図1

「景気後退局面への対処」から

----------
景気後退局面は躍進のチャンス。
自社の強みを真に見極め、M&A含めた成長STORYを描いておくべき。

----------

A 逆イールド( https://note.mu/dialogue_of_j/n/n1a56b61c163a )などの景気が後退するであろうサインが至る所に見えているのが現在である。過去の好景気持続トレンドであったり、米中関係含むグローバル政治動向なども踏まえると、数年のうちに、後退局面に突入しても何らおかしくない。


B 景気後退という言葉をみると、ネガティブイメージがついて回るが、それは「受け身な人間」の思考である。景気後退局面は歴史を振り返っても、企業経営としてはチャンスとして認識すべきであるし、チャンスとすべく準備し対応すべきである。


A 重要なことは、景気後退局面を見据えて「準備」し「直ぐに動ける」状態を作っておくことである。これが出来ているかどうかで、天と地の差を産むことになる。


B 経営者として「現在」を考えれば、次の三点セットに真摯に向き合い対応すべきだ。
 
 1.「コスト体質の強化」
 2.「資本調達」
 3.「真の強みの整理」


A コスト体質の強化は、単なるコスト削減ではない。コスト削減というのは場当たり的対処である。コスト体質を強くするというのは、低コストで安定して無理なくプロダクトやサービスを打ち出せる「体質」であり、ケイパビリティである。組織としての構図や、人財のマインド、企業文化などが深く強くかかわる部分であるが、好景気状態の時にこそ、コスト体質を筋肉質にして、来る景気後退局面に備えるべきである。


B 資本調達は、有利な条件でリッチなキャッシュを保持しておき、景気後退時の企業体力を蓄えることを意味する。よく「無借金経営」をPRする企業や社長がいるが、あれはナンセンスであり見当違いである。資本政策を考えれば、「借りる力」「借りる頭脳」は企業経営にとって重要であり、戦略上の無借金経営を除いて、無借金である必要性はない。景気後退局面を想像しやすい好景気時にこそ、資本調達を進めるべき。


A 真の強みの整理は、自社のコアバリューを見抜くことにある。これは実は非常に難しい。自社の中心にある「強み」を整理し見抜き、そこにフォーカスする。景気後退局面において、当該強み領域を一層強化するために、現時点からM&Aの準備を進めておく。買収先のリストを作り、いつでも買収攻勢かけられるように準備を進めておく。後退局面で一気に買収をかけ、成長することが出来る。


B 真の強みという部分については本当に深い。例えば、製造業においてアウトソースを行うことは普通だが、これを「使いこなしている」企業は案外少ない。アウトソースとコアバリューの関係は重要であり、コアバリューが見抜けているからこそ、最適な範囲で効果的にアウトソースを行い、最高率での経営が可能となる。話題がそれたが、コアバリューは単純な発想で見抜けるものではないことを、念頭に置く必要がある。


A 「コスト体質の強化」・「資本調達」・「真の強みの整理」を念頭に、優秀な人財の確保に走り、それらを活かせる組織構造に改める必要がある。いま準備をしなければ間に合わない。ことが起きてからでは間に合わない。好景気であり、平時である今こそ、景気後退局面である戦時経営の準備をする必要がある。


/2018.12.28 JK

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?