図1

「個別最適化と実地試験」から

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3点に注目したい。
 1.平均的環境に不具合を感じる人を対象に
 2.ソフトとハードと個別最適化の幅
 3.実地試験
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A データドリブンでの個別最適化は、これからさらに加速していく。この流れの中にビジネスの形態として、XaaSが深く入ってくることになる。


B 個別最適化に関しては、ソフトとハードでビジネス構造が大きく変わってくる。ソフト(デジタル)の良いところは無形的であり、個別対応の最適化コストが低いということ。ハードについては、そうはいかない。


A ハードの場合、個別最適化の「幅」が重要になってくる。セミオーダーとフルオーダーの違いとして、考えてみるとわかりやすい。データドリブンで「最適な個別スペック」を見極めることはできるが、それを「作ることができる」とは言えない。ここには当然、納期や価格の概念も入ってくる。


B この個別最適化だが、個人(や組織)を取り巻く蓄積された情報から、その個人(や組織)に最適な提案をすると解釈されるのが、ほとんどである。一方、視点をずらすと、平均的な環境に対して特に不具合を感じる個人(群)に対して、都度、その不具合を取り除くことで、価値を提供することもできるだろう。


A 春の陽気になったかと思うと、極寒が待ち受けている。「しまった、あと一枚羽織ってくればよかった。」このような経験は誰にでもあるのかと、思う。


B 「まじか、天気予報で晴れって言ってたじゃん。濡れちゃったよ」。こんなパターンもよくある現象だろう。商談などの重要なイベントの前に、白いシャツにシミが付いた…なんていうケースも、あるだろう。


A このような現象というのは、1個人でみると「頻度は低い」わけだが、母数を大きくすれば日々発生するイベントとなる。このような現象に対して、「カーディガンを1日、1,500円で貸します。輸送で返してください」とか、「替えのYシャツを800円で貸します」といった形式は考えられないのか。


B 消費者から見たときに、自分に不幸が訪れているわけだが、ここで「新しいものを買ってまでは対策したくない」という領域が存在する。いくばくかの値段で、不都合なく対処できるのであれば、ビジネスの可能性が出てくる。


A 天候因子など、当然考慮する必要があるが、「当日の不幸を、すぐさま解消できる」というモデルは一考の余地がある。この場合、「どこでも簡単に代替手段を入手可能」であることが、肝になる。


B 都心から派生させていくとして、「替わりとなる衣類などを入手できる場所」をとにかく増やす必要がある。これを自前店舗でやってしまっては、固定費を支えきれない。他人様の軒先や店舗内スペースを借りるのが妥当だろう。


A 何かが起きたときにスマホから代替案を選択し、それを入手したい場所・時間を入れる。そこで入手し、着替えなどが出来る。代替案としてのプロダクトも即時で動かす。プロダクト自体は、許容可能な1つ前の型のようなものでも、今回の目的からしてみれば、十二分にことたりる。その場の不幸を取り去り、買い取らないのだから。


B 場合によっては、「タクシー」との相性もよさそうである。


A あるいは、駅などのロッカー。時間にいくとモノがはいっており、交換したものをいれると、それを自宅に移動させてくれる。


B 季節性をなくすために、春夏秋冬のイベントを考慮する必要がある。また、「汚れ付着と重要なイベント」といった季節性にあまり影響されないモノを、しっかりと確保していく必要がある。


A 実際のやるのであれば、例えば、人であふれかえっている都心の1店舗(の一部)を借りて、実験してみればいい。どれだけの不幸が存在して、それをどれだけの人が解消したがっているかを確認できる。そこから、本質的課題を炙り出し、明確なポジショニング(UVP)へと繋げていくことが可能か、判断できる。


B このような実験をすることができれば、例えば、都心へとやってくる若者(旅行者)向けに、「田舎臭さを手頃価格で排除する」という価値を、当然表現はマイルドにして提供できるかどうかも、分かってくる。


A 似たようなモデルはいくらでも考え付く。アンケートやインタビューも重要だが、実地試験での生情報から確からしさを推定していく方が、よほど確かだし、なにせ早い。

 

/2018.02.05 JK

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