図1

「PDCA→ OODA」から

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3点に注目したい。
 1.クロスPDCAで仮説をドライブし、ファクトに照らして検証・学習する形態は可能
 2.PDCAのような手段を「使いこなす」HRM・組織構造的な仕掛けは必須
 3.手段を最高率にするには、どうしたらいいか?

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A 目まぐるしく変わる事業環境という理由で、日々、新しい手法がでてきている。最近では、「PDCAからOODAへ」という言葉も聞かれるようになってきた。しかし、暗にPDCAから乗り換える企業は、まず失敗する。これらは独立した運営方法ではないし、何を目的に手段を使いこなすかで大きく結果がかわる。


B PDCAは、「PLAN→DO→CHECK→ACTION」。OODAは、「OBSERVE→ ORIENT→ DECIDE→ ACT」。OODAは戦場産まれで機動性が高いといわれる。機動性に富むから、変化の激しい時代に合うという主張が多い。


A このように考えることもできるが、機動性に富み変化に対応できるかは「運用方法」で大きくかわるわけであり、OODAにしたからついてくるオマケではない。


B PDCAであっても高速に回転させることはできるし、その過程で変化に対応することも当然可能である。


A 私の理解するPDCAは「クロス型」である。即ち、「PLANとDO」を共に「CHECK」し、そこからそれぞれへの「ACTION」をつくる。マトリクス表記をすれば、「PLAN+DO」×「CHECK+ACTION」として考え、使っている。


B その理解に立つと、CHECKにて「学習すべき」ことは、PLANする工程とDOした結果の両方になる。これらの段階で、OBSERVE(観察)し、ORIENT(状況を改めて確認、判断)し、反省と学びを経て、新たな行動指針(ACTION)を打ち立て(DECIDE)、実行していく(ACT)。


A PDCAをOODAにしたからといって、何が変わるというわけではない。これらを自組織の抱える問題点や目標に対して整合するようにモディファイし、組織として使いこなすことが重要である。


B PDCAの場合でも、常に、PLANとDOの両方から学びを得て進化すべきである。このときの、学習効率であったり速度を考えれば、状況を見つめ判断していくというOODA的な行為は必須となる。ファクト主義に立ち仮説ベースで検証・学習するという工程(サイクル)を、PDCAの中に採り込めばよい。


A PDCAを高速に効果的に回し、非線形で量子的な環境に対処するために、仮説をドライブし、ファクトで検証・学習する姿勢が必用となる。この時に、常にファクトを見つめ意思決定していくという習慣づけにOODAという視点をいれるのは効果的だろう。3現主義でも5現主義(現場、現実、現物、原則、原理)でもいいが、組織が当たり前のように使いこなさねば、まったく意味はない。そう考えれば、「どのような組織構造とHRMシステムが必用か」という疑問がおのずと湧いてくる。ここまで踏み込んで初めて、自然進化する組織や自己浄化する組織になりうる。


B 手段に踊らされては負けである。当たり前であるが、手段に踊る企業は多い。なんのための手段か。なぜ必要か。何がしたいのか。そのポテンシャルを引き出すには、どのような仕組みが必用なのか。それは、HRMシステムや組織構造として対応できる範囲なのか…。流行りに踊らされてはいけないが、既存システムからの変化に憶病になってはいけない。

 

/2018.01.25 JK

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