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#65

恐怖と美しさは紙一重だとたまに思う。

二日連続で床に倒れたまま眠ってしまったら、
とんでもない悪夢をみた。
いつもは途中で必ず眼が覚めるのに、
ご丁寧に二本立て。久しぶりに悪夢らしい悪夢。


***

洋館のような広い廊下。
No.1〜6くらいまでスライド式の扉が向かい合わせになっている。


私は多分No.2の展示物。




館の主は死体コレクター。
主人がいない時だけ展示物は部屋から出られるようで、廊下には着飾らされた女性が何人か
困惑した表情で互いに顔を見合わせた。

私は白が汚れたような灰色のチュールドレスを全身にまとっていて、多分リビングデッドだ。

直後、主人が帰ってくる気配。
それぞれ急いで自分の番号の扉を引き、中へ消える。


No.2は浴室のようだった。
真四角の白い部屋の真ん中に猫足のバスタブ。
その周りや中に色褪せたスワッグのような、
枯れた草花が活けられている。
華奢な木が植えてあったかもしれない。


ーーー 一瞬美しくも見えた。


〝自分の決められた姿にもどらなくては〟

強迫観念が、あるのかわからない心臓をドクドクさせていた。
バスタブに近づくと、
自分の模範となる姿が〝再現〟されていた。

何を見たのか正直覚えてない、でも
瞬時に込み上げてきて強く口元を押さえてえずいた感覚が夢から醒めても鮮明に焼きついていた。


【私はこの姿にならないといけないの…?】


近くの部屋に主人が入っていく気配。
私は裸足のまま、
夜に染まり切りそうな中庭へ逃げ出した。

中庭には何人か同じような女性がいた。

館の外へ出たことがない私たちはどうしたらいいのか分からず、
濡れた草の上を彷徨っている。
まるで亡霊だ。


鎖の擦れるような音がして振り向くと、
真っ黒なシルエットの主人がいた。


〝愛しているのに、なぜ居なくなるの?〟


泣いているような悲痛な言葉が聞こえた気がしたのと同時に、
振りかぶった禍々しく錆びついた大きな斧で体をぶった斬られた。

私の後ろにいた女の子も。


倒れ込んだ時の濡れた草の感覚。
暮れ切ってしまった空の残影。
ゆっくり瞼が落ちるスピードに合わせて、
一つ目の夢はおしまいに。

〝愛しているなら、どうしてこんな姿にするの?〟


***


…自分の精神状況がとても心配です。
殺される夢は吉夢とはいいますが、斧でぶった斬られたことなんか一度だってあるもんか!
死ぬほど怖かったよ。もう死んでたんだけど。

Huluでサスペンスやミステリーの見過ぎでしょうか。
なんだか映画のようで、引きで見たら美しいような映像美でしたが、
当事者となったら話が違いますね。


体に食い込む斧の重さがはっきりありました。


起きた時冷や汗をめちゃくちゃかいていて、
夢の湿度を引きずりすぎて心臓がバクバク鳴っていました。
こんなにはっきりした悪夢を見るなんて、
本当に珍しい。


あなたは昨日見た夢、覚えてますか?
また、明日。

#25時ごろ待ちあわせ #日記 #夢 #映像美 #悪夢


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