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どくむすめ(とちおとめみたい)

いちごの話ではなく、私の話です。
自分はどくむすめなんではないかと思う私の話です。

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思春期なんて、大昔遥か彼方の銀河に過ぎ去っているのに、この頃、母に悪態をついてしまう。

あくまで脳内で。

この世界でもっともウザくて面倒くさい人間関係、それは母娘関係だという。
女同士、いくつになっても戦いは終わらない。

そのうえ母は認知症だ。一緒に暮らすべく、実家を片付け中だけど⋯
一緒にいると、どうしても苛々してしまう。だいたいモノが多すぎる。

以下のような毒が、常に脳内を巡る。

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お母さん、手を出さないで。それは捨てる物じゃない。いや何回言やぁわかるんだい。そこ触るなって言ってんだろうが。明日は燃えるゴミの日じゃないっつーの。もう出してきた? ふざけんな。いや簡単に謝るな。怒る前に謝るとか反則だろうが。黙っててよ。口閉じてよ。動かないでよ。つかこの家殆どゴミ屋敷じゃねーか。もう燃やしちまえばいいんじゃねーのどうせ全部ゴ!ミ!だ!ろ!

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これらの思考がポンポンポンポン流暢な津軽弁で脳内に溢れかえる。こんなの中学生の時以来だ。

でも絶対に飲み込んで、口に出さず、なるべく笑顔で作業を進める。
すごくストレスだ。

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遠方に住む兄にメールした。母ったらなんであんなにモノを溜め込むのだ! と。

「あの世代はみんなシマリスだよ。
木の実を見つけちゃ溜め込んで、忘れるんだよ」

返事が来て、私はひどく納得がいった⋯

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同じ話を何度もする。これは認知症において、風邪をひいた子供が咳をするのと同じようなものであるという。うるさいし、そして心配だし。

私は自分のことを、やりたいことを、好き放題やってきた。かと言って余裕のある性格ではない。
母思いではないし、優しい人間でもない。

悪態をお腹の中に溜め込んで封印するのがやっとである。
なるべく、これから先、母に嫌な思いをしてほしくはない。

悪態が口から出ちゃったら、毒娘かな⋯
それだけはいやだな。言葉の虐待だよな。嫌だな。

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