図1

「ヒートテック戦争」から

----------
春夏秋冬を快適に過ごすことを目標に、機能性インナーを定額提供していく。
関連代表記事 Business Insider Dec. 26, 2018, 05:00 AM
 https://www.businessinsider.jp/post-182213
----------

A ZOZOがPBを推し進めている。ZOZOのようなプラットフォームの場合、健全性が重要であり、現状の優位な絶対王者的立場に胡坐をかくと、他のプラットフォームにいずれアービトラージされるリスクが高まることになる(参考: https://note.mu/dialogue_of_j/n/n21ab8329e5c5 )。ZOZOはもっと、エコシステムに対して真摯になるべき。


B アパレルECプラットフォームという立場を考えれば、機能性インナーなどに手を出すのは理解しやすい。ZOZOスーツなど不要であり、S,M,L…という基本サイズ表記で十二分に対応でき、「機能性」が基本的差別要素として働き、プラットフォームの規模がモノ言うため。


A 機能性インナーは今や必須アイテムのような位置付けになっており、季節を快適に過ごすために、私服でも仕事着でも重宝されている。当初は繊維の機能性制御技術自体が差別要素であったが、今では、機能性繊維自体が巷に溢れており、機能の優劣は当然存在するが、「値段の項目」も消費者にとって大きな選択要素になってきているような、PLC (Product Life Cycle) の位置付けである。


B ユニクロのヒートテックはもやはブランド化しているが、ヒートテックのような機能性インナーを態々店頭で購入する理由は、ほとんどない。「合わせ買い」であれば理解でいるが、ヒートテック単体を店頭で購入する理由はほとんどない。


A 機能性インナー単体での購入行動で考えれば、ECは圧倒的有利であり、「機能性に対する安心感」をZOZOが醸成できれば、ユニクロの土壌が揺らぐことになりかねない。


B ECと機能性インナーで考えるのであれば、わざわざ「毎回購入する」のも正直面倒である。これこそ、サブスクリプションが向いている。春夏秋冬。それぞれの季節を「快適に過ごす」ことが可能な機能性インナーを、例えば年4回提供していく。


A ダメになったら買換えるのではなく、極暖のような新しい製品が出たから買換えるのでもなく、その時の春夏秋冬という季節を「快適に過ごす」ことを目標に、最適な機能性インナーを定額で提供するのは、面白い。


B 新しい機能性インナーが入っていた箱に、1つ前の季節向けの機能性インナーを入れて送り返す。これは循環フローに乗り、再利用される。同時に、消費者の感じていた「肌ざわり」「フィット感・サイズ感」…といった要素への感想を常に把握し、次の季節の機能性インナーにはそれを反映させていく。


A まずは、肌着。機能性肌着でカテゴリを支配する。ここから、例えば、靴下や男性の下着などへは展開が比較的容易だろう。ユニクロ的にいうのであれば、女性向けのブラトップなども、範疇に入ってくる。


B ZOZOは面白い仕組みを考えやすい。一番のリスクは「天狗」状態である現状であり、プラットフォームの健全性が低いことである。ユニクロが攻めるのであれば、リアルというプライドは脱ぎ捨てて、ゼロベースで、顧客が最も快適になるファッション行動に真摯に向き合うべき。この時に、エコシステムに対する健全性を徹底して保持・醸成していく。


/2018.12.28 JK

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?