図1

「RIZAP、終焉」から

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三点に注目したい 
 1.「結果コミット、科学性、人財」×「時間」
 2. PL上利益・キャッシュフロー
 3. シナジーと事業特性

関連代表記事 Business Journal 2018.11.20
https://biz-journal.jp/2018/11/post_25597.html
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A RIZAPの「赤字」について騒いでいるが、この未来は正直ベースで明確にみえていたこと。騒ぐことではない。買収により負のノレンを計上して、「PL上の」利益を押し上げる策を繰り出していた状態*1。買い組み入れた企業に対する、本質的で劇的な成長改善プランがないかぎり、自転車操業的になるのは必然であるし、あのペースで負のノレンを計上する買収劇で、劇的改善を連発するなど非現実である。買収を重ね成長するのであれば、ポートフォリオ的な高い視座での成長ストーリーデザインと、M&Aを成功させるノウハウ構築を可能にする組織体制・仕組、そして優秀な陣営が必用になる。日本電産を見習った方がよい。そして、PL上の利益は恣意的な産物であることと、キャッシュフローベースで考える重要性の意味合いを、今一度考えた方が良い。


B 見えていた未来に対して特段騒ぐことはないし、これでRIZAPの成長神話が終わるなどと主張するのもまたどうかと思う。現状の経営陣営に今までの戦術を脱した本質的な戦略をとれるかは定かではないが、RIZAPという企業体の有するビジネスモデルやケイパビリティを活かすことを考えれば、リバイバルプランはいくらでも描ける。


A 一言でいうなれば、ライザップは「結果コミット、科学性、人財」という3項目に「時間軸」をかけあわせ、熟成させ、これらをフル活用できる状態でビジネスを広げていくべき。中心にあるのは、ボディーメーク事業でよく、ここで原資を創り、ノウハウを構築し、人財依存度の高い部分への科学的メスをさらに入れていく。それらを使いながら、裾野を拡張したり、飛び地を創造していく。


B ライザップはフィットネス領域でいえば、間違いなく革命児である。中高年を対象に短期で結果にまで繋げるそのやり方が取り上げられることが多いが、それだけではなく、駅から遠い建屋に場所を確保するなどして、限界利益率を飛躍的に高めることに成功している。一般的総合型クラブのそれが20~30%であるのに対し、ライザップのそれは80%近くに及ぶ*1。


A まずライザップとしてのボディメイクを考えれば、「アフターケア」の充実は必須であろう。短期で結果にコミットして、リバウンドして、また短期で…というのは事業の売上だけみればいいのかもしれないが、顧客への提供価値を考えれば、短期で改善しそれを継続できるというのが本質的である。即ち、短期で改善したBODYを維持するために、「さらなる継続的運動」「健康的食事」「健康的睡眠」…などが必用となる。また、ライザップ事業構造と限界利益率の点に注目すれば、これを更に推し進め強みを強化する策も面白い。即ち、アフターケアにおける「さらなる運動」は、一般的フィットネスジムや総合ジムへの「誘導」によって実現する。自分たちで運営せず、業界的には競合となる関係者に、自らの顧客を流し利ザヤをとる。同様にエステなどにも、自社顧客を誘導できる。


B ライザップの代名詞ともなった買収劇については、改善した体を衣装で素敵に飾るなどではなく、内/外面からの美しさに訴求できるサプリ・健康食品などに対して行う方が良い。或いは、リハビリ事業でもいい。このような領域は、主軸であるボディーメークのRIZAPと相乗するものであるし、ここで確立してくブランドを使って、今後の変革型ドラッグストアに深く食い込み、一般消費者に対してより深く浸透させるという方向性も採れる。


A 一方、ライザップの短期結果にコミットという軸で考えれば、短期で成果を保証しやすくサイエンティフィックなアプローチを採れる分野を補強することが出来る。それは既にやっているゴルフや英会話であるが、主軸はやはりボディーメーク側におき、ボディーメークでの拡大モデルを、これらのゴルフや英会話、或いはプログラム…といった部分に適用していく流れが綺麗である。


B  更に、ライザップのボディーメークは科学的アプローチをとる一方、属人性が高い状態であるのは事実。この属人性を科学しフィードバックしてケイパビリティを育むのは当然として、属人性を利用するという手がある。即ち、人財派遣モデルである。例えば、事業構造の限界利益率的特徴から無店舗化を進めるというのも手であるし、企業や個人に対してボディーメークトレーナーを派遣する立ち位置に立つのも手でる。より身軽になれるし、一方で強みは強化されるため、悪くはない。


A  このような「結果コミット、科学性、人財」×「時間」という考え方がライザップの成長にとって重要であると考えられる。ボディーメーク界においてライザップでの経験自体がブランド化されればしめたものである。優秀な人財を継続的に獲得し、継続的に排出する、正の循環を形成できる。


*1 RIZAP GROUP IRリリース https://www.rizapgroup.com/ir/ir-releases/

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