見出し画像

【デザインシンキング・コンサル①】「わからない」を低減する

1.「デザインシンキング・コンサル」とはなにか?

こんにちは。DONGURIでデザインシンキング・コンサルをやっています、矢口泰介(@yatomiccafe)です。

DONGURIでは、デザインシンキングを用いたコンサルティングを商品として提供しています。

経営課題にダイレクトにアプローチする、組織開発や事業開発を行うことも多いのですが、それが「デザインシンキング」とどう結びつくのか?ということが、なかなかイメージできないかもしれません。

デザインシンキングを説明するのによく使われるのが、「共感・仮説・アイディア・プロトタイプ・検証」といった「プロセス」です。

design thinkingでイメージ検索をするとたくさんのプロセス定義にたどり着きます。

このプロセスの一つ一つの項目の是非や、あまりにプロセスが単純明快すぎるのではないか、という疑問、それでデザイナーの思考をトレースできているのか?という批判(?)も定期的にあるようです。

「デザインシンキングなんて糞食らえ」。
ペンタグラムのナターシャ・ジェンが投げかける疑問
https://www.axismag.jp/posts/2018/10/99156.html

いったん本記事では、デザインシンキングのプロセス定義に対する議論は置いておいて、私たちがどのようにデザインシンキングを使っているのか、を考えてみたいと思います。

2. 「コンサルティング」とは何をするものか

もはや「コンサルティング」に、専門家としての知識を与え、導いてあげる、という一方通行の関係性のイメージを持っている人は、少なくなっていると思います。

エドガー・シャイン氏も喝破しているように、すでにクライアントの問題は、コンサルタントが答えを教えれば解決する、といった静的で単純なものではなくなっているからです。

実は、私自身の経験から言っても、話をいただく時点では、クライアントもどうしていいかわからないし、コンサルタント自身もどうしていいかわからない、という状況から始まることがほとんどです。

問題の全体像もわからないし、答えもわからない。実は、これがコンサルティングを始める際の、デフォルトの状態なのです。

では、コンサルタントとは、何をする役割のものなのでしょうか?

コンサルティングは、「何が問題がわからない」状態から、クライアントの話を聞き、情報を集めながら、問題の糸を解きほぐす過程で、「わからない」を「ここまではわかる」に変換していく=「わからない」を低減していく作業の連続で成り立っているといえます。

「わからない」を「ここまではわかる」に変換するためには、おおよそ以下の作業が繰り返されることになります。

1. 何がわからないのか?を考える
2. こうではないのか?という仮説を立てる
3. 仮説を検証する情報を取得する
4. 仮説を確かめる

上記を行うのにスタンダードなやり方は、定量情報を元にして仮説を組み立てることです。
例えば、身近な例でいうと、あるWebサイトにおいて「コンバージョンが少ない」という課題がある場合、アクセス解析等のデータを元に、上の流れを組み立てる、というのが定量的アプローチです。

3.再び「デザインシンキング・コンサルとはなにか?」

実は、先の「わからない」を低減するプロセスは、デザインシンキングのプロセスに当てはめることができます。デザインシンキング・コンサルは、「わからなさ」の低減に、デザインシンキングを用いています。

デザインシンキングのプロセスの特長は、コンサルタントの「気づき」で仮説を出すという点です。
(気づきを生み出すために用いるのが、ユーザーインタビュー、行動観察等の「定性情報」になります。この点については、追って考えてみましょう)

デザインシンキングを用いた仮説検証は、答えを導くのに一定の時間がかかる定量的アプローチと比較して、仮説を出す→検証する、というサイクルの速度を、圧倒的に速くできるのが特長です。
「わからない」を低減するスピードが速い、ということが、デザインシンキングの武器の一つと言えるでしょう。

様々に意見のあるデザインシンキングのプロセスについては、またあらためて、意見を書いてみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?