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脊髄損傷者の間で話題「ウェアラブル歩行スーツ」を旦那がトライしてみた。

「脊髄損傷で歩行不可」そのような事実を告げられた方の希望の光である「再生医療」についてのニュース記事を先日共有させていただきましたが、今回はもう一つ、脊髄損傷者の救世主なりえる「ロボティクス」について、私が調べた範囲でご紹介させていただこうと思います。

ロボティクス(robotics)工学の一分野。制御工学を中心に、センサー技術・機械機構学などを総合して、ロボットの設計・製作および運転に関する研究を行う。ロボット工学。

所謂、「ロボット」であり、もっとわかりやすくいうのであれば

ウェアラブル歩行スーツ

です。イスラエルをはじめ、世界ではこの「ウェアラブルスーツ」が開発されており、歩けないと言われた人がこのロボット技術によって

歩行可能になるのです。

日本でもいくつかこのウェアラブル歩行スーツが着用可能な病院はあるのですが、スーツ着用にはそれなりの知識と、実際のところ購入に伴う費用、十分なスタッフが配置できないなどの課題があります。さらに、病院がスーツを所持し、希望したからと言って体験させてもらえるものではありません。体の大きさなど適正や損傷者の可動域(どこまで体が動かせるか)によって、医師の判断も必要になります。

旦那の場合は、主治医の先生が入院中にトライさせたいと熱意を持って病院内で交渉してくださったのですが(なんて素敵な先生。涙)、やはり費用の関係でトライできませんでした。。(ただ旦那の退院後である今はやっと病院で扱い始めたとのことです!)

よって、なかなか国内でウェアラブル歩行スーツ体験はできなかったわけですが、私は先日夫と世界の脊髄損傷回復センターを視察すべく、オーストラリアに行った際、そこで夫は「ロボ」で「歩く」体験ができたんです!

代表的なウェアラブル歩行スーツをいくつかご紹介しながら、お話しします。

まず、もっとも普及しているであろうものが、旦那がオーストラリアで体験した

�Re-WALK(リウォーク)。

リウォークとは

・脊髄損傷により両下肢に麻痺のある人の歩行を実現するロボット下肢装具です。
・腕時計型の指示器と角度センサーにより、自分の意志を反映した歩行を可能とするロボットです。
・このロボットは、既に欧米にて販売され、株式会社安川電機が日本での販売権を取得しましたが、国内での普及には、体格や制度の違いに合わせた使い勝手の向上が必要となります。
・「さがみロボット産業特区」で実証を実施し、日本向け製品の改良及び運用方法を確立する予定となっています。(日本アジア販売総代理:株式会社安川電機)

イスラエルで開発されたロボットのようで、多分この「リウォーク」が一番普及しているのではないかと思います。

こちらのウェアラブルスーツは、背中に歩行データをとったり、あらかじめ記録しているデータ?がはいっている装置の入ったバックパック(リュック)を背負わなければなりません。

脚にはプラスチックのインソールが着いていて、そこに自分の靴を履かせます。

そして、腕時計型のリモコンを装着し、いよいよスタートです。リモコンには、左から順番に「座る、立つ、歩く」のスイッチがあり、スティックを持ったら「立つ」のスイッチを押して起動させます。

装着できたら、スティックをうまく使ってバランスをとる練習をします。装置が膝の代わりをしてくれるので、リラックスした自然な体勢で立つことができると旦那はいっていました。

スティック2本でバランスがとれたら、次はスティック1本ずつで立てる位置を探します。1本のスティックを体の真ん中に近づけて、交互にスティックを置き換えます。

そして、トレーナーに支えてもらいながら歩行をします。この時、旦那は事故後はじめて外を歩き、感動にあふれた時間を過ごした、といっていました。


https://www.youtube.com/watch?v=UEGn3BGsT9c

※旦那も「リウォーク」をトライしたときの様子をブログに綴っています。。ぜひ覗いてみてください!!

↓↓キドリハ通信〜欲しがりません、立つまでは〜(2016年1月26日、新生活46日目。(事故から299日目。)  )  http://ameblo.jp/kidorihatsushin/entry-12121972152.html

このリウォーク、旦那が体験したこの第1号は膝の稼働する箇所が皮膚とこすれやすいため、すこし擦り傷ができてしまうことが難点だったようですが、すでに開発されている第2号(通称「インディゴ」と呼ばれるそうです)では皮膚との接点となる面が改善され、さらにバックパックも背負う必要がないとのことで、先日(1月末)アメリカに行った際の情報によると、アメリカではすでに許認可がおりているとのことです。

なお、日本で販売権を持っている安川電機ですが、販売先を目論んでいた某脊髄損傷回復施設に販売ができず、権利を手放してしまうのではないかと心配されています。(噂かもしれないので悪しからず、、、、)

▼ReWalkに関するニュースはこちら。      http://ameblo.jp/175trader/entry-11925066152.html



次に、日本人が開発した楽器的な歩行スーツがこちら。

HAL(ハル)

筑波大学の山海嘉之教授(56)が開発した医療ロボット「HAL」は、ドイツで2013年に労災保険が認められ、脊髄損傷患者のリハビリに使われている。(2015年4月30日 読売新聞)
脳から送られる筋肉を動かす神経信号が、皮膚の表面に漏れ出したものをセンサーで検知して、人の動きに合わせて関節を動かすロボット。患者が自分の意思で筋肉を動かすのを助け、脳の機能も改善されると期待される。欧州では2013年に医療機器の認証を得た。日本でも今年3月に医療機器の承認申請が行われた。(2015年4月30日 読売新聞)

すごいのは、「脳波」でこのロボットを操作すること。

よって、ReWALKではある程度の「可動域」が必要なのですが、この「ハル」では、頚椎損傷で首から下がまったく動かない方にも、歩行するチャンスがあるということ。

旦那もこちらを試すべく、このハルの開発部である「Cyberdyne」に問い合わせたところ、一時間一万弱くらいだったかな?(詳しくは問い合わせを。)で、体験可能とのこと。来月にでも体験に行ってみようと思っています。

なお、HALにはこんなに良いニュースも◎

▼厚生省、ロボットスーツ「HAL」に保険適用

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160129-00000065-zdn_n-sci

▼その他HALに関するニュースはこちら

http://www.cyberdyne.jp/services/HALTherapy.html

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t210/201310/533175.html


そして、アメリカで話題を集めている歩行スーツがこちら。

exoskeleton(エクソスケルトン)

ホームページはこちら↓

http://www.eksobionics.com/

こちらのスーツはもともと高齢者の歩行補助のために作られたスーツだったが、国の方針?もあるのか最近は戦闘用スーツ(戦争で歩けなくなった兵隊の補佐なども含め)に少し寄っていっているとアメリカ人の友人からタレコミがありました。。。(さすがアメリカ、、、)

私の想像ではこんなん??笑↓↓(※あくまでもイメージ)

それでも海外では何人もこのスーツを試している脊髄損傷者はいます。日本ではなかなかお目にかかれない代物です。

こちらも体験できないかアプローチしてみたいところですね。

彼らのTwitterアカウントも私はマメにチェックしてます!!↓

https://twitter.com/EksoBionics?lang=ja

▼その他、exoskeletonに関するニュースはこちら

http://makezine.jp/blog/2014/05/walking-again-in-a-personalized-exoskeletal-robot.html


もちろん、ロボットの力を借りずに、自分の脊髄が再生医療などによって回復することは一番の望みです。ですが、

「歩く喜び」

は何事にも代え難い、貴重な人間の機能です。

リウォークで旦那が歩いたとき、「感動した」という言葉は心の底からこみ上げたものだったと思います。

近い将来、こういった「ロボットスーツ」が車椅子に取って代わり、

「このレストラン車椅子でいけないなぁ」

「車椅子だからこの道通れないな」

なんてことを考えない、心も体もより自由で、より自立した生活ができるのではないかと思います。

国内では得難い情報も、海外だとみんな知っていたりします。

「日本語」ではなかな情報が流通しないんですね。残念。�

だからこそ、私の語学を生かして日本でもこういう情報を当たり前にして、みんながこういうロボット技術の存在望んで、脊髄損傷者のひとつの「チョイス」になる。。。

チョイスが増えるだけで、人の「生きる希望」はぐっと広がる。

脊髄損傷者の夫にとっても、その家族である私にとっても。

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