小林でび 〈演技ブログ『でびノート☆彡』〉

インディーズ映画監督の小林でびです。演技トレーナーや外国映画の音響監督もやってます。そ…

小林でび 〈演技ブログ『でびノート☆彡』〉

インディーズ映画監督の小林でびです。演技トレーナーや外国映画の音響監督もやってます。そしてここnoteでは「よい演技について」「映像の演技の歴史」について書いてます。演技の不思議や面白さについて一緒に考えていただけると嬉しいです~☆

最近の記事

俳優はどうやって作品内で自己表現すべきか?

演技で「自己を表現する」とは?俳優は演技で「自己を表現」します。 俳優自身の感情を解放し、役の人物を自分らしく、自分自身の個性で演じようとし、場合によっては演出家に「自分はこのセリフは言えません」とか「このセリフ、言いにくいのでこう変えてもよいですか?」などと言ったりすることも時にあります。活き活きと自分らしく演じるために! でもちょっと待ってください。そもそも俳優の仕事って何でしたっけ? それは「脚本に登場する架空の人物を演じること」・・・自分自身の身体と心を使って

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    • 世界の見え方が変わると、人は行動が変わるのだ!『不適切にもほどがある!』

      クドカン最新作『不適切にもほどがある!』 なんのかんの言いながら、最終回まで楽しく観ました! 第1話はミュージカルシーンがちょっと説教臭かったので、 わ、これ1980年代の人達が悔い改めたり、2020年代の人達が悔い改めたりする物語になっていったらイヤだなあ! と思ったりしてたんですが。 『三体』冒頭の文革のシーンみたいに三角帽子をかぶせられて「自己批判せよ!」にはならずにw、ほんわかした最終回を迎えてホッとしました。 だって1980年代に生きる人にとっての感じ方や価

      • 2つの表情筋の話。『PERFECT DAYS』

        映画『PERFECT DAYS』遅くなりましたが、ようやく観てきました。 ラスト5分! あの役所広司さんの時空が歪むような芝居は、まさにカンヌで主演男優賞を獲るのにふさわしい演技でしょう。素晴らしかった。 シーンとしては全く説明不足で「抽象的」。 平山がいま何を思い出しているからとか、過去にどんな体験をしたからとか、そのあたりが一切観客に開示されていない。そんな「抽象化された表現」だからこそ観客ひとりひとりの人生とリンクして、心にズドンと届いてしまう。「それ、わかるよ!」

        • 3/2㈯3/3㈰「役の人物の衝動で動く!」演技ワークショップを開催し〼。

          こんにちは!小林でびです。 3月2日に参加者公募の演技ワークショップを開催します。 (追記:参加希望者多数のため3/3も追加されました) テーマは「役の人物の衝動」で動く! 昔から「役に寄せるか、自分に寄せるか」みたいな言葉がありますが、「役に寄せる」と芝居は説明的になり、「自分に寄せる」と芝居は脚本が意図するニュアンスから逸脱してゆくというジレンマがありますよねw。 なんとなく役の人物になり切れていない違和感を感じながら役の人物のように見えるような動作や表情を演じて、演

        俳優はどうやって作品内で自己表現すべきか?

          セリフを「自然な間」でしゃべるには?

          どうも 小林でび です。 俳優のみなさんは「セリフの間が気になるんで、間をあけないで喋ってください」と演出家に言われたことはありませんか? 会話のシーンで、どうしてもセリフの出が遅れちゃう俳優さんって、じつは結構いるんですよね。 相手のセリフが終わってから自分のセリフを喋りだすまでにひと間の「余計な間」があいてしまう・・・これって映像の現場ではアウトです。 シーンを切り返しで撮影してる場合はこの「余計な間」をバンバン編集でカットして自然な間っぽく修正してゆくことができるん

          セリフを「自然な間」でしゃべるには?

          『首』の演技は コントか?リアルか?

          公開からちょっと時間がたってしまいましたが『首』、最高でした! いつも思うんですが、北野映画に出てる時の俳優さんって皆いつもの3割り増しくらい魅力がアップして映ってますよね。嬉々として役を演じることを楽しんでいるというか、それを北野武が自由自在に引き出しているというか・・・監督 北野武の完全復活! も~最初から最後までわくわくニヤニヤしながら見てしまいました。 (今回、ネタバレ満載ですw!) たけし=織田信長?面白かったのは、今まで『その男、凶暴につき』『ソナチネ』など

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          『ブギウギ』草彅剛さんの素晴らしき「ギバーの演技」。

          ひさびさに朝ドラにハマってまして。 毎朝『ブギウギ』を7時半の回と8時の回、2回づつ見ていますw。 『ブギウギ』は音楽もステキだし、人間ドラマの芝居も面白いし、キャスティングも独特で、いろいろ面白いのですが、今回の演技ブログ「でびノート☆彡」では草彅剛さんの羽鳥善一先生の演技にクローズアップして書いてみたいと思います。 草彅さんと言えば『ミッドナイトスワン』の演技が記憶に新しい、映画ドラマで主役を張るスターなわけですが、なんと今回の『ブギウギ』では脇に徹しているんです。 

          『ブギウギ』草彅剛さんの素晴らしき「ギバーの演技」。

          12/17&1/14俳優のためのデモリール撮影ワークショップ「家族の演技」開催し〼。

          急激に寒くなりましたね。 2023年もラストスパートになってまいりました。 この年の瀬に俳優のみなさん、来年に向けてデモリールを撮りませんか? 12/17(日)1/14(日)に御好評いただいてる「俳優のためのデモリール撮影ワークショップ」を開催します。デモリールを実際に撮影しながら、デモリールについて、そしてオーディション対策ついて学ぶワークショップです。 やはりキャストオーディションに於いて、プロフィールに「デモリール」のURLやQRコードがついてる俳優さんは強いようで

          12/17&1/14俳優のためのデモリール撮影ワークショップ「家族の演技」開催し〼。

          エルモ!世界中の子供と大人を魅了した人形の演じかた☆彡

          『セサミ・ストリートへ愛を込めて エルモに命を吹き込んだ人形師』 というドキュメンタリーがNetflixにあって、チラ見するつもりがつい最後まで見て、つい涙まで流してしまったw。 いや~人物を演じるって、表現するってこんなにも楽しくて、愛おしい! あまりに感動したので、今回はドキュメンタリーの主役ケヴィン・クラッシュの人形の役作りと人形の演技についてレポートします。 世界中の子供たち、そして大人たちにも愛される「エルモ」のキャラクターはどのように生み出されたのか? 俳

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          10/29(日)「ギバーの演技」ワークショップやり〼。

          こんにちは! 10月に参加者公募の演技ワークショップを開催します。 テーマは「ギバーの演技!」。オーディション等で空回りしてしまうことってありますよね。自分だけ輝こうとしたり、爪痕を残そうとしたり・・・結果的にその必死のパフォーマンスが審査員によい印象を残さなかったりすることも多いんですが。 じゃあどう演じればよいのでしょうか? じつはあたり前のことなんですが、大切なのは「自分が輝く」「爪痕を残す」ために演じることではなく、「芝居を面白くする」ために演じることなんです。

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          YouTube版「でびノート☆彡」はじめました。

          いつも演技ブログ「でびノート☆彡」読んでくださってありがとうございます!小林でびです。 じつは演技ブログ「でびノート☆彡」のYouTube版をはじめまして。全7回好評のうち完了したので、そのお知らせを🌼 わたくし小林でびが、ミュージカル女優の平川はる香さんと、映画や米国ドラマの最新の演技についてあれこれマニアックに喋っておりますw。どれも10分弱の動画ですので空き時間にでも気軽に見ていただけると嬉しいです🌟 気になるテーマから見ていただきたいので、内容の簡単な紹介を…。

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          バービーandケンの「視野」の変化の演技。

          『バービー』・・・泣いた! グレタ・ガーウィグ監督作品は前作『わたしの若草物語』もその前の『レディ・バード』も、どちらも最高すぎて泣いたけど正直、今回の『バービー』が一番泣きました。 いや~グレタ・ガーウィグ監督すごい! 『バービー』はフェミニズムに関する映画だと言われていて、もちろんそうなんですが、ガーウィグ監督の視野はもっと広くて、これは「現代社会に生きる我々すべての人の人生」に関する映画だと感じました。 だからこそクライマックスのグロリア(母)の長台詞シーンは男性社

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          7時間ワークショップのレポート『役の人物の目で世界を見る・役の人物として感じる』

          小林でびです。 先日、都内某所で2日間にわたる7時間の演技ワークショップ『役の人物の目で世界を見る・役の人物として感じる』を開催しました。 総勢20名の俳優さんが参加してくれて、2時間の座学と1時間のエクササイズ、4時間の演技、さらに3時間の打ち上げで、約10時間!(笑)延々と芝居について盛りあがり続けました。楽しかった! 今回はそのWSのレポートと、後半の有料部分ではWS参加者に配布した「門外不出のテキスト」の一部を公開したいと思います☆彡 「キャラ」「感情」「目的」を

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          『君たちはどう生きるか』のリアルな「演技」。

          小林でびです! 宮崎駿の最新作『君たちはどう生きるか』観ましたよ。ドキドキしっぱなしでした。 「物語」というよりは「体験」のような映画でしたねー。 この映画に関してはネタバレしてしまうと申し訳ないので、内容には極力ふれずに書こうとは思いますが、なにがネタバレかは人によって尺度が違うようなのでw、未見の方は気をつけて。 てゆーか早く映画館に観に行ったほうがいいと思いますよ。ぜったい劇場で見た方がいい映画だし、ロングランしない可能性も充分ある(!)作品なので。 『君たちはどう

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          しわを芝居の味方にしよう!

          小林でびです。 先日『俳優のためのデモリール撮影ワークショップ』を3日間、おかげさまで大盛況だったのですが、ちょっとした「気づき」があったので書いてみます。 それは「しわ」について。今回は意外と年齢層が幅広くて、60~70代のシニア俳優が何人も。 午前中に自己紹介動画を撮影したんですが、彼らを見ていて「あ~。しわがいい味出してるなー」と思ったんですよね。 そう、しわはその俳優さんの「表情の履歴」なのですよ。 この俳優さんは笑顔で人生を過ごしてきたんだなーとか、必死で歯を

          7/22&29(土)『役の人物の目で世界を見る・役の人物として感じる』演技ワークショップ開催し〼。

          こんにちは! 7月22日(土)と29日(土)に約半年ぶりくらいで演技ワークショップを開催し〼!(追記:応募者多数のため29日を日程追加しました☆) 今まで演技ワークショップは4時間で開催してたんですが、今回はさらに深いところまで皆さんに踏み込んでもらおうと、午前3時間+午後4時間の計7時間で開催することにしました。 今回のテーマは、 『役の人物の目で世界を見る・役の人物として感じる』!俳優さんが脚本上の架空の人物を演じるときに「役を自分に寄せる」「自分を役に寄せる」とい

          7/22&29(土)『役の人物の目で世界を見る・役の人物として感じる』演技ワークショップ開催し〼。