトルのとおりエンドロールのアニメーション。映画館のスクリーンの中に入っていくシチュエーションは劇場で観たらもっとテンション上がった気がする。大森靖子の主題歌も良い。

30位「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
監督:クエンティン・タランティーノ
 ラスト数分以外は別に面白い映画だと思ってないけど、タラちゃんの描き出した60年代のハリウッドの風景は心地よかった。

29位「いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46」
監督:岩下力
 良い映画ですよ。

28位「アイネクライネナハトムジーク」
監督:今泉力哉
 伊坂幸太郎の小説が原作。何気ない日常の積み重ねこそが奇蹟なんだ!

27位「永遠に僕のもの」
監督:ルイス・オルテガ
 実話の映画化。1人の美しいサイコパスを描いた作品。倫理的にアウトな描写の連続なのに不思議と悪びれない主人公に魅力を感じてしまう。これぞ映画だ。

26位「よこがお」
監督:深田晃司
 人間気味悪い映画の秀作。

25位「ジョン・ウィック:パラベラム」
監督:チャド・スタエルスキー
 ジョン・ウィックの3作目。凄まじいアクションの連続。

24位「ミスター・ガラス」
監督:M・ナイト・シャマラン
 アンブレイカブル、スプリットの続編。俺はMCUより応援してるぞシャマラン!

23位「WALKING MAN」
監督:ANARCHY
 ラッパーANARCHY初監督作。奇を衒わず正統派な作りに好感。

22位「ブライトバーン/恐怖の拡散者」
監督:デヴィッド・ヤロフスキー
 もしも子ども時代のスーパーマンがグレたら映画。終盤はもうやったれーって感じで観てた。

21位「バジュランギおじさんと、小さな迷子」
監督:カビーン・カーン
 優しさに溢れた映画。

20位「アルキメデスの大戦」
監督:山崎貴
 三田紀房の漫画が原作。山崎貴監督作一の出来映え。

19位「メランコリック」
監督:田中征爾
 OK?

18位「愛がなんだ」
監督:今泉力哉
 角田光代の小説が原作。幸せになりたいっすね。

17位「Netflix 愛なき森で叫べ」
監督:園子温
 冷たい熱帯魚、恋の罪に続く園子温の実録路線。今回は北九州監禁殺人事件から着想を得ている。胡散臭い椎名桔平が最高。

16位「ジョーカー」
監督:トッド・フィリップス
 アメコミ映画。モロセッシだけど、ジョーカー誕生譚としてもバットマン誕生譚としてもかなりの出来。

15位「IDOL あゝ無情」
監督:岩淵弘樹
 WACKによるアイドルオーディションのドキュメンタリー。この世の地獄みたいで面白い。

14位「チワワちゃん」
監督:二宮健
 岡崎京子の漫画が原作。一瞬で過ぎ去ってしまう青春が寂しい。

13位「さよならくちびる」
監督:塩田明彦
 小松菜奈、門脇麦、成田凌。このメンツで面白くないわけがない。

12位「小さな恋のうた」
監督:橋本光二郎
 MONGOL800の小さな恋のうたから生まれた物語。「雪の華」とは違い、脚本がちゃんとしてるので橋本監督の腕も存分に発揮されている。

11位「ハウス・ジャック・ビルド」
監督:ラース・フォン・トリアー
 殺人鬼ジャックの記録。楽しい映画です。

10位「 i 新聞記者ドキュメント」
監督:森逹也
 望月衣塑子を追ったドキュメンタリー。日本のメディアの異常性を叩きつけながらユーモアもあって面白い。

9位「Netflix アイリッシュマン」
監督:マーティン・スコセッシ
 チャールズ・ブラントのノンフィクション「I Heard You Paint Houses」が原作。210分という尺にビビるが、観てみると意外に前半はポンポンと話が進んでいき飽きない。後半からは大作感と登場人物の老い感じさせる重みが出てくる。

8位「HiGH&LOW THE WORST」
監督:久保茂昭
 HiGH&LOWシリーズ最新作。今回は「クローズ」「WORST」の高橋ヒロシを脚本に呼び、鬼邪高校と鳳仙学園がブツかる!今まで以上にどう撮ってんのかわかんないアクションシーンの撮影が凄い。

7位「バーニング 劇場版」
監督:イ・チャンドン
 村上春樹の小説「納屋を焼く」が原作。心地よい映画体験。

6位「町田くんの世界」
監督:石井裕也
 安藤ゆきの漫画が原作。優しさの寓話。これをファンタジーだと思ってしまう自分とそう思わせる社会が嫌になる。

5位「女王陛下のお気に入り」
監督:ヨルゴス・ランティモス
 最高にドロドロしてる。

4位「デイアンドナイト」
監督:藤井道人
 自警団ムービーの傑作。昼と夜、善と悪の対比が素晴らしく、それを表現した中盤の撮影が見事。

3位「殺さない彼と死なない彼女」
監督:小林啓一
 世紀末による同名4コマ漫画が原作。3組のカップルの日常を同時並行で描く青春映画。とにかくこの6人が全員魅力的で素晴らしい。小林啓一監督お得意の長回しも活かされていて良い。綺麗ではない言葉遣いの若者たちの青春映画を撮ってきた小林監督にはベストマッチな原作だったのでは。

2位「ホットギミック ガールミーツボーイ」
監督:山戸結希
 相原実貴の漫画「ホットギミック」が原作。自分にとっての自分を肯定してくれる映画。終盤の盛り上がりが凄い。これを10代の内に観られて本当に良かった。

1位「宮本から君へ」
監督:真利子哲也
 新井英樹の同名漫画が原作。監督前作「ディストラクション・ベイビーズ」は僕の2016年ベスト。引き続き絶対に諦めないやつが一番強い、もしくは一番怖いという事に説得力のある映画。HiGH&LOWで言うと日向タイプ。キャスト陣は全員ハマリ役で、特に一ノ瀬ワタルが最低で最高。正直俺は脚本の構成とか撮影の技術とかどうでも良いんですよ、こういう熱量の高い映画観るために映画好きやってるんです。

なんと上位三本が漫画原作日本映画という異様な事態になってしまった。1月にデイアンドナイト観てもう年間ベストきまっちゃったかなと思ってたけど、まさかその上に三本も来るとは。かなり豊作の年だったと思います。以上。

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