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boygenius「the record」 三人の人気女性インディミュージシャンが集うバンドの新作は今鳴らすべきロックへの愛が溢れる最高なアルバム♪

先日にリリースされたこのアルバムが大好きです。

boygenius「the record」


boygeniusは女性三人からなるユニットで、

フィービー・ブリジャーズ


ルーシー・ダッカス


ジュリアン・ベイカー


の三人で結成されています。
それぞれ人気がある女性インディアーティストで、このユニットでの作品リリースは2作目。


前作は2018年にリリースされたこちらのEP。この時点でもかなり好評で話題になっていて、私も聴いていました。EPなので6曲と少ないですが、この頃から単なるアーティストの集まりというにはあまりにも完成度が高いというか、しっかりとした音作りでどの曲もいい曲だったのが印象的でした。


ただ、既に三人ともアメリカのインディシーンでは人気も評価もあるアーティストで、このユニットを続けていくのかはよく分かっていなかったのですが、

今年にこのちゃんとしたアルバムがリリースされるとあって、「あ、またやるんだ!」と嬉しかったです。で、リリースされた作品を聴いて

めちゃくちゃ感動しました!


今年はパラモアの新アルバムでも感動したんですけど、それと同じくらい感動しました。もー「ロック女子最高ね!」って年はまだまだ続いているな~、と。

で、このアルバムをひっさげてこのboygeniusでアメリカの人気フェス、コーチェラフェスティバルにも出演しています。


位置は2日目の2番目に大きいステージのトリ。そのライブも配信で観たんですけど、

ますます感動して泣いたよね!


めっちゃくちゃいいライブだったんですよー!なので、併せて感想を書いていきたいと思います♪

この「the Record」、1曲目から既に「あ、前作より感触がさらにいいかも」と思いました。

この、「Without You Without Them」は三人の美しいコーラスが奏でるまるで牧歌のような温かみのあるゆったりとした曲。録音はシンプルかと思うのですが、この時点ですでに味わい深く感動。1曲目ですよ!


2曲目は一転して、今までで一番ロックな手触りがする「$20」。軽快なドラムとギターのざらついた演奏にジュリアン・ベイカーのボーカルが絞り出されるような声ででもしっかりと重なります。そこにルーシーとフィービーのコーラスが重なって、ラストまで引っ張ります。boygeniusとしてはここまでの軽快なロック曲は今まで感じてこなかったので、私は嬉しかったです。この曲はジュリアンのソロの雰囲気に近いです。

で、3曲目は今度はフィービーのアルバムにもありそうな彼女の色が濃いメロディと編曲の「Emily~」。ミディアムバラードで、少しドリーミーなフィービーらしい曲調。「彼女も他の誰にもない自分だけのカラーをもう確立してるな」と、このboygeniusの曲を聴いて私はかえってハッキリ感じました。


次の4曲目はギターの乾いたイントロからルーシーの深めのボーカルが聴こえてくる「True Blue」。私はこの曲が本当に大好きで、このアルバムのベスト曲です!
90sにあったようなアコースティックな雰囲気をまといながら、今にも通じる時代を超えたようないいメロディの曲で、もう涙腺を刺激されちゃって(笑)。この曲、歌詞もめちゃくちゃいいんですよ!
「Your love is tough, your love is tried and true blue」とか。たまりませんね。

個人的に今回、私はルーシーが一番ボーカル的にフィーリングが良くて。少し低めで深めの奥行きがあるような声が、凄く芯を感じさせるというか。ソロの時より、三人のコーラスになるとさらに際立って聴こえて、惹き込まれました。感情の押し引きも上手いんですよ!
私がもうちょっと若ければフィービーやジュリアンみたいな儚さを持つ歌声にも憧れたと思うんだけど(笑)、今の私には断然ルーシーが好み。まるで大地のような深みのある声に惹かれます。
このユニットならではの解放感があるのか、気負わず歌っているんじゃないかと。一人でずっと歌うよりも他の人と歌う方が際立って良さが分かりやすくなるような。改めて「とてもいい声だな~」と。
もちろんジュリアンやフィービーもさすがの表現力で、どの曲も素敵です。

5曲目は三人がそれぞれリードをとるミディアムテンポのフォークかカントリーソング。ほぼギターのみで歌う三人の絡みは、また1曲目とは違う味わい。

というふうに、「変幻自在」というか曲によってリードや歌うパートの配分も、まるでルールがない様にサラっとどの曲も微妙に違って。
誰がどの曲をメインに作ってるかなども影響があるかと思うんですけど、意図的なコントロールがあんまりないような自由な雰囲気が私には感じられました。

前作のアコースティックでフォークのようなしっかりと曲と歌詞を奏でる部分は引継ぎながら、今作で私がとても好きな点は

ロック味が濃くなっている

この「Not Strong Enough」なんかもですけど、ミドルテンポのメロディがとてもいい曲が、今作ではより印象的でした。


前作はもっとゆったりしたような曲調で、ボーカルと同じくらいギターの鳴りとボーカルのシンプルさが印象的だったんですけど、今作の方がロックとしてのアレンジもより幅広くなってる気がします。

また曲のアレンジも、粗削りなようなゴツゴツとした演奏からどこか滑らかでしっとりとしたような部分もあるような絶妙なアレンジで、そこに

このアルバムを聴いている時から「彼女達、以前より本格的に『ロック』しようとしているのかな~」と感じて、今作がとても気に入ったポイントの一つです。それが

コーチェラのライブで確信に変わった!


このライブを観て

さらにめちゃくちゃ感動した!!

まず、このセット!ちゃんと大きいセットを使って、三人のたたずまいも完全にロック。落ち着いて三人だけでなどせずに、バンドをちゃんと入れてよりロックを奏でていて、小さくまとまる気など全く無い。

そこに若い女性ファンたちがもう熱狂していて。以前から特にフィービーのライブは「熱狂的な女性ファンが多いな~」と感じていたのですが、このboygeniusのライブでも同じで、観ていて本当に嬉しくて。

女性のバンドでこんなに曲も演奏も素敵で。自分の事になっちゃいますが90sからロック大好き少女だったんですけど、あれから何十年かが経ってこのboygeniusのライブを観て「ああ、めちゃくちゃ頼もしい。こんなに素敵な女性ロックバンドに今出会えるなんて嬉しいな」と感動してしまいました。(HAIMとかも大好きだけど)
これは自分を重ねて観ちゃってそう感じちゃったんですけど(笑)、もちろん男性ファンもたくさんいて嬉しいですよ!


アルバムの話に戻って、ラスト3曲は前作の流れが受け継がれたかのようなスローな曲が並びます。この「we're in love」はもともとアルバムには入れない予定だったみたいだけど、凄くいい曲です。入ってて良かった〜。

私はチャートも気になる体質なので(笑)、このアルバム、イギリスのアルバムチャートでは1位を獲得。アメリカでも3位だったかな。特にアメリカは昨今ロックはチャートでは厳しい状態なので3位でも嬉しかったですね~。そりゃ1位がよかったけど(笑)

最近は私も大好きビリー・アイリッシュやオリヴィア・ロドリゴみたいな、ロックの女性アーティストがバカ売れする時代がやってきました。さらにテイラー・スイフトの「folklore」みたいな、かなり深度の高いフォーク味のあるアルバムがまた大ヒットするなど、チャートでも良い感触のアーティストが増えた事もいい流れだったのかもしれません。

けどその道筋を作ってきたのは、boygeniusの三人や他の優秀な女性インディーズのアーティスト達が地道にしっかりといい作品を作って、少しずつだけど一般の人達にも浸透させていったこともあるんじゃないかと思います。
特に女性達(欧米ではローティーンぐらいからかな)の共感を得られているのが効いてるのかな。

この「the record」のリリース前に、rolling stone誌と組んで、かの有名なNirvanaのオマージュフォトを撮ったりと、

これが元ネタね

boygeniusは彼女達にとってもう本当に大切な音楽活動の一つなんだと。

また一緒に作るかは分からないけど、「そんなのどうだっていい。自由でいいんだよな」と思えるくらい。このアルバムが最高で、ライブも最高で、観客も最高なんだから。

私はこのアルバムでロックの自由なところを新たに気づかせてもらえたような気がしました。全曲素晴らしい曲ばかりです!本当にありがとう!!

気になった方は、ぜひ聴いてみてください♪


おまけ

まーやっぱねー、ライブは観たいよね〜!来日観たいよね〜!!たぶん1曲目から泣いちゃうよね〜!!!

いいな〜。日本楽しいから来て〜!(この写真のジュリアンの顔たまらんな笑)

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