【イベント報告】デザインリサーチとカードゲームで採用サイトを企画するワークショップを開催!

こんにちは。DONGURIでデザインシンキング・コンサルをやっています、矢口泰介(@yatomiccafe)です。

昨年7月に「Web Designing」の採用マーケティング特集をDONGURIが監修したことをきっかけに、人事の方が集まる共学コミュニティ「人事ごった煮会」にて、ワークショップイベントを開催したのですが、

前回の「UX採用サイトをUXカードゲームで企画する・ワークショップ」がおかげさまで好評をいただき、第2弾を開催することになりました。

きっかけは、前回のワークショップに参加された、株式会社ボーダレス・ジャパンの石川えりかさん(@ei_blj)から、「今度は自社の採用サイトをテーマにワークショップをしてみたい!」とのリクエストを頂戴したことでした。

そこで今回は実際に、ボーダレス・ジャパンさんの採用サイトのリニューアルを考えてみよう!という企画で、ワークショップを再び開催することとなりました。

今回は私が中心に、カードゲームを中心としたワークショップの組み立てから、事前リサーチまで設計しましたので、そのレポートをしたいと思います。

▼目次
1. ボーダレス・ジャパンさんの課題感とは?
2. 課題の原因を探るためのリサーチをした
3. 見えてきた課題とは?
4. 気づきをもとにカードゲームを設計する!
5. ワークショップを実施!
6. ユーザーからのフィードバック
7. まとめ

ボーダレス・ジャパンさんの課題感とは?

株式会社ボーダレス・ジャパンは、「ソーシャルビジネスで世界を変える」をテーマに、貧困、格差、差別偏見といった社会課題を解決するためのビジネスを立ち上げることで、その解決を目指す会社です。
国内外8カ国に拠点を持ち、いわゆる「社会起業家」を次々と輩出する、プラットフォームとしての機能を有しています。

ワークショップを設計するにあたって、現状の採用サイトについて、ボーダレス・ジャパンの石川さんにお話を伺いました。

現状、主に採用課題としてあがっているのが「新卒採用 起業家コース」。社会を変えるために、自らビジネスを立ち上げる、という志を持って応募してもらうコースです。

この「新卒採用 起業家コース」の課題というのが、以下。

2019卒採用において、2018卒とエントリー数はほぼ変わらないが、1次面接での合格率が半減


ボーダレス・ジャパンさんは、採用活動をほぼ自社採用サイトのみで行っています。そのため、自社採用サイトは採用の主戦場であり、採用サイトのパフォーマンスが、ダイレクトに採用に響いてきます。今回のご相談も、その課題感からいただいたものでした。これは気合が入ります。

課題の原因を探るためのリサーチをした

早速、どこに本質的な課題があるのか?を把握するため、リサーチをすることにしました。

まず、ボーダレス・ジャパンさんに、「新卒採用 起業家コース」の採用ターゲットに近い、3名の学生の皆さんをアサインいただき、インタビューを実施しました。

リサーチをさせていただいた皆さんは、どなたも学生時代に社会課題に対して、現地での長期ボランティアや、団体の立ち上げ等、さまざまなやり方で積極的に取り組んできた(また、現在も取り組んでいる)みなさん。

そんな皆さんに対して、「デプスインタビュー」という形で、それぞれ約1時間ほどお話を伺いました。

また、ボーダレス・ジャパンさんにアサインいただいた3名以外に、後ほどご紹介する「Ubie株式会社」の共同代表である久保 恒太さんにもお話を伺うことができました。

見えてきた課題

リサーチの結果、「新卒採用 起業家コース」の採用課題の、本質的な原因が見えてきました。私が挙げた本質的な課題仮説は、以下の2つです。

1.採用サイトが打ち出しているメッセージと、採用ペルソナ(起業家)のニーズがずれてきているのではないか?
「社会貢献」「課題解決」は、起業家のマインドとして「前提条件」となっている。つまり、起業する、サービスを立ち上げるのは、世界に良いインパクトを与えるため。
なので、あえて「社会貢献性」を前面に謳うことで、ターゲットの感覚やニーズとずれてしまっているのではないだろうか?
2.実は、隠れた採用競合が出てきているのでは?
起業し、世界に良いインパクトを与えるユーザーが目指すのは、グローバル市場でのグロースであり、そういったユーザーにとっては、サービス系スタートアップを選ぶことが「世界を変える」にもっとも近い選択肢となっている。
そういった選択肢と比較されたときに、魅力的なコンテンツを打ち出せているだろうか?

気づきをもとにカードゲームを設計する!

今回のリサーチでもわかったように、採用する側は、ターゲットのことを考えている!つもりでも、実は気がつくと、企業側の一方的なメッセージを伝えている・・・ということになってしまいがちです。

今回は、カードゲームを通じて、ターゲットユーザーの価値観を理解した上で、相互理解の情報を提供する体験をしてもらうことを、ワークショップのテーマとしました。

企業側は、採用したいターゲットユーザーのニーズをちゃんとわかっているだろうか?わかった上で、ユーザーに響くコンテンツを提示できているだろうか?

そんなことを考えてもらい、体験してもらえるようなカードゲームを設計しました。

▼ 今回準備したもの!
・価値観カード(パラメータ1〜3付)60枚〜
・できることカード(パラメータ1〜3付)30枚〜
・コンテンツカード20枚〜
・ペルソナシート
・できることシート
・コンテンツシート
・ペルソナ資料
・模造紙/付箋/ペン
※各カードの内容はリサーチで抽出

カードゲームは、今回のリサーチをもとに、前回からバージョンアップを加えました。

価値観カードは、採用したいターゲットの価値観や内的動機を考えるためのカード。「できることカード」は、組織側が持っている文化や制度を選び出すカードです。

価値観カードの一部

それぞれにパラメーターが付加されており、合計8点以内になるように選んでもらうことによって、必然的に優先順位を決めることになります。

▼ ゲームの流れ
1、4〜6人でチームを組む。
2、ペルソナ資料を見ながら(必要に応じてインタビューしながら)「価値観カード」を合計パラメータが「8」以内になるように選ぶ
3、選びだしたカードを元に、「ペルソナシート」にユーザーの価値観を一言でまとめる
4、ユーザーのことを考えながら「できることカード」(企業の制度や文化を書き出したカード)を選ぶ。カードは合計パラメータが「8」以内になるように選ぶ。
5、選びだしたカードをもとに、「できることシート」に企業の価値観を一言でまとめる
6、できることシートを元に、「コンテンツカード」を並べサイト構成を考える
7、ユーザーにプレゼンし、率直な感想をもらう。

今回カードゲームは、ゆくゆく一般的に使っていただけるようカードゲーム化したいと考えています。

いざ、ワークショップを実施!

当日のスライドはこちら

皆さま、終業後にもかかわらず、チームで活発に議論をしつつ、ワークショップを楽しんでいただけました。

ユーザーからのフィードバック

今回も、ワークショップにはターゲットユーザーに近い、リアルなユーザーに参加いただきました!

ご来場いただいたのは、インタビューにもご協力いただいたUbie株式会社の共同代表・久保 恒太(@KUVO1017)さん。

久保さんは病名予測のアルゴリズムを軸に、医療とAI領域でサービスを展開する、まさに、社会貢献性の高い分野での起業経験を持つ、ターゲットユーザーに近い動機と経歴を持たれています。

今回は、そんな久保さんに仮想ターゲットとして参加いただきました。


ワークショップの終わりには、チームで考えた採用サイトのコンテンツ案を発表してもらいます。

そして、仮想採用ターゲットである久保さんに「自分が応募する側だったら、入りたいと思うかどうか?」という観点で、フィードバックをいただきます。

久保さんからは以下のようなフィードバックがありました。

企業の価値観は、コンテンツにしてしまうと、どこも似たようなことを言っているな、と思ってしまう。
どちらかというと、トップダウンのメッセージよりも、現場で実際に起業した人の例が知りたい。事業やサービスの成功の再現性を知りたいので。
起業を考えている人にとっては、いかに手厚い制度があるか、ということよりも、裁量権がどれだけもらえるのかを具体的に知りたい。
起業にあたって使える資金やリソースなどが具体的に知れるのはうれしい。

「起業家」という視点から見た「欲しい情報」が新鮮で、参加した皆さんはもちろん、ボーダレス・ジャパンさんも「なるほど!」「その視点はなかった・・・」などの発見の声や、
ペルソナ資料とワークショップ中のインタビューで、ターゲットの価値観は割と各チームでつかめてはいたものの、それに対して、何をどう打ち出すか?が難しかった、という声をいただきました。

ワークショップを通じて、皆さんたくさんの気づきを得ていただけたようです。

あらためて、前回に引き続いてお誘いいただいたオイシックス・ラ大地 三浦さん、コネクティブ渡邊さん、ボーダレス・ジャパン石川さん、Ubie久保さん、リサーチに参加いただいた皆さん、そして当日ご参加いただきました皆さん、本当にありがとうございました!!!!!

ボーダレス・ジャパン石川さんの書かれた当日レポートはこちら

終わりに

今回は、カードゲームを使いながら、実際の企業のリアルな課題から、採用サイトを考えてみました。

採用に限らず、人事が取り組む課題は、入社後の研修や評価制度など、組織運営のあらゆる面にわたります。

限られたリソースの中で、、このような課題に取り組む際には、できれば人事だけでなく、様々なステークホルダーを巻き込めるのが理想です。

今回は採用にフォーカスしたリサーチからのカードゲームを設計しましたが、「巻き込む」という面でも、ユーザー理解、自社理解を目指した課題リサーチや、ワークショップ・カードゲームといった巻き込み・サービスデザインは有効な手法、との思いを強くしました。

今後も、採用に限らず人事課題・組織課題にデザインシンキング・コンサル/リサーチャーとしてアプローチしていきたいと思いますので、ぜひDONGURI 矢口まで、お声がけいただければと思います!

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矢口 泰介

DONGURI MAGAZINE.

DONGURIのメンバーが綴るnoteです。デザインシンキングを用いたコンサルティングや案件事例、手法、進め方など、私たちの取り組みを紹介していきます。
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