活動報告書 9月


やっと涼しくなってきた。
なんとなく買ったセブンのアイスコーヒーを持つ手が冷たい。空気もひんやりしているからタバコがやけに美味しく感じる。

右手にタバコ、左手の中指と薬指でコーヒーを挟み、その他の指と手のひらでスマホを持って文を打つストロングスタイルで報告書を作る。

目の前に停まった車の助手席に座る女児が永遠と不思議そうな顔でこちらを凝視している。
今まで出会った事の無い容姿の淡麗さか或いは、奇々怪界な見た目をしているのだろう。恐らく後者である。
十中八九、後者である。

身辺に大きな変化は無いが、同じ職場の男性がそろそろ同棲を始めたいと私に相談してきた。
彼は一つ下の年齢ではあるがとても大人びていて、素敵な男性だ。
そう言う素敵な人種を見る度に自分が如何に体たらくな毎日を過ごして来たのだろうかと自己嫌悪に陥る。

毎日嫌だなあと職場に行き、些細な事でイライラしたりお局様の発言に一々心の中で中指を立てている。
そうして稼いだ多く無い賃金を、催促の来た市県民税の納付書を持ちコンビニで散財すると言った日々だ。

あまりに面白く無い。

こうした面白く無い人生に終止符を打たねばならない。気がついたら貯金も無くなっていて、もう訳がわからないが今年のうちはとりあえず過ごしておいて、来年もう少し精神衛生の良い生活を過ごしたいと画策しておこう。

近所の売物件になっているラブホテルが、時間が限りなく進んでいる事を教えてくれた。

もっと上品な教え方はなかったのか。

気がつけばコーヒーも飲み切っていたので、お腹が冷えないうちに帰宅しよう。

向かいがてらすれ違った母親との会話

以上。

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