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きうじうごにちめ(びでおやすうりおう)

時代の徒花ビデオ安売り王。
地元の町には老夫婦が営む小さなレンタルビデオ店しかなかった頃、確か僕が高校生の頃だったと思うけど、ビデオ安売り王が地元にも開店した。
今でこそ信長書店や大黒書店やブックメイトみたいなAV中心のソフト販売店はそこらへんにあるし、大人になった今ではいつ何時であろうと気が向いた時に行けるようになった。
娯楽不毛の地であった地元にエロ中心のビデオ店、それも高校生が入ろうと問題なしな無気力店員の庇護のもと、胡散臭いエロビデオがたんまりある店内をウィンドショッピングするのが好きだった。
高校生でも買いやすい980円という値段設定とはいえ、500円のレンタルで失敗するのと980円のセルで失敗するのとではやはり購入すると言うハードルはなかなかに高かった。
当時はリンクに貼ったCM集にあるようなサブカルチャーやモンド的なものには目もくれず胡散臭いオリジナルAVを「今日こそは買うぞ」と勇んで入店しては「やっぱり今度にしよう」と退店するのが常だった。

そんな中で購入した、今となってはタイトルも出演女優も覚えていない、おそらくは日本のどこかにソフトとして数少ないながら残っているであろう一本は、自分の目利きとしての才を実感するに至るものでそのビデオで何度もセンヅリしたものだ。
今で言うNTRものだったと思うが、薄暗いキッチンで旦那と会話しながらその死角で間男に突かれる様はその後のちんぼびんびんポイントの骨子となったであろう。
あのビデオがインターネッツの海に漂い自分の浜辺に漂着する、若しくはハードオフやリサイクルショップでの再会を今でも時折考えてしまうくらいものだ。

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