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今日の気分はこの曲

Vol.1「SEE EMILY PLAY」PINK FLOYD

今回から一曲についてあーたらこーたら語る、コラムをはじめてみました。

第一回は、ピンク・フロイドの「SEE EMILY PLAY」。

ピンク・フロイドって、一般的にはプログレの代表的バンドです。

代表曲としては、

悪役プロレスラーのアブドーラ・ザ・ブッチャーの入場曲として有名な、「ONE OF THESE DAYS」。

拝金主義を批判した人気ナンバーの「MONEY」。

最大のヒットシングルである「ANOTHER BRICK IN THE WALL PARTⅡ」。

いずれも有名な曲ですが、「SEE EMILY PLAY」とはかなり毛色が違います。

重厚な感じがして。

名前が同じである全く別のバンド、と言った方が近いかも。

それには訳があります。

1967年、ピンク・フロイドは「ARNOLD LAYNE」でデビューします。

「SEE EMILY PLAY」は続くセカンド・シングルとして、

1967年6月に発表されました。

二つの曲に共通するのは、

メンバーのシド・バレットが作詞と作曲を担当しているという点。

シド・バレットは、当時バンドの顔でした。

ヴォーカルとギターを担当し、端正な姿、

幻想的な歌詞と音楽で他のメンバーを牽引してました。

悪い言い方をすれば、

当時のピンク・フロイドはシド・バレットとバックバンドでありました。

バンドの評価も高まり、順風満帆と思われましたが、

シドにだんだん異変の影が。

バンドを牽引するプレッシャーによるストレスなどで麻薬に溺れ、

奇行が目立ち始めます。

他のメンバーは彼を支えようとしましたが、

1968年3月、ついに彼はピンク・フロイドを脱退してしまいます。

残されたメンバーは、シドがいないのでバンドの方向性を転換します。

かなりの苦労の末、路線変更は大成功。

その後の活躍に至るわけです。

なお、シドは脱退後にソロ活動に入り、2枚のアルバムを残します。

が、病気の悪化により70年代中頃からは隠遁生活に入り、

2006年7月7日に60歳で亡くなっています。


曲の方に話を戻しますと、ハモンドオルガンが肝ですね。

ソロも印象的ですが、特筆すべきは2ndコーラスの前に入るリフの美しさ。

シドならではだと思います。

日本では評価の低い彼ですが、本当の意味での天才であったと思います。

天才ゆえ繊細で、様々なプレッシャーに耐えられなかったのでしょうね。

そういった意味ではローリング・ストーンズの元メンバー、

ブライアン・ジョーンズと通じるモノがあったと思います。

で、この曲のカバーですが、

まずはドラムを担当したニック・メイソンのプロジェクトのカバー。

オリジナルのPVと比べると、ニック・メイソンもトシ取ったなぁ。

半世紀以上の時間が流れてるから、仕方ないんですが。

左のギターの人がシドの弾いてたギターと同じモデルを弾いてるのが、

マニアックな点ですね。

次はシドを敬愛してた、デビッド・ボウイのカバー。

ヴォーカルがボウイ節になってるのが、ご愛敬ですね。

彼も今や天国で、憧れのシドに会ってると思います。

最期は日本のバンド、サロン・ミュージックのカバー。

シド以上にサイケですね。

ライナーノーツには「1967年、シド・バレットの作品。」と書いてあり、

彼らがシドを敬愛していることが窺えます。

2ndアルバムに収録されてるのですが、彼らの1stと2ndは入手困難で、

プレミア価格の為に気軽に聴けないのが残念です。


という訳で初期ピンク・フロイドの名曲、

「SEE EMILY PLAY」についてでした。






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