見出し画像

彼女が逆らう理由

動物とテレパシーで会話をすることは、私にとってとても日常的なことだった。勿論ある時期までは自分がそんなことをしているなんて、一ミリも意識したことがなかった。みんな同じようにやっていると思っていた。
だが小学生高学年に差し掛かったある日、朝礼後のホームルームの雑談でそんな話をクラスメイトと楽しもうとしていた私に水を差したのは、隣のクラス担任の女性教師だった。

とても聡明な女性教師だったが私に対してはもともと余り好く思っていなかったのか、私を見る時だけ表情がいつも強張っていた。そして何より否定的な言葉が弾丸のように飛んで来るので、私はいつしかその教師と目を合わせないようそっと逃げるようになった。

‥何より羊と牛、馬、うさぎと象が大好きだった私は小学校で初めての写生会の時も迷わずモデルに象を選んで、硬そうなグレーの皮膚に七色の模様を入れてあげた。いつかインド映画でそういう映像を見た記憶があってそんな風に象にお化粧を(絵の中で)施してあげたつもりが、結果的にその絵は非難の対象にしかならなかった。

ここから先は

1,886字 / 2画像

¥ 450

記事を気に入って下さった暁には是非、サポートで応援して下さい。 皆様からのエネルギーは全て、創作活動の為に使わせて頂きます💑